MGC の俗にGM-1 と呼ばれているガバメントです。左の二つが古いタイプですが左上が一番オールドだと思います。
右上がブローバック9mmタイプ、右下が最終型smタイプです。MGC は、盛んにガバメントをモデルアップしていて
分類も混沌としています。ネット上ではGM-12 まであるようですが、ついていけません。下記に大まかに書いておきます。
GM-1 、GM-2 内の分類は、私が勝手にしています。
GM 1 | GM1-1 | 1966年登場。初期は、カートが絞り型 |
GM1-T | 1969年ターゲットタイプ発売 | |
GM1-2 | 1971年9mmカートを使用、セレーションにピンあり ブローバックタイプはディスコネのミゾあり |
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GM1-3 | 19??年45口径カート、スタンダード。セレーションにピンあり | |
GM 2 | 初期型 | 1974年プラ製センター打撃式・ブローバック |
後期型 | 1978年プラ製サイド式発火・ブローバック | |
GM 3 | 金属製 | 1976年金属製スタンダード。GM 2の金型使用 |
GM 4 | プラ製 | 1979年キャップ一発でBLKするGM2。 |
GM 5 | プラ製 | ???年。実銃サイズ、ディスコネ有りのリアルメカ。 |
1.外観の特徴
MGC のガバメントは、GM-5 の登場まで全部が、実銃よりも小さく作られています。
実銃マガジンが装填できないように考えた安全面からの配慮かもしれません。
写真のように初期型はファイアリングブロック式になっていて、セレーションには何もありませんが、GM1-2、GM1-3 は発火方式が違うためセレーション上にピンがあります。MGC のGM-1 は、全部セフティが写真の指かけの長いタイプで特徴があります。GM-2 からごく普通のミリタリタイプになりました。
左からホビーフィックス、GM-1、CMC 初期 のガバメントです。右の二つは、ほぼ同時に登場し同じ年代で競合していました。 ホビーフィックスは、その後30年ほどして販売されていますので比較対象にはなりませんが、実銃にたいへん似て作られているので 基準として登場させています。ご覧のようにトリガーガードがMGC は小さいです。また、グリップセフティのピンを見ると分かるように フレーム後端が短いです。
トリガーガードのマガジンキャッチ上方の三日月型の切削部分がスムーズで、まるでモデル1911のようなのが GM-1 とGM-2、3の見分け場所です。この頃は、金型の都合なのかCMC もこのようにスムーズです。右は、ホビーフィックスです。
上からホビーフィックス、MGC GM-1、CMC です。マガジンキャッチを基準に並べています。
MGC のフレームが前方部分も短いように見えますが基準がマガジンキャッチだからです。
銃口部分をあわせて並べると、フレーム、スライドはCMCに比べほんの少し小さい事がわかります。 グリップの短さと同じ比率で全体をスケールアップしているようです。
ホビーフィックスに実銃マガジンが入るように、グリップ長は実物大と思います。
比べて判るようにCMC が少し短く、MGC GM-1
がもっと短いです。
しかし、グリップ周りの厚さは普通で、写真左側はGM-1 に実物マガジンを差し込んだところです。長さが違うだけで 胴回りは実銃サイズのようです。右は普通のGM-1 マガジン。
左のコマンダのハンマーとグリップセフティは、GM-5 のパーツです。
ついでに・・・、GM-2 のマガジンは大きさが同じなので、キャッチの切り欠き部分を3mmほどヤスリかければGM-1 でも使用できます。
2.メカの特徴
初期のGM-1 です、バレルはリンク式です。トリガーはスチール製です。写真のシアは別のモデルの物です。 レストアするのにあちこちから部品を取って来ています。
プランジャーやマガジンキャッチは、CMC ガバと同じ形式ですね。どちらが先でしょうか?
特徴ある二股ストラットのハンマー。この写真の物はGM-2 の物かもしれません。板バネやリコイルガイド、サムセフティなど 特徴あるもので、なかなか他のパーツが使えない部分です。レストア好きの泣き所です。
その後 MGC 福岡店の店長に聞いたところ、この二股ストラットは最終期には省略されて一股になったそうです。 それでもちゃんと動いたそうです。下の方にある分解図のGM1−3型がそうなっています。
3.発火メカによる分類
全部GM-1 ですが、上から便宜上GM1-1、GM1-2、GM1-3 ということにします。
- GM1-1は、最初に登場したファイアリングブロック形式です。写真のブロックはレストア品でオリジナルではありません。 ブロック部分がスッポリとスライドから外れます。
- GM1-2 は、実銃のように撃針がスライド内を貫通しているタイプです。
9mmカートを使用するブローバックタイプです。 - GM1-3 は、ファイアリングプレート式です。
GM1-1 のオリジナルファイアリングブロックの写真は亜鉛とスチールです。亜鉛の物はたいへん壊れやすかったようです。 360度曲げられたエキストラクタが特徴的です。
GM1-2 のセンターファイアに見える撃針は、真っ直ぐに貫通していますが、リムの小さな9mmカート使用のため、カートの上側を叩くようになっています。
GM1-3 のプレートは、レストアした物でオリジナルではありません。
GM1-1とGM1-2,3のバレル形状です。下のバレルは、もともとGM1-2 のストレート・ブローバック用に開発された物で リコイルスプリングガイドと一体式です。GM1-2 のブローバックタイプが製造を終えてもバレル形式は、そのままGM1-3 に使用されました。
GM1-1 のリコイルガイドは破損しやすい部品です。下側に爪が来ます。そうセットしないとスライド後退が不完全になります。
GM1-1 のバレルは実銃のようにスライド前方へ抜けます。
追記
chukichi-hide さんよりの情報によりますと、1971年購入のガバメントは、 一体式バレルにファイアリングブロック式のスライドが付いていたそうです。発火方式が変わったのとバレルが一体式になったのは、 同時なのかと思っていましたがそうではなく、バレル変更のほうが早かったのでしょうね。情報有難うございます。
GM1-1 とGM1-2 のパーツ表です。右の赤で塗っている部品が、フレームにミゾを切って設けられたディスコネクターです。
もともとエジプトがGM1−1 をカスタムしてブローバックさせた物を真似て作られたのではないかと思います。
エジプトの物は内側に溝を切った精巧な物だったそうですが、MGC のGM1-2 は、フレーム外側に溝があります。
絵を見ると9mm型はハンマーストラットがピン止めのようですね。
9mmカートなのでマガジンが絞られています。
4.刻印の違い
ここに用意した4個のGM-1 はみんな刻印が違います。他にもあったのかもしれません。
左から古い順です。コルトの文字に輪郭があるものが一番古いと思います。
下のイラストは、ネットで見かけた物も描いています。上から古い順だと思います。
読めるように字を大きく書いています。BLは、ブランクの意味ではないでしょうか?
上から4番目はコマンダータイプの刻印です。
キャリバーは一番下のCALIBER が正しいスペルです。MGC も間違っていたんですね。
最初期の2重コルト刻印(薄くてよく判りませんが)と普通のコルト刻印
右側には、CMC・1型ガバの非発火モデルに対して、誇らしげに発火モデルと刻印してあります。
数年前にオークションで拾った画像にくっきりと刻印が解るものがありました。
最初期の二重線コルトです。
頂き写真 2023.9
匿名様より、初期の2重線コルトマークの鮮明な写真をいただきました。素晴らしい写真を有難うございました。 写真はクリック拡大します。9mm 刻印
こんなのあったんですね、知りませんでした。9mm刻印のコマンダーです。
実際に存在するそうです。情報頂きました。有難うございました。
5.グリップ
左は、馬のマークが一体で作られている物でかなり古いと思います。あまり見かけません。
右の木製グリップは、ペッタンコで作りが悪いので、私はMGC 純正であろうと思っています。
GM2 のグリップや昔のウエスタンアームズ製なども使用できます。
MGC純正のターゲットグリップです。
6.カート
登場した時は、右のように弾頭が絞られた形だったようですが、すぐに普通のタイプになったようです。 9mmBLK カートは、シュマイザーと同じだったと聞いた事がありますが、見たことありません。
7.チラシ
↑クリックで拡大します。 忠吉さん ご提供です。有難うございます。
8.おわりに
今回借りてきたものは、どれもボロボロだった物をレストアした物です。
オーナーさんたちの情熱を感じます。おかげで当時のMGC の息吹を感じました。
これからも大切にしていってほしいです。オーナー様方、有難うございました。
コマンダー
追記・BOX
Tonさんより、箱写真を頂きました。有難うございます。シンプルなデザインですね。
分解図
クリック拡大します。↓
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1−1型 |
1−2型 |
1−3型 |