
豪華ケース入り


カートは、いつものランパントさんと同じもので、実ケースよりもほんの少し短く作られています。
右写真の右端がランパントさんの物です。
刻印の意味は調べましたが、かりませんでした。

登 場

実物と比較



え、いぇ、はい、そうです、そんな小さいことはどーでもいいですね。
シリンダーにシリアルナンバーが入っているところを見て下さい。素晴らしい。 他にもPとHNマークが入っています。
いわゆる黒色火薬時代のストレートフレームやシリンダー先端のベベルカットなど
相変わらず正確に再現されています。シリンダー後端のフレームの角もRです。

以前持っていたランパントはどうだったのだろう・・・そこまでチェックしていませんでした。

インスペクターマーク

このHN さんの方が、実際にチェックする人だったのでしょう、あちらこちらにHN の刻印を打っています。 ランパントさんもそれを忠実にコピーしています。素晴らしい。
なお、ランパントさんの木製グリップは、真のワンピースで貼り合わせではありません。


ランパントのハンマーは真鍮製の鋳造品なのでスパーのチェッカーリングは甘いです。

参考 WEB


モーフィーの方は1000万円くらいで売れたものですね。すげー。
ランパント社の歴史
ここらですこしランパント社について記しておきたいと思います。なんたってwikipedia にも載っていないのですから 情報少ないです。という私も趣味を引退しているころに登場した会社なので、まったく知らなかったです。
年代 | 記事 | 備 考 |
---|---|---|
1996年 | 活動開始 2ndジェネレーション製品 |
Gun 誌 広告 |
2002年11月 | 1stジェネレーション製品 | チラシ |
2003年 1月 | 業界撤退 | 倒産ではなくって撤退 本業との兼ね合いか? チラシ |
2009年 9月 | 復活 | |
2011年 1月 | 金属モデル製造予告、予約受付 | チラシ |
2012年 1月 | 金属モデル発売 | かなり遅れた模様 |
2012年 9月 | 本年いっぱいで活動休止宣言 | チラシ |
2012年12月 | ラスト3機種受付 | チラシ ロンドンモデル |
2013年 3月 | ロンドンモデル出荷 | TakeFive さんブログ |
2013年 2月 | コルト純正彫刻モデル販売 | Gunプロ記事 |
2018年12月 | ホームページ閉鎖 | パーツやB級品など扱っていた |
捕捉しますと、流通消費材製造販売の大手会社の社長さんが作った会社のようですが、2003年の撤退は お父様が亡くなられて本業を継ぐために忙しくなったからのようです(ネット情報による)。 2012年の閉業宣言は、おそらく金属モデルが思うように売れなかったからではないでしょうか?
マニアの厳しい評価も一因でしょうが、圧倒的に購買層が少ないのが主な原因だと思います。 団塊の世代の先輩方は、すでにモデルガンを卒業していて、 今ごろ金属モデルを買うようなオヤジーは、たいへん少ないことが背景だったと思います。
素晴らしい造形




あちこち刻印




恐れ入りました。





真鍮削り出し


エジェクターチューブとトリガーガード、バックストラップは、ロストワックス製法による鋳造のあと、削り出し 加工された真鍮パーツです。と聞くとピッカピカを想像しますが、ここはちょこっと問題ありです。
左写真のエジェクターチューブは、手が切れるくらいにエッジが立っています。 右写真のトリガーガードには、なんだか本物みたいな刻印が入っています。しかし、右下写真エンドミルの切削痕が クッキリで少し萎えます。
これでいいんかい?


左の写真の刃物跡をご覧ください。どういう加工をすればこのようになるのかよく分かりませんが、機械好きな私には 嬉しいものですが、右写真のバックストラップは、まるでパーティング・ラインみたいで気に入りませんね。 ようく見ると左右対称に加工しているので真ん中が取り残されて、まるでパーティング・ライン状になったものでしょう。
こんな状態なのにHN刻印をその上からよく打てましたね。ビックリです。10万出して購入したマニアの目には、 この部分はどういう風に映ったことでしょう? 心配です。
勝手な考察
私の勝手な想像ですが、真鍮削り出し部分は完全な外注で、そこはGun の事なんかよく知らなくって 図面どうりに加工しただけで納品したものでしょう。それを納得いくようにバフ掛けするとなるともっと価格が上がりますね。 複雑な真鍮削り出し部分でそうとうにお金を使っているので、それ以上の加工は断念したのかもしれません。また、社長さんのチェックも行き届いていないのではないでしょうか? 本業が忙しくて、すでに閉鎖を決めているモデルガン部門にこれ以上の時間とお金はかけられなかったのではないでしょうか?
こんなにすごいスペックで良い仕上げなのに、手にした感激や持った時の喜び感が生じないのは、 機械部品としては完成されているけれども、モデルガンとしての命が、未だ吹き込まれていないのではないかと 感じる次第です(個人的感覚です)。簡単にいうとなんだか愛を感じられないのです。
CMC・3型と比較


cmcの3型にアドベンのバックストラップを装着したものとの比較です。アメリカから購入したグリップが大きくって アドベンのパーツと入れ替えないと上手く装着できませんでした。
CMC の方は、セカンドエディションを彷彿させる姿をしています。
終わりに

高級モデルガンなのですが、いまいち感動のハシゴを外された感がします。それは私が金属モデルのAとBタイプが発売されたときの 不満感を引きずっているせいかもしれません。あの時のメッキ不具合は、今回の削り出しパーツで解消されているものと思ったのですが、そこには新たな不満部分が存在していました。なんともマニアには歯車が合わない製品でした。 超マニアな社長が作った製品が、マニアに感動してもらえないという何ともザンネンなモデルガン紹介になっちゃいました。 それだけ金属モデルガンは、製作や管理、仕上げが難しいということだと思います。
写真は左からランパント、CMC3型、MGC、中田、アサヒ、CMC68型
メ カ

ランパントさんが登場したころには、リアルマッコイさん、ホビーフィックスさんも登場していて、新たな時代の流れを感じます。 また、各社にはある共通点があります。 それは、本業を別に持っているということです。ある意味CAWさんも、またエランさんも当てはまるのではないでしょうか?
それは、モデルガンの製造販売が単独では成立しにくいことを示しています。かつて世間を凌駕したモデルガン旋風は、今はすでに無く エアガン全盛の中でもメーカーさんは、細々とながらも製品を供給してくれています。たいへん有難いのですが、どのみち 滅んでいく文化だと気付かされて何ともさみしいものです。
追 記・・・
ここまで書いてから人パンのK'z さんのブログにもこのモデルのことが書いてあることを見つけました。 こちらですhttps://m1garand.exblog.jp/20444403/
そこに載っている真鍮パーツは、きれいなメッキ品です。よく調べたらチラシに1万出しでバフ掛けかメッキ仕上げが
選択できるようになっていました。
このページで紹介のモデルは、標準仕上げ品で切削加工跡が見られる製品でした。
勝手な思い込みで記述してすみませんでした。