写真00

コクサイのガバメントです。写真のナショナルマッチとコマンダーが発売されました。
ミリタリータイプは、作られませんでした。


登 場

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1976年(昭和51年)1月号のGun 誌に広告が出ていますので、1975年12月ごろの発売かもしれません。このモデルは、なんとも出来の悪いモデルです。では、以下にどのように出来が悪いのかを見ていきましょう。


外 観

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何とかならないのか、この刻印。
もうすこし並べ方を考えて欲しかったですね。 まったく、まとまりがありませんね。


写真02

実銃だったら手に刺さるであろうグリップセフティ。また、やけにハイレグなサムセフティです。ここを見ればコクサイだと一発で判ります。


写真03

もっこりと盛り上がったスライドストップ。


写真18

ナショナルマッチかミリタリーか、どっちつかずの微妙な形のメインスプリング・ハウジング。


写真04

とはいえ、ゴールドカップ・ナショナルマッチ・タイプの金属モデルガンは、 CMC 3型と、このコクサイしか存在していません。

写真のごとく、3代目と言えるCMC に対して初めてモデルアップしたコクサイは、CMC 2型をモデルにしているとはいえ、そうとうにクォリティが違います。しかしお値段はどちらも6,000円でした(CMC NM は 6,500円、ミリタリが6,000円)。


写真05

CMC のほうは、リブに細かいミゾが刻んでいるだけでなく、リアサイトにまで入っています。
コクサイは、ツルツルです。


写真06

バレルブッシングの形状です。右は比較のためにホビーフィックス金属ガバを 置いています。コクサイのブッシングは、奥行きの長さが非常に短いです。


写真17

スライドとバレルのロック部分に大きな隙間が見られます。右端は、CMC です。
バレルの上昇が足らない感じです。


プラ製との比較

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コクサイのガバは、発売時期から判るように52年規制により、すぐに姿を消してしまいました。それで、規制後はプラ製としてよみがえりました。


写真08

とがったグリップセフティやハイレグ・サムセフティ、もっこりスライドストップなど、金属ガバと同じパーツが使用されています。


写真09

ハイブリッドにしようとパーツを入れ替えてみましたが、プラ製スライドは 金属フレームに入りきりません。少し小さいです。金型が違うのか収縮のせいなのかは判りません。

マガジンもほぼ同じ形です。キャッチの切り欠きに膨らみのあるのが金属製です。
プラ製のガバは、写真のごとくMGC GM-2 の丸ごとコピー機構に 変更されています。


メカを見る

写真10

バラしてみるとよく判るのですが、CMC 2型を真似して作られています。


写真11

形状はそっくりですね。上がCMC 2型です。
でも、マルゴーのようにまったく同じ大きさで作っているのではなく、 機構のみを参考に製作されているのでパーツ互換はありません。


写真12

うーーん、手抜き発見。バレルには、ロッキングの凸が2本あるのに スライド内側には、それと噛み合うミゾが存在していません。右のCMC にはちゃんとあります。 と、いいますか、ここを手抜きしているのはコクサイのモデルのみです。MGC はもちろん、マルゴーだってちゃんとスライド内側にミゾはあります。


写真13

発火方式は右のCMC 2型のコピーです。二股式ファイアリングプレートが入っています。


写真14

マガジンキャッチは、工夫がしてあり、板バネが落ちないように食い込んでいます。 右上は、CMC 2型のマガジンとの比較です。大きさ互換ですがキャッチがかかりにくいです。ちなみにマルゴーのガバもCMC 2型とマガジン共用できます。

コクサイのシアは、なぜかピン穴が長方形に開けられています。CMC は、真円です。


カート

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まとめ

写真15

文句ばっかり書きましたが、規制直前に新登場したので幻のモデルでしょう。しかし、けっこう売れたのか、持っている人を多く見かけます。コクサイは、MGC やCMC とちがって販売網が大きかったのかもしれません。
このモデルを設計した人には悪いのですが、「実銃に少しでも似せる」なんてまったく考えていないモデルガンです。どうせならCMC 2型の丸ごとコピーの 方が良かったのではないでしょうか?と、言いたくなる、わたくしでした。持っている人、済みません。
出来の良し悪しに関係なく希少品なのは、間違いありません。


さらば友よ

写真16
左はMGC GM-3 より派生したKSC ですが、ここではGM-3 として見て下さい。

MGC GM-3 と、コクサイ・ガバ、CMC 3型 ガバは、ともに52年規制の少し前に登場した物です。 MGC とCMC は、数回目のモデルチェンジでクォリティの高いモデルガンを出してきました。
良い物もそうでない物も52年規制ですべて消えてしまいました。ここにある3種は、多くを期待されながらもその存在を否定され、経費回収も出来ぬまま市場から去っていったことでしょう。開発者は無念だったと思います。 ユーザーも不幸でした。

このような理不尽な一方的規制が今後エアガンに起こらないことを願っています。


コマンダ 紙箱

箱写真 大変珍しい箱写真です。モデルガン讃歌 の papa さんのブログからお借りしました。
有難うございます。 箱の文章がコマンダーになっています。

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写真追加

写真22

写真23

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おまけ分解図

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