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CMC のチーフ1型です。
1975年登場ですが、こののち10年後には、2型チーフが発売されました。
この1型は、マルシンのコピー品ですね。憧れのCMC もコピー品を作っていたなんて
ショックですが、モデルガンの中でチーフは最も売れた商品でしょうから、てっとり早く
作ったものでしょう。
時代からいって正確に言うならアサヒイーグルのコピー品です。
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赤い箱は、ハンドエジェクターと共用です。
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右は、10年後に発売されたCMC 2型です。そうとうに良くできたモデルガンです。
比べると1型チーフのほうが少し大きいようです。
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登 場
1975年(昭和50年)4月号のGun 誌の広告です。
右のページにはダイアモンドバックとPPK が載っています。
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マルシンと比較
右の物が、マルシンのチーフです。
マルシンのチーフは、もともとアサヒイーグルのチーフでしたので、
CMC が真似たのは正確にはアサヒでした。アサヒイーグルの製品はマルシンが
製作していました。SAA もチーフもアサヒとマルシンの物はほぼ同じものです。
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左がCMC ですが、S&W のマークが右サイドにあります。マルシンの物は左サイドにあります。
サイドプレートの割り方が同じなのがよく分ります。
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たいへん綺麗なS&Wマークが入っています。
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メカニズム
確実に動作する素晴らしい設計です(マルシンさん設計)。
流れとしては、シリンダーストップの形式からMGC2型チーフと同じ構造ですが・・・
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しかし、シリンダストップにちゃんと軸を作って実物のようにスムーズに前後に移動するように
工夫が加えられています。これは本家のMGCにも類似のマルシンにも設置されていません。
シリンダストップの裏側には、この軸に入るように長円の溝が切ってあります。
おかげでCMCチーフ1型はスムーズで確実な動きをします。
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マルシンとメカの比較
ご覧のようにメカはほとんど同じ構造です。サイドプレートの中抜き形状もそっくりです。
黄色矢印のようにCMC は、ハンドスプリングをサイドカバーの中に組み込み、組み立てを簡単にしています。
マルシンのほうは、一般的なひっかけバネのタイプです。
また、CMC のハンマー形状は、より実物に近くなっています。
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シリンダーストップと、トリガー形状を見ると、そっくりなのが分かります。
当時は、シリンダーストップを実銃のように薄く作ることは不可能だったと思われます。
このように、トリガー上部を半分の厚みにしてシリンダーストップとオーバーラップさせる仕組みは
、1969年登場のMGC 2型チーフを参考にしていると思われます。
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貫通のシリンダーロック機構は備わっていません。エジェクターロッドは、単なる鉄棒です。
バレル下方のプランジャのみでシリンダー先端は固定されています。MGC よりも後から発売されたものですが、安価に仕上げるためでしょう。
この点、この時期の製品群の中では、MGC 2型チーフの高機能ぶりが際立っています。
写真右がCMCです。ここに用意したマルシン・チーフはバレルに刻印がありません。
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カート
カートは素晴らしく長くて、左端の38sp 実物ダミーのケースとほぼ同じ長さです。
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参考資料:アサヒイーグル
46年規制(1971年)より前からアサヒイーグルは、チーフを販売していたようです。
ですから当時は黒色でした。その機構をそのまま真似した物がCMC チーフです。
Gun 誌の広告によると、CMC 発売後にマルシンからもアサヒの機構のままチーフが発売されたようです。ですから
ほぼ同じ構造で3種類のチーフが存在しています。
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CMC は、このあと実銃再現志向が強くなります。
1981年(昭和56年)にプラスチックで完璧構造のチーフを発売します。それは、今まで日本のチーフではなかった、3本スクリューの本格派でした。その金型を利用して1985年に金属製の2型が登場しました。
子供のころは、MGC はオモチャ的な構造で、CMC のモデルガンこそ本物そっくりなんだとばかり思っていたのですが、いろいろ調べていくと、昔はけっこうアレンジしたモデルも作っていたことを知りました。でも、よその真似をしたチーフ1型は、CMC 派の自分にとっては、ちょっと残念な発見でした。
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おまけ
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