世にも珍しいコクサイのコルト・ポケットの写真をいただきました。
どうして珍しいのかと言いますと、46年規制(1971年)で黄色、銃口閉鎖になってから販売していないからです。もともと小型拳銃は、売れにくかったでしょうが、それに加えて規制後に
姿を消したものですから、めったに見ることはありません。
右図の実物参考イラストのごとく忠実なつくりですね。
トビラ写真は合成です。持っている人は、珍しくもないのでしょうが、作業台の上では
見栄えがしませんので。
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合成する前は、こんな感じでした。右側です。エキストラクタは、ライブです。グリップは、現オーナーの手作りです。似合っていますね。実銃と違って写真のようにバレル・ブッシング
(スライドリング)があります。 INT とは、インターナショナル・ガン・ショップのことで、当時コクサイは
こう名乗っていました。
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新登場
1966年(昭和41年)12月のGun 誌に新製品の記事が載っています。
バレルには、実銃同様の滑り止めが再現されています。いただいた写真には
これがないので、Gun 誌のレビューは試作原型かもしれません。
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初期のバレル
と、思っていましたら、ごく初期の頃にはバレルに滑り止めが再現されていたことを知りました。
いやぁ、そうとう力の入ったモデルガンだったのですね。
実銃では、すごく深いミゾが入っています。
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外観
特徴あるセフティ兼用スライドストップを再現しています。
ぐるっと回せば・・・
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スライドストップになります。のちにプラスチックで販売されたコクサイの
ポケットでおなじみですね。
このモデルが登場した1966年と言えば
前年にブローニングの乱でMGC とその他業社が決裂して中田を中心に各社独自でモデルガンを作り出した頃です。
コクサイにとってもMGC フルコピーのチーフ、センチニアルに次ぐ作品ぐらいではないでしょうか?まだ、HSc は出ていません。 このような創成期にちょっとマイナーな、コルト・ポケットを販売するとは、社長の好みだったのでしょうか(米軍に実物があったからかも?)。
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オリジナル刻印
コクサイ・オリジナルは、この写真のごとくセンター寄せで入れられています。このモデルは後日、別の方から借りた物です。
このページのkingdam さんからいただいた写真の刻印は、右も左も手彫りで入れ替えられています。
当初のオーナーの力作だそうです。
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1966年9月広告
1966年9月号の広告です。刻印が製品版とは全く違うので六人部氏の原型かもしれませんね。
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値下げ広告
1967年10月号の広告です。この号にはCMC のSAA も値下げ広告が載っています。世の中不景気だったのかもしれません。
もしくは、MGC が大幅値下げを実行した時期に対抗して下げた物かもしれません。
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オリジナル・グリップ
本に載っているコクサイ・オリジナルのグリップです。コクサイのやる気を感じますね。実物をよくコピーしているのではないでしょうか?右のネジ穴が危なそうですが・・。
マガジンは、実弾が入らないように少し小さく作られていて、フォロアーは、スチールです。
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グリップセフティ
このうしろ姿は、抜群にいいですね。CMC のブローニングのように実銃造形を
よくコピーしています。
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上部はMGC の影響?
サイトのミゾには反射防止のチェッカーを模した網がかけられていますが、これは
MGC ブローニングの影響ではないでしょうか?
1982年6月号のGun 誌にAbe 氏が実銃記事を書いていますが、その写真を見るとミゾはツルツルです。でもプラ製にも反射防止があるのでそのようなタイプもあったのかもしれません。
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実銃の上面
本物には反射防止はありません。ブローニング1910 には施されています。
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MGC FN モデル
こちらは、銃身固定方法を参考にされたMGC のブローニングです。1965年登場です。
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コクサイの銃身固定は、MGC のコピーです。実銃はバレルを回転させて固定します。
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バレルブッシングは、ネジになっているのですね。
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メカを見る
1966年(昭和41年)12月のGun 誌から分解写真を拝借しました。
メカは、MGC が独自の構造に対してこちらは実銃をよく真似しています。
当時にしては、最高水準ではないでしょうか?
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センターファイア式のように見えます。
バレルから飛び出ているのはエジェクターです。実銃には、エジェクターが無くって撃針が代わりをします。また、スライドの左側、写真では上の方に切られた四角いミゾがトリガーバーの動く範囲で、一度スライド後退するとミゾから外れてトリガーバーが押さえつけられてディスコネクトされます。実銃と同じです。モデルガンは、ブローバックタイプではありませんが、ちゃんとディスコネクト機構を再現しています。
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撃針はスチールでシアは、特別な造りがしてあって鉄を亜鉛で鋳込んでいます。シアの上部の色が違いますね。上の方だけ鉄だそうです。凝ったつくりですね。確実作動でしょう。
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排莢の仕組み
エキストラクタは、小さなネジで固定されています。なんだか引っ掛かりが悪そうな形状です。エジェクタは、削りだしの鉄です。下の写真がエキストラクタによって、カートが引き出され、エジェクタに当たって排莢されようとする状況を示しています。
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戦い済んで・・
MGC の神保氏とコクサイの荒井氏の個人的な仲は、どうだったのか知りませんが、
MGC は、会社としてはコピーされてばかりで対立したことでしょう。でも、もう時は過ぎましたので、最後に合成写真でブローニングの兄弟として仲良く並べてみました。
コクサイ(INT)のポケットは、想像していたボロとは、ぜんぜん違って最高水準の
傑作でした。 外観がMGC に似ていたので機構もコピーかと思っていました。これだけ凝った製品だから
商売としては厳しかったのかもしれません。ただでさえ小型拳銃は売れにくいでしょうから・・。
規制後に姿を消したのもその辺に理由があるのかもしれません。
コクサイは、このモデルでMGC のブローニングを打ち負かそうとしたのかもしれません。
オーナー様、素晴らしいモデルを紹介していただき有難うございました。
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新旧コクサイ・ポケット
1966年(昭和41年)登場の金属ポケットは、規制のため消滅しましたが、16年後の1982年(昭和57年)に、
プラスチックで再登場しました。そちらの方もモデルガン時代の最後を飾った逸品です。
コクサイの荒井社長は、小さなボディのコルトポケットが好きだったのかもしれません。
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追記・紙箱
Kate さんより、大変貴重な紙箱の写真を頂きました。有難うございます。
なんだかカートの箱みたいなデザインですが、なかなか格好イイですね。
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むかしのモデルガンって言うのは、たいていこんなふうな内装で、高級感を演出していました。
たいへん貴重な写真を有難うございました。
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おまけ
分解図のJPG が別窓で開きます。→
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