CAWのシェリフズです、昔のCMC3代目の金型を使用した金属モデルガンです。
いまCAWで売っているセカンドジェネレーションとは全く違う商品で部品互換もありません。
真鍮のトリガーフレーム、バックストラップが付属していて、綺麗な木製グリップが標準で付いています。少数ノンフルートのシリンダーもありました。それは、かなり重たいものでした。
登 場
1996年(平成8年)3月号の月刊・アームズ・マガジンに載っていました。
このころに旧CMC 3代目SAA の金型を使用してタナカが金属SAA モデルガンを発売しています。 それに伴って、ヤハタ商事からファストドロー用のカスタム品、CAW からはシェリフズが発売されました。
ガンズダイジェスト・97年版にバントライン・バリエーションとともに掲載されています。 ↑写真はクリック拡大します。
刻 印
左サイドは、CMC 時代のままの刻印ですが右サイドにガッツリとCAWの大書きが見られます。 バレルには、コルト・シェリフズ・モデル・45 と書いています。
バレル上面には、ちゃんとコルト社の住所刻印が打たれています。
CMCと比較
CMC3代目SAAと、ほとんど同じ作りですが、細部に違いが見られます。
シリンダー前端のベベルカットが全くなくなりました。単なる面取りになっています。
CMCの方は、ファーストジェネレーション の最後のほうの少ないカットを再現していますが、CAWの方はセカンドジェネレーションの全くベベルカットしていないシリンダーを再現しています。
トリガーフレームはCMC の物は、実物よりも長いです。矢印部分を見れば、これがCMC 用であることがすぐに判ります。フレームラインよりも前方へ2,3mm長すぎます。
ですから、今現在販売されているCAW の真鍮フレームパーツは取り付けられないと思います。
旧CMC 用の物でないと付けられません。
謎の四角
CAW のシェリフズには、この部分に四角形の型が付いています。
金型を整形した名残でしょうか? 気にする人には、目立つ部分でしょう。
以前、ノンフルートの物も持っていましたが、同様に型がありました。
謎が解明!
匿名さまより情報いただきました。有難うございます。
この四角は、超鋼インサートを鋳込んだ亜鉛のブロックを差し込む穴の跡だということです。金型に開けられた穴に、あらかじめ出来上がったインサート付きの亜鉛コマを差し込んでから 湯を流し込み鋳造されます。CMC の時からこうだったのだそうですが、仕上げ段階で見えなくなっていました。CMC の金型がタナカに渡った時に、すでに出来上がっていた亜鉛コマも引き継がれたので、復活したSAA は、古くに完成していたコマを使用して、新しく鋳造されたので、コマの亜鉛表面の劣化によりメッキ段階でうっすら不純物が出て、はっきり四角形が浮き出たのだろうということです。
匿名さま、貴重な情報有難うございました。
この四角形はCMC・SAAとCAW・SAA との間に流れた「 時代 」そのものの足跡だったんですね。
変なカート
真鍮棒をブツ切りしたかのようなヘンテコなカートが付属しています。
本来はダミーブレットがあって、それをシリンダー前方より装着することで
外観を良くするように出来ています。したがってシリンダーインサートは、CMC と違って少し奥にあります。
写真左端のようにプライマー部分は、単なる溝が掘っているだけなので、このカートでガンガン空撃ちすると すぐにハンマーが壊れたと思われます。
カートを装填した状態ですとハンマーが落ち切りません。浮いた状態になります。
このモデルガンは、作動させることが考慮に入っていません。「飾って楽しめ」と、いう イメージです。インサートがダミーブレット用に奥まっているために、CMC 用のカートは途中でつっかえますので 使用できません。
発売当時の価格は 32,000円もしたのですから、高級カスタム品ですね。
作動もしっかりしています。以前持っていたものは、ボルトの上がった音がカチーンと響いて
気持ちよかったです。この写真の個体は、使い込まれているのか、響きませんでした。
CMC 系のSAA金属モデルガンは、作動が滑らかです。
Bird's Head
バーズヘッド・グリップで検索していたらUberti というSAA ばかりが出てきますので、 それって何?と思って調べてみたら、イタリアのレプリカ・メーカーですね。コルト本家よりもきれいなのではないでしょうか?サイトはこちら
http://www.uberti.com/
写真矢印のモーションピクチャーで短い動画が見られます。綺麗な写真ばかりで大変興味深いです。 お勧めします。
こんなに奇麗なSAA が5,6万で買えるなんて、モデルガンより安いですね。
バーズヘッドグリップを調べてみると、ネットによっては、コルト・デリンジャーの形状である、と 記載しています。悪漢ビリーザキッドもこのタイプのSAAを使用したとの記載もありました。
全体からみるとバーズヘッド・タイプは非常に数が少ないですね。そりゃそうでしょう、このグリップで撃ったら 反動で銃が直立してハンマースパーが手に突き刺さりそうですもんね。
CAW が今のように大々的に活動していない頃のカスタムモデルガンでした。
たいへん素晴らしい仕上げのモデルガンで、オールドモデルガンファンとしては、CMC の血が
絶えず流れていることにも感動しました。