ねこおじさん、kingdam9-9さん、偽レーサーTさんより頂いた写真で書いています。
ねこおじさんからは貴重な情報を頂きました。有難うございます。
1960年代から六人部(むとべ)氏の六研では真鍮モデルを販売していましたが、それはごく少数であり
手作りで高価なこともあり、ひっそりと売られていました。 しかし、国本氏が六研と組んでWAを起ちあげ、高級真鍮モデルを
大々的に売り出そうと活動しだしました。1974年でした。 戦争後のベビーブームで生まれた団塊の世代が社会人になり、高級なモデルガンにも
それを買える購買層ができていました。モデルガンが子供のおもちゃから大人の嗜好品にまで広がった最盛期でした。
そんな状況のなか1975年にコクサイからも高級モデルガン「ルガー・マーク1」が発売されました。マーク1は日本初登場モデルでした。
写真のモデルは、左サイドに刻印がありますのでごく初期の製品だと思われます。傷から見て宍戸錠の登場するコクサイのカタログに
使用されたモデルだと思われます。
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ネットの情報によると製造はカスタムパーツで有名な「長興」だったそうです。
写真のモデルは、規制直前の投売りパーツか規制後の文鎮状態の物を組んだ物です。
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登 場
写真はGun 誌の広告です。9月号まで5カ月しか広告は出ていません。
最初の広告にはステンレス製と書かれていましたが、のちには鉄製と真鍮製とうたわれています。
フレームは鉄板プレスでバレル、ボルトは真鍮製だったようです。
六研やWA の真鍮製モデルガンが、現在では宝石のように見られていますが、コクサイルガーは、サイズのせいもあり、
あまり大きく扱われることは無いようです。
この時代の真鍮モデルそろい踏みは、モデルガンバブルだったのでしょうか?やがてはじけて、思いもよらない新たな52年規制(1977年)へと
道を絞り込んでいってしまうことになりました。
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豪華箱入り
38,500円という当時としては高価なモデルでしたので、紙箱も豪華版です。
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内装が立派な布張りです。
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通常分解
実銃と同様のメカを備えていますので、分解も同じ方法です。
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大きな問題
写真は、のちに発売されたCMC の亜鉛製ルガーのモデルガンとの比較ですが、ご覧のようにコクサイの物は
少し小さいです。当時はCMC のモデルは、まだ発売されていなかったので、大きさの問題は私は知りませんでした。
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メカニズム
実銃同様メカですがセフティはすぐ壊れたようです。
フレームは実銃同様の鉄板プレスの溶接ですが、バレル、レシーバは真鍮削りだしです。
パーツリストでは一体になっているバレルとレシーバですが、実は写真のように、小さなネジ一本で止まっているだけです。
簡単にバレルが付け替えられる安全上たいへんに問題ある構造です(ただしネジ一本で止まっているので強い火薬だと分離する危険がある)。
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大きな問題2
デトネータは単なる真鍮棒です。
バレルの安全問題もですが、その部分に製品としての問題がありました。固定ネジが無いモデルが存在していて、バレルは
接着されていて、しかもリアサイトとずれていたそうです。それらは、客からのクレームにより
返品されてきたそうです。
やがて52年規制を迎え、投げ売りされて、それでも残ったパーツは、規制後に文鎮状態で数千円で売られたようです。
高級モデルガンとしてスタートした企画も最後は哀れな結末を迎えたようです。
高い価格に見合わない製品完成度のため、売れ行きは悪かったと思われます。
そのため現在では見ることも少ない珍しい品です。
六研やWAの真鍮名鑑には、仲間入りさせてもらえなかったけれど、めったに見ることが無い幻のモデルガンとしては
立派に仲間に入ることになりました。
ねこおじさん、kingdam9-9さん、Tさん、貴重な写真を使用させていただき有難うございました。
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おまけ
分解図のJPG が別窓で開きます。→
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