いまは、もうないアサヒ玩具から発売されていたSAA です。
製造はマルシンだと思われます。Gun 誌には一度も広告が出ていません。
ホビージャパンという模型雑誌に載っていたそうです。
アサヒ玩具は、東京蔵前にあり、昭和23年「旭玩具」創立で当初は、ミニカー系を 造っていました。その後社名はアサヒ玩具に変わります。1969年に発売したママレンジが大ヒットしました。また、ピンクレディーの人形や、ベルバラ人形もそうとうヒットしたそうです。また、1971年にはアメリカンクラッカーという2個のボールをカチカチ合わせる物があたりました。その後1980年台にパックマンの類似電子ゲームを売っていたようです。1989年(平成元年)に会社は解散し、現在では 別形態の組織になっているそうです。
こちらのページを参考にしました。
http://2nd.geocities.jp/nostalgicpc/antimonial.html
大阪で自転車を売っている会社とは、関係がないのではないかと思います。
そちらは1975年創業の旭玩具の息子さんがやっているようです。
上は、CMC 2代目のSAA です。アサヒイーグルが出現した頃に販売されていた物です。アサヒのSAA は、形がたいへん良くて人気があったそうです。写真の物は、フロントサイトが 折れています 。
ネット上の情報によりますと六研のSAA の亜鉛版と言うふうにも書かれています。
が、Gun 誌の表紙を飾った物と比較してみたら、それほどそっくりではありませんね。
シリンダーのべベルカットは、良く似ていますがフレームトップの薄さなんか全然違いますね。
現代の比較標準機としてCAW の2nd ジェネレーションと並べてみました。
大きさは、ほとんど同じです。実銃では、2nd ジェネレーションで、シリンダーのべベルカットがなくなりました。
この部分の装飾切削です。機能的には何の意味もありませんが、昔のリボルバーは 、たいていカットされています。面取りではなく円錐状のカットです。
横からの写真では、判りませんでしたが、下から見るとアサヒはフレームが厚いです。すぐ横に置いたマルシン・シェリフズとまったく同じ厚さ、形状ですね。
マルシンとの比較
アサヒイーグルSAA の製造はマルシンだと思います。ほぼ同じ形です。
特に右サイドの押し出しピン跡が同じ金型使用を物語っています。
それにしてもマルシンさん、こんなところにくっきりと跡を出すのはやめていただけませんかねぇ。バットマスターソンには、型跡はありません。マルシンSAA を買うのならバットマスターソン・キットが安くて形も良いのでお買い得です。
右がアサヒイーグルのシリンダーですが、金属製モデルガンでは 日本唯一のブッシュを装備した物です。実物どうりです。カートは、ご覧のようにマルシンの物が使用できます。また、両者は実銃と違ってカウンターボア(カートのリムが入り込む)になっています。
マルシン・シェリフズのベースピンは「鼻くそ」のように細いです。こんなんで45口径撃てますか? バットマスターソンは、極太で良好です。
ベースピンのサイズは、違いますがシリンダーそのものは寸法は同じです。 お互いに入れ替えてみました。
アサヒのバックストラップ・フレームは、ハードに遊んでいたら壊れたようです。 確かに細いですね。あつものに懲りたのか、マルシン・シェリフズではブラックホーク型の一体型に強化されたフレームに変更されています。おかげで実物グリップは装着できません。
バットマスターソンは実物どうりのフレーム割です。
レストアのために
アサヒとマルシンのSAA は、兄弟なのでパーツ互換もかなりあります。
ハンマーは、矢印部分が厚いためそのまま使用はできませんが、削れば
使えます。ハンドやボルトも使用できそうです。
アサヒのハンドは、書籍写真の左上の実銃のとうりに作られていますが、おかげで板バネが外れやすくなっていました。
そこで「カミソリノコ」で斜めに切れ込みをいれ、板バネを挿入しました。
この形式は、実銃ではコルト互換品が採用しています。モデルガンではCMC が採用しています。
力学的には、しっかり安定した方法です。
改造したアサヒのハンドです。板バネも長すぎるので 少しカットしています。右に置いているのは、CMC 3代目の物です。
分解状態です。左下写真のようにボルト、トリガーネジは、ごく普通のネジの ように先端部分に山が切ってあります。
刻 印
丸にハネ馬は、実銃のSAA の中では多い方ではありません。
上の書籍写真は、この本「スタディ・オブ・SAA 」から引用です。
SAA 1st ジェネレーションの解説書ですが、読みにくいです。2nd 以降の事は
書かれていません。Amazon で普通に購入できます。
マルシン製の兄弟たちです。上からバットマスターソン、 アサヒイーグル、シェリフズです。一番上の品質、形状が抜群です。
マルシンは一貫して同じシリンダー金型を使用しているようで、バットマスターソンもカウンターボアになっています。でも、1st ジェネレーションのべベルカットをきちんと再現している金属モデルガンは、マルシンだけなので貴重な物です。(CMC 3代目も小さめカットを再現しています)。
アサヒのシリンダーはブッシュ入りで、開発当時の意気込みを強く感じました。
また、基本設計が優れていてハンドのタイミングもバッチリです。
なかなかいい製品だったのですね。
いまでもその血が絶えずに流れていることを思うとうれしくなります。
カート
2種類撮っていますが、右の物は間違いなくアサヒ用ですが、左の物は同サイズですが本当にアサヒの物なのかは判りません。情報ありましたら教えてください。アサヒ純正のカートは、亜鉛製の無垢な物です。
左側のカートについて、CMC2型後期(sm期)のカートではないでしょうか?と、いうご意見を寄せていただきました。有難うございます。
初期の真鍮カート
2016年11月、投稿いただき追記しています。
初期の物には真鍮製のカートが付属していたそうです。
それは刻印もあり、写真右のように45COLT ASAHI と打ってあります。
写真左は、アサヒイーグルによく見られる亜鉛製のカートです。
貴重な情報いただきありがとうございました。
鉄製のカート
よく分かりませんが、友人が入手したカートを見せてもらいました。アサヒ 45コルトと刻印があります。錆びていまして、磁石に反応する鉄製です。 鉄製カートなんて昔、あったのですね。驚きました。
追記・紙箱
「模擬銃器」YO さんのブログから たいへんきれいなオリジナル・BOXの写真をいただいてきました。YOさん有難うございます。 凄く状態が良いようです。
中身は、赤いものと写真の発砲むき出しの物があったようです。
後期型・追記 2024年
匿名様より後期型の箱に入った亜鉛製のカート写真をいただき、掲載させていただきました。 以前の箱からは、保安官バッジが省略されています。カートも亜鉛になり、コストダウンの努力が見られます。
雑誌広告
1971年(昭和46年)のホビージャパンの広告です。
投げ売り??広告
1976年(昭和51年)のGun 誌、ポストホビーの広告です。
この中でアサヒイーグルのSAAは六人部さんの設計だと書いてあります。 52年規制が近づく中、在庫を半額で投げ売り状態のようです。
おまけ