はじめ中田商店から発売されていたタニオ式ルガーです。
当初はリアル形状でしたが、中田の後期には、動作優先にマイナーチェンジされていました。
その後、中田がモデルガン販売から撤退し、製造元のマルシンが引き継いだ物です。
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私は、はじめはマルシンになってから軽量化されたものと思っていましたが、ナカタ刻印の
物もあることを確認しました。4インチ銃身と写真の8インチが存在します。
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一番上が先祖に当るリアルサイズ・ナカタで、一番下の物はナカタとほぼ同時期に発売された
MGC の製品です。昔は、MGC がリアルならナカタはタニオ、P-38 では反対の組み合わせといった感じで
正面からの競合を避けていました。
トリガー位置を見るとタニオかリアルアクションかすぐに判ります。
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みなさん良く出来ています。バレル長も同じです。
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フレーム後端にランヤード・リングの無い物が、マルシン(ナカタ後期)です。
軽量化のために大幅にフレームは削られています。
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最大の特徴、細くなったグリップです。子供が操作しやすいように変更された物でしょう。
ナカタのルガー初期タイプは、オトナでもトリガーを引きにくいです。
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タニオアクションがしやすいようにトグルの蹴上がり用のリブも大きくなり、
ショートリコイルしてからトグルの上がりが、スムーズになっています。
操作性が大幅に改良され、良好動作になっています。
ただし、このモデルはショート・リコイルするので発火はしにくかったそうです。
トグルの前進エネルギーが足らなかったのでしょう。
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軽量化の為か、トグルの戻りシステムが省略されています。フレーム肉抜きも
激しいです。トグルの戻りは、トグル内のバネの力のみですが良好です。
マガジンは、共用できます。
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軽量化のため左側フレームは1mmくらいそぎ落とされています。黄色矢印の
四角形が元の高さです。おかげでセーフティは、フレームから出ることが出来なくなり
、トグル中央に移動されています(水色矢印)。
軽量化のおかげで、持った感じでは、3割くらい軽いのではないかと思います。
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タニオの基本システムは、そのままです。右下は、トグルの戻り用のバネで、
初期型にもあります。
初期型ナカタ・ルガーは六人部氏の初めての量産作品だそうです。
リアルな形状に拘ったつくりです。おかげで作動は悪くトリガーはすぐ折れます。
外観と作動の両立は、難しいものです。
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子供がちゃんと遊べるようにするほどリアルさがなくなってしまいました。
このナカタ後期型=マルシンのP-08 は、細いグリップと腰が引けたような外観から、
とても名銃たちの仲間には入れてもらえそうにありません。でも、これがあったからこそマルシンは、
のちに決定版ルガーを製作できたのではないでしょうか?リベンジに燃えていたのかもしれません。
リアルさを追ったMGC ルガー、外観重視ナカタ・ルガーと子供の小さな手でも遊べるマルシン・ルガーの形状の差は
目的別に特化していて興味深い眺めです。
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頂き物写真ですが、たいへん珍しいナカタ用の板ストックを装備しています。
ナカタ用もあったんですね。貴重な写真有り難うございました。
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リアル派からは、冷たい視線を浴びながらも子供でも簡単に動かせるアクションに喜ばれたことでしょう。20年後くらいにとんでもなく素晴らしいP-08 モデルがマルシンから出てきました。Luger については誰も一言も言えない素晴らしいモデルです。「変なルガーのマルシン」の事は、それで誰も思い出せなくなったことでしょう。
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おまけ
分解図のJPG が別窓で開きます。→
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