マルシン・ブローニング 380

亜鉛ダイキャスト・モデルガン
写真x 写真0
販売は間違いなくマルシンですが、製造はスズキ製作所ではないかと思います。

機構はMGC の丸ごとコピーです。MGC の部品との互換性は、高くないですが機構が同じなので 使えなくもありません。グリップは互換性あります。


写真01
マルシンの刻印が打っています。マルシン独自の金型の場合は、打刻ではなく金型に作りつけの物がほとんどなので このブローニングの製造は、別会社だと推測できます。
特徴は、セレーションの型にあります。金型にセレーションを刻むのではなく 別パーツを金型にはめ込んでいます。
マルゴーも同様に別パーツを入れ込んでいますが、すこし形状が違います。


写真02
右側です。バレル止めのピン穴でわかるようにMGC コピーです。

マルシンのブローニングは、グリップセフティがダミーで動きません。
MGCを完全コピーしたのはマルゴーで、マルシンは、よりいっそう簡略化を進めました。


写真03
MGC の物が左です、セレーションやエキストラクタ・モールド、バレルピン穴のスライド切り欠き形状などに 違いが見られます。廃莢口もカットがかなり違います。

このブローニングとPPK は、値段も安くかなり売れたと思いますが、直販店と通販のみの MGC に対し他社は、おもちゃ屋や百貨店などでも売っていましたので、MGC 製品より多く売れたと思います。 MGC の逸失利益は相当な額だったでしょう。今日では訴訟ものです。


写真04
上面です。
上からだけ見たらどっちがどっちか判りませんね。


写真05
上のスライドは、同じところで製作された物と思いますが、マルシンの打刻がありません。
ワルサーPPK が同様にスズキとマルシンで販売されていましたので、このブローニングも スズキ製ではないでしょうか?


写真06

おまけ

分解図のJPG が別窓で開きます。→  分解図へリンク

MGC のコピーですが、本家よりも子供たちに親しまれた物だと思います。

MGC 対その他連合 という当時の図式を物語る歴史の証人ですね。

MGC が独自販売に移行した事はそれほど罪深いことだったのでしょうか?
当時のMGC の社長はどういう人だったのでしょう?
どういういきさつで総スカンを食らったのか興味が惹かれます。
また、このことは40年以上たった現在まで余韻を引きずっています。


「安全に暮らせる社会とは・・」

この「MGC 対その他連合」 という図式は、その後の52年規制に対して 業界上げての陳情が出来ないという構造により、多くの善良なユーザーに不幸をもたらしました。 このことは、オモチャ狩りをする事によって安易に銃刀法違反件数を上げられるという いびつな結果を招き、ひいては真正拳銃の摘発がおろそかになったとも考えられない事はありません。
事実、銃刀法違反のニュースに出てくる映像は、笑ってしまうようなGun が写っている事が多いです。 私は、現在の悲惨な真正拳銃による犯罪を見るにつけ、当時の規制が何も効力を発揮していないばかりか、 かえって真正拳銃摘発へのエネルギーを方向違いに導いている可能性を憂慮しています。
真正拳銃を1丁摘発するエネルギーでトイガン法令違反者を10人は挙げられるでしょう。

今の若い方が生まれる前から私は生きていますが、今のほうが間違いなく治安は悪化しています。 その事が、今後の新たなオモチャ狩りの原動力となるかもしれないと、たいへん危惧しています。

司法の方にも「本当に市民の安全を守るとは?」、「拳銃捜査のエネルギーの向け先は何処なのか?」という「安心社会」の核心を見て欲しいと願っています。
めったに車が通らない農道でレーダー取締りをして検挙数を上げるよりも、検挙数ゼロでも「事故の多い交差点にパトカーを置いておくだけ」で市民の安全は確保されるのです。

オモチャ狩りが社会安全に寄与しないばかりか、社会不安の種を撒いている可能性も十分に考えられるのです。

過去を経験した僕たちがやらなくてはならないことは、今後もし間違ったオモチャ狩り規制が出てきた時に、 トイガン愛好者として全ての製造販売業者と共に一致団結した行動を示すことではないでしょうか?
そのことが未来の子供たちに対して出来る精一杯の事だと思っています。



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