1972年米国公開の「ゲッタウェイ」(THE GETAWAY)のパンフレットと共に撮影。
この映画の中でマックィーンがガバを使用しています。
CMC から3型のガバメントが発売されたのは1976年からです。
この頃のCMC は、矢継ぎ早にクォリティの高い新製品を発表し元気リンリンでした。が、価格が他社の物より高めで、子供の私にとって高級品のCMC は、憧れるだけでした。
いっきに3機種販売しました。ミリタリーとコマンダー、ナショナルマッチです。
この写真は、右がミリタリーで左がNMです。ナショナルマッチの方は、セフティやグリップが他の物と入れ替わっているようです。
右側はこんな感じ。
モデルガン界の自主規制によりsm マークが付けられたため馬のマークは、スライド後方に押しやられました。
しかし、実物のモデル1911の当時は、こういうデザインもあったようです。上の書籍写真にあります。
また、sm マークは、業界の自主規制で法律で決まっていた物ではありませんでした。
より強い規制を受けたくないため自分たちでやっていた物ですが、1977年にそんな努力もまったく関係ないかのような大規制によりCMCガバも滅んでしまいました。
登 場
1976年6月号のGun 誌の広告です。コマンダーのセフティは写真と違いますとの注釈があります。 この写真を見るとナショナルマッチも指掛けの広いセフティが付属していたようです。
翌年に52年規制が実施されたために約一年半しか売られていません。そのため今では、同時期のMGC GM3や MJQ とともに幻のモデルガンになってしまいました。
コマンダー
ヒルツさんより貴重な3型オリジナル状態のコマンダーの写真をいただき、掲載させてもらいました。 素晴らしいコンディションですね。短いとなんとも戦闘的です。 グリップは、メダリオン付き。
指掛けがでっかいセフティです。ハンマーの滑り止めがゴッツイですね。
ナショナルマッチ
CMC のナショナルマッチの刻印は、どこから取ってきたものなのかを調べようとして、エアガンのシリーズ70のゴールドカップを引っ張り出してみました。すると・・・
CMC のスライドは短いのですね。最近、K'z さんもブログで書いていましたね。
私は、知りませんでした。
実銃写真
肝心の刻印は、プレ70 のナショナルマッチの物で結構レアなモデルのようです。
pre70 Gold Cup National Match で検索するといろいろ画像が見られます。
おぅっと、自分でも書いているページがあるじゃない、完全に忘れていますね。
2型と比較
この頃のCMC は、「実物に忠実な物を製作することが正義だ」 とばかり旧型の見直しが行なわれたのでしょう。左の物がCMC 2型です、2型と言っても1型と同じ金型なので、かたち的には2種類ではありません。
見比べると、トリガーガード形状が大きく違うことがすぐに判ります。ハンマーやセフティも違いますね。何といってもグリップフレームが2型は少し実物よりも小さいことが気に入らなかったのではないでしょうか?
2型と3型の写真を重ねてみました。3型のフレームが長いのが判るでしょうか?
3型は、気合の入ったモデルガンです。マガジンキャッチも板バネ式はやめて実物のようになりました。
フレームを延長し実銃サイズとしたため、実物マガジンも使用できます。左が実物、右はCMC 製。 グリップも当然実物が使えるのでしょう。
メ カ
↑クリック拡大できます。
シアースプリングが実銃と違って長いので折れたら他のモデルガンのスプリングでは補完できません。 その時には、MGC GM5のシアと入れ替えると実銃サイズのシアスプリングでも届くのではないかと思います (実証していません)。
また、外観だけでなくメカも見なおされ実物機構を再現しています。
ごらんのようにディスコネクターが付いています。のちにブローバック型も出たようです。
そのタイプは、銃身固定型だったと思います。
実物と同じ形状のシア、ディスコネクタ。今では、そんな物珍しくもありませんが、これを当時再現した物はCMC のみでした。
写真のハンマーは、HF 製のものかもしれません。
ファイアリングはブロック式で、ロストワックス製のものもオプションで用意されていました。
sm 自主規制で撃発部にインサートを入れないといけないため ファイアリングブロックは中空です。変わったことに撃針止めプレートにはプランジャーが仕組まれています。
バレルも実物同様、前方抜きが出来ます。2型は前方へは抜けませんでした。MGC GM−1は前方抜きです。また、この写真の物は、リンク部分が「あと切削」 されていて、調整されています、すごい仕上げです。オリジナルでこういう風になっていた物かは判りません。
相当に力の入ったモデルガンですが、プランジャーチューブだけは今までどうりとなっています。 グリップをバラす時は、ここが吹っ飛んでいかないように細心の注意を払いましょう。 私は、何度も泣きました。今回も判っていたのにプランジャーを飛ばしてしまい、顔面蒼白で部屋中探しました。 この部分が、本物と同じかたちになるのは、このあと25年も経ったホビーフィックスの製品まで 待たなくてはなりませんでした(金属モデルでは)。
そのホビーフィックスのガバメントと記念撮影。昭和の決定版として登場したCMC 3型でしたが、 翌年の1977年の銃身分離型販売中止の法令により名声を得るひまもなく絶滅してしまいました。
その後、四半世紀して21世紀にHF から金属ガバが蘇ったことは、「重きを以って尊しと成す」 という世代の私にはたいへん嬉しかった物ですが、それさえもすでに絶滅状態です。 また再び、いつの日か金属ガバが世に現れる事を信じ続けて行きたいと思っています。
コマンダー追記
2018年、コマンダーをお持ちの方がいましたので写真を撮らせていただきました。
程度良いですね、色は塗り替えているそうです。
たしか K's さんだったと思うのですが、CMCの3型ガバメントのコマンダーは、ちゃんとフレームも短く作ってある という話を聞いた記憶がありましたので、写真比較してみました。確かにフレームは、短くされているようです。
このモデル以外のコマンダー製品は、スライドのみが短くされていました。
紙 箱
おわりに
今回の撮影小道具、映画パンフレットとGun 誌1976年6月号です。
マックィーンがズボンに指している物は、ラーマでしょうか?ガバではありませんね。
昔を懐かしがりDVD を購入してみましたが、えらくカットされていてショックでした。
マックィーンとマックグロウが舌を絡めるキスシーンや人質奥さんのおっぱい露出シーンは
カットされていました。思春期だった私は、そのシーンは、くっきりと覚えています。
子供の頃は、迫力映像でしたが、今見ると全体にスローモーな流れで、時代が違うことを痛感しました。
リーフレット
リーフレット写真のコマンダーのセフティは、製品版と違ってミリタリータイプが付いています。 Gun誌の広告と同様ですね。
おまけ・分解図