コクサイ チーフ1型、2型

亜鉛合金製・金属モデルガン


kingdam of odd 様より写真をいただき使用しています。有り難うございます。

写真00

コクサイ初期のチーフスペシャルと改良型です。

1965年に警察の実銃用の法改正に伴いMGC が「ブローニングの乱」を起こして 「その他会社 」と絶縁状態になりました。そこで各社は、自社でモデルガンを製作し始めました。 コクサイからは(当時はINT)、MGC チーフの丸ごとコピーのリボルバーが発売されました。

上の写真の右が1型でのちに発売された2型が左です。


写真01

1969年にコクサイからミリタリーポリスが、新規発売になりました。その時に ミリポリと同じ機構に改良された物が左のチーフ2型です。

1型、2型は機構は全然違いますが、外観やサイドプレート割りなど同様です。
2型はトリガー付け根にネジがありません。

1、2型はシリンダーストップ誘導ミゾの大きさですぐに見分けられます。


写真02

ご覧のように機構は、全然違います。

上の改良型の2型は、リバウンドスライドが付いて本物のS&W メカに近くなっています。
同社のミリポリと同じ構造です(ミリポリはリコイルが板バネ)。


写真03

1型の特長、名付けて「ミッキーマウス・メカ 」。MGC の チーフ1型の丸ごとコピー品です。

このメカは、ハンマーの穴が長円になっていることが味噌です。MGC のディテクティブ・ダブルオンリーと同じようなメカです。
この当時は、部品の強度に不安があったのか、トリガーでハンマーを支えずに シアを組み込んでハンマー後端にてコックを支えるようになっています。
CMC のダイアモンドバックもこの構造です。シアがあると言う事で判るように、ダブルだけでなくシングルアクションも可能でした。シリンダストップは、ハンド前方が兼ねています。


写真04

参考にコクサイのセンテニアルです。このモデルもMGC の丸ごとコピーです。
基本構造は、チーフと同じですが、こちらには、シアは見当たりません。ダブルオンリーです。
スライドストップが独立した別部品となっています。短い間に進歩しています(MGC が)。

写真05

これは、改良されたチーフ・2型です。1型と比べると、リコイルスプリングが付き、シリンダストップが別部品となり、リバウンドスライドも装備されていてずいぶんと進歩しています。実銃のメカを基本的には再現しています。シリンダーストップを止めるシャフトが、でっかいので ヨークを止めるネジが追い出されました。

写真06

こんなところでヨークは、固定されています。本物のS&W では斜めにボルトにテンションをかけるネジが入っている所です。右下写真のようにチーフ1型にはフレームにヨーク固定のネジ穴は、ありません。

写真08

また、左写真のようにシリンダロックは1型には存在しません。

写真09

右写真のように2型は、実物とは違いますが、ちゃんとロック機構があります。
では、1型のシリンダーロックは、どこにあるのかと言いますと・・・。

写真07

シリンダー後方のエキストラクターから飛び出しているピンのみで固定されています。

写真10

1型、2型は、外観形状が同じなので同じ金型を改良したのかもしれません。 ミリタリポリスの設計は、六人部さんだったと聞きましたが、チーフの改造も 同時に手がけたのでしょう。

コクサイの2型が販売されたのは、MGC の2型チーフと同じ1969年のようです。 真っ向からぶつかったのでした。


写真11

2型の箱だと思います。 チーフとは書いていませんね。
このあとコクサイは、スクエアバットのニューチーフ、 精度の良いモデル36と合計で4度もモデルアップする事になります。

それだけ小型リボルバーは、人気があったのでしょう。


参考資料

写真12

写真13

コクサイ1型の載っているGun 誌広告です。
1966年(昭和 41年)の7月号です。
当時は、インターナショナル・ガンショップと言っていました(略してINT )。

CMC のガバメント1型が掲載されています。
当時はMGC 以外は組合を作っていて 相互に他社製品も販売していました。

黒色ガンが販売されている時代ですので、メッキ品は高級限定品だったのだと思います。


写真14

こちらは、Gun 誌 1969年10月号の広告です。この写真の上には、小判ラッチの ミリタリーポリスが新発売になっています。その際にチーフは機構が、大改造されたようです。 「内部機構がすべて改良・・」と広告に書かれているように2型の登場です。

企業間の競争が、確実に製品の質を高めていることが伺えます。
しかし高精度、高機能になるということは、限りなく実銃に近づく事も意味し、やがては、法規制の 嵐に巻き込まれていくことになるのでした。


おまけ

分解図のJPG が別窓で開きます。↓

1型
1型図へリンク
2型
2型図へリンク

補足

写真17

見事なターゲットグリップを装着されたコクサイのチーフと本家MGC のチーフです。

カタログ写真

このグリップは、高級玩具組合のカタログVol.2 に掲載されています。


追記・紙箱

写真18

写真19

Kate さんより、大変貴重な1型の紙箱写真を頂きました。有難うございます。
白地のシンプルな物で、チーフとハンドエジェクター兼用になっています。
左側には、サイレンサーが入れられるようです。

貴重な写真を有難うございました。



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