コクサイのハンドエジェクター1型です。MGC のフルコピー品です。 シリンダーをスイングアウトするためのサムピースが真四角で薄っぺらなのは、実銃が1950年に登場したばかりのもっとも古い形をモデル化したものです。ですから右側サイドプレートの4本ネジも間違いではありません。 参考英語のページ= http://www.snubnose.info/docs/Model_36.htm モデルガンのバレル長は2型での計測ですが、85mm程度=3 3/8 インチですね。ちょっと、ブルバレルっぽいです。実銃では3インチ型がありましたが、実際は少し長かったのかもしれません。それともMGC が格好良さから少し長くしたのかもしれません。
|
|
ハンドエジェクターという名称は、それまでのS&W のモデル3・中折れ式のように自動で排莢するのではなく、手でロッドを押して排莢するために付けられた名前で、S&W 社スイングアウト式の回転拳銃全体の 総称でした。 この名前を初めてMGC が採用したために、同様他社も真似をして、しばらくの間は チーフスペシャルの長銃身のことを日本モデルガン界では、ハンドエジェクターと呼んでいました。 写真のモデルガンは、亜鉛崩壊のためサイドプレートが割れています。
|
|
刻 印この刻印は、MGC の開発ナンバーがSW/5だったために、フルコピーしたコクサイにも同じ刻印が入っています。ちなみにSW/4 は、チーフです。 コクサイの前進、インターナショナル・ガンショップのINT というところが、本家ではMGC と 刻印されています。
|
|
バレル右側には、ハンドエジェクターの刻印があります。
|
|
フレーム左サイドには、S&W の刻印があります。のちにコクサイはここに 自社のマークであるMTを刻印するようになります。何を表わすアルファベットなのか知りません。
|
|
バレル左にはS&Wの刻印があります。実銃では、必ず使用弾の刻印がありますが、 モデルガンにはありません。弾も出ませんし。
|
|
メ カ
メカは、チーフと全く同じなのでMGCチーフのページをご覧ください。
このモデルガンは、シアがオリジナルのようですね。大変貴重だと思います。 ハンドの前方部分が、トリガー上昇とともにせり上がり、 シリンダーストップとなります。移動式ハンマーや、ミッキーマウス・スプリングなど、MGC 小林氏苦心の力作メカです。開発ナンバーSW/4 というのが苦労を物語っています。1から3は製品になれなかったのでしょう。
|
|
ユニークな木グリ変わったタイプの木製グリップが取り付けられています。現代でみると何だか 変な形ですが、これが素晴らしい握り具合です。当時の純正オプションでした。
|
|
私は子供のころ、この中田商店のカタログの写真を「かっこういいなぁ・・」とため息交じりに何度も眺めていました。
|
|
2型との識別このハンドエジェクターは、1963年にMGC がワルサーVP-2 に続く新製品で売り出し、1965年のブローニングの乱のため、コクサイが真似して1966年に発売した物ですが、1969年に コクサイはミリタリーポリスを発売し、同時にその機構を採用した2型チーフ、ハンドエジェクターを発売しました。 1型と2型の区別は、すぐに出来ますがとりあえずシリンダーストップが入る溝が一番の違いですね。 この2型では、実銃のようにシリンダーロック機構がバレルに設置されました。同年にはMGC からも 2型のチーフが発売されていますので、まるで競作したかのようです。両社は、S&W Jフレームという、大変小さなモデルを舞台に、はげしく火花を散らしていたのかもしれません。
|
|
補足高級玩具組合のカタログVol.2 にコクサイのハンドエジェクター用のターゲットグリップの写真がありました。
|