登 場
52年規制(1977年)で銃身分離型が販売できなくなったので、商品はリボルバーばかりになっていましたが、 銃身分離できないタイプの自動拳銃として規制後に発売されました。ですからルガー・マーク1にはsmGマークが 入っているものしか存在しません。写真は1978年8月号のGun誌 広告です。
M1カービンのリアサイトが変わったことが告知されています。実銃1903ライフルのサイトを流用していたのをやめて 正確に作り直したものです。
ラインナップ
CMC が52年規制後の昭和53年(1978年) に発売した力の入ったモデルです。
以下の3タイプが発売されました。写真は6インチとブルバレルです。
ブルバレルとは、射撃競技用に重い銃身を備えたモデルのことで、あとから製品に加わりました。
登場 | 種類 | 価格 |
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1978年 | 4 3/4 インチ・モデル | \8,000 |
1978年 | 6 7/8 インチ・モデル | \8,500 |
1979年 | 5 1/2 インチ・ブルバレル | \8,500 |
外 観
6 7/8 インチなんて、なんとも中途半端な銃身長のようですが、アメリカさんのスケールは、1/2、1/4、1/8といった分け方をするので
7/8 インチなんて当たり前なのです。フットボールも第1クォーター、ハーフタイムなどという区切りです。
何分のいくつ、という区切り方は日常の物なのでしょう。
写真のスケールは上側が8等分に区切られたインチ用で下側がセンチです。米国から購入しました。
写真のようにオートの銃身長は、チャンバー後端から計測します。
12インチで1フィート。これは12進法です。アメリカ人の頭の中は計り知れない。
10進法しか知らない私には
理解できません。
反対側はこうなっています。実銃のルガーは、登場時ガスパイプを切断して作ったような安物だと言われたそうですが 現在では安価で機能も信頼されていると思います。ちなみにRuger とは、設計者のビル・ルガーさんの名前で ドイツのLuger とは全然関係ありません。資金協力のスタームさんとスターム・ルガー社を起業しました。
徹底的に実物を模した造り。CMC のマニア向けのこだわりが見えます。もともと独自の機構でもモデルガンを開発していた会社ですが
実物志向を強める事で規制後の生き残りを図ったものと思われます。この発想は、MGC の対極にありますね。
私が以前持っていた物は、分解プレート部分が割れてしまいました。強度のない亜鉛合金だから仕方が無いです。 実物志向を強めるとよく壊れるという矛盾を生じます。これは、どのモデルガンにも言えることです。
したがってMGC のように実物をアレンジした造りでも「遊べるモデルガン」を供給するという点では大きな意味合いがあったと思います(子供の時は蔑視したこともありましたが、オトナになった今ではそう思えます)。
刻 印
刻印もバッチリ決まっています。書籍の実物同様です。
このルガー拳銃は、昔ハワイで商店街の中で撃ったことがあります。22口径なので 反動は無きに等しいですが、面白かったです。観光客にはおなじみの銃でしょう。
メ カ
右の実物分解写真はインターネットから取ってきたものですが、スライドストップの存在するマーク2です。 CMC はマーク1ですが、ほとんどそっくりに作られている事が分かります。
分 解
モデルガン検定1級
もしもモデルガン検定という試験があったとしたら、このCMC ルガー・マーク1は間違いなく検定一級です。 分解も組み立ても難しいです。失敗したらどうしようもなくなります。
分解は、ハンマーダウンだけ心がけていれば、OKです。でもハンマーが起きたままだとスタックします。 にっちもさっちも動かなくなるので要注意です。
難しい 組み立て
モデルガン検定特1級
分解は、手順さえ間違わなければ、OKなのですが、組み立ては本当に難しいです。左の実銃の図のように ハンマー・ストラットをちゃんとメイン・スプリングに乗せてやらないといけません。
まずはストラットが真ん中にあることを確認し、Gun を前方に持ち上げメインスプリングに乗せます。 最後にハウジングを閉めるときにメインスプリングのテンションを感じることを確認してください。 ここがスカスカですと閉めてもハンマーとシアは連結していません。しかもそのまま作動チェックでボルトを引くと ハンマーが起き、トリガーはスカスカでハンマーダウン出来ないので組み直そうにも分解できなくなります。
左グリップを取り右側からハンマーピンをドライバ突き通しで抜いてください。 すると呪いが解け簡単にハウジングがばらせます。
あとは、ドライバーをコネコネしながらピンを差し込みます。
ドライバーを抜いてしまったらピン位置合わせが面倒になります。
実銃うんちく
外観イメージ
ルガー・マーク1は、よく南部拳銃をイメージしているといわれます。 並べてみると確かに雰囲気は似ています。
左から世界初の軍用自動拳銃 Luger、そのスタイルを参考にしたであろう南部式小型拳銃、そしてRuger マーク1。
似ているはずです。ビル・ルガー氏は、起業する前に22口径のベビー南部モデルを自作していました。
南部式小型拳銃に惚れて作った物でしょう。このイメージが頭にあったことはルガー・マーク1のデザインに
強く影響していると思われます。
カート
左3個は22ロングライフルの実物ダミーカートです。
CMC のカートは実物よりも大きいようです。
固着したときのためでしょうか?底面にはプラスミゾが切ってあります。ドライバーで抜くのかも。
CMC・純正木グリ
CMC純正の木製グリップを装着している写真を頂きました。有難うございます。
指乗せの盛り上がりが強烈で実銃をよく模しています。でも、すこしズレているようですが・・。
上の方に載せた広告写真でも木グリは、フレーム下部で少しズレがありますね。
参考書籍
このページに登場する本は、コルト本で有名なR・L・ウィルソン氏の「RUGER & HIS GUN」。amazonなどで購入できます。
分解図
分解法
実銃うんちく
レッド・イーグル
実銃のお話です。個人で一度起業に失敗したビル・ルガーさんは、資本家を探し再び起業に挑みます。 知り合った若いスタームさんとスターム・ルガー社を小さな小屋で立ち上げ、ルガー・マーク1を世に出します。1949年です。 大ヒットとなったマーク1でしたが、起業から2年後にスタームさんは28歳で急病により世を去ります。 アーチストでもあったスタームさんがデザインしたレッド・イーグルマークは、悲しみのためルガーさんにより 黒色に変更されました。
上記事のページはこちら |
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https://www.usconcealedcarry.com/blog/ruger-co-history/ |
実銃ルガー
バリエーション
マーク1から始まり、スライド・ストップの付いたマーク2、マガジンキャッチがボタン式になったマーク3、テイクダウン式になったマーク4です。
マーク3は、トリガーガードが一体プレスでは無くなったようです。マーク4ではワンボタンで通常分解できます。劇的に進化しています。素晴らしいです。
上写真のページはこちら |
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https://www.rugerforum.net/threads/looking-for-red-eagle-medallion.382597/ |
https://ctfirearmsauction.com/auction_item/ruger-mk-ii-government-target-22-lr-pistol/ |
https://simpsonltd.com/ruger-mark-iii-d34485/ |
https://ruger.com/products/markIVHunter/specSheets/40118.html |