MGC から発売されていたオフィシャルポリスです。
このような厳ついGun が好きに成りだしたら、あなたも重症です。
MGC は、日本で唯一このGun を金属、プラと2回もモデルアップしていました。
MGC も完全にマニア病ですね。
S&W のスマートな形に対してコルトのオールドリボルバーは、力強く男らしい感じを受けます。
田舎くさい形ですが、そこがなんとも味があります。
アメリカ人もコルトのリボルバーには、特別な感情があるらしく、総じて高価なようです。
大きさ、口径、時代も同じくらいのミリタリーポリスとは、ライバル関係だったと思います。
写真はコクサイのミリタリポリスと並べています。コクサイの方はきっちり4インチ銃身ですが、MGC は10cmピッタリなので、数ミリ短いです。並べてみるとMGC のシリンダーが短い事がよく解ります。あんまり短すぎではないでしょうか?
MGC 製品は、実弾が装填できないように造られているものが多いので、これもその一環でしょうか?
しかし実銃の写真と見比べてみても、シリンダー長はそんなにおかしくありませんね。
ひょっとしたらコクサイの方がマグナムシリンダーと同じパーツ流用で長すぎるのかもしれませんね。
刻印
バレル刻印2種です。手前の方が王冠マークの古いもので、2段書きの上はSMGモデルです。
輸出タイプは、刻印が微妙に違っていたと思います。
ボルトがはまり込むミゾがSMG では大きくなっています。
書籍にあるように、実銃は2段書きだったようです。実銃では、コルトの文字がないものも見受けられます。
書籍の左下に反射防止加工が載っていますが、下の写真のようにMGC にも施されています。
反射防止加工。かなり粗めですが・・。
登場
1969年(昭和44年)に登場したパイソンのメカをそのまま引き継いで、翌年の1970年に登場しています。
金色規制の46年まで、あと一年しか有りません。このころは、モデルガンが犯罪に使用されだして、オモチャだと
分かるように王冠マークを付けようという自主規制の頃です。色は黒で銃口も空いていました。
大きなフレーム
MGC オフィシャルポリスは、同社のパイソンと同じフレームなのですが、フレームがかなり長いです。
写真左は、コクサイ・パイソン2型で実物グリップがズバリ装着できますが、ご覧のようにMGC オフィシャルポリスの
フレームには装着できません。フレームのほうが数ミリ長いです。
海外のフォーラムを覗きましたが、実銃でもパイソンとオフィシャルポリスはグリップ互換だそうです。
これは、想像ですが実銃写真から寸法を割り出したために中心から遠いほど長くなったのではないでしょうか。
ハンドガン の写真を撮影するときには、つい近づいてしまい広角撮影になることが多いのでグリップなどは
横方向に伸びて写ってしまいます。
メカ
ハンマーをロックする安全装置もなく、それどころかリバウンドシステムすら無いのですが、楽しく遊ぶためには
良く考えられたシステムです。
アレンジはかなり施されていますが、松葉バネ一つが全てを司るコルトのオールドメカの味わいは再現されています。
ただ、ヨークの造りがかなり緩くシリンダロックも無いので、机にGun を置いたときにシリンダーが少し出てしまうのは残念なところです。
このボルトに開けられた長円の穴が、設計の素晴らしさを物語っています。
仕組みは、S&W のようにボルトが前後に逃げることでハンマー打撃をクリアしています。
コルトメカの再現は、大変むつかしいので、確実に作動させられるこのS&W 式の方法は素晴らしいアレンジだと思います。
右のシリンダーは王冠マークの頃のものです。左のSMG製品とは異なったインサートが入れられています。 昔の物の方が、ガス抜けエリアが広いですね。
MGC オフィシャルポリスはパイソンのあとから開発されたので、機構や形がパイソンからそのまま引き継がれています。
メカもご覧のように同じ物です。
実銃のメカニズムは、大幅に省略されていますが、ハンマーピンやトリガーピンなどは、独立した部品になっていて壊れにくく造られており、
安く作れてちゃんと動いて楽しく遊べる、というMGC の目指すトイガン品質を見ることが出来ます。
パイソンと違うところは、撃針がフレームに付いていなくてハンマーにあるところです。
実銃でもこうなっています。実は、オフィシャルポリスは、パイソンよりも50年も前に登場したので、
パイソンのおじいちゃんクラスなのです。
実銃について
下に主だったダブルアクション拳銃を約10年ピッチで掲載してみました。
オフィシャルポリスは1927年に登場していますが、実は1906年に出たアーミースペシャルが名前を変えただけな物なので
、そうとうに古い銃です。
ハンマーロックするポジティブロック機構を備えたポリスポジティブと同級生です。
コルトのオールドメカの中でもかなり古い頃に分類されます。
写真は、ハドソン1917、MGC 、タナカ・ポリスポジティブ(メタルエアガン)です。
それぞれ実物で言うと特大フレーム、Eフレーム、Dフレームですがトイガンでもオールドコルトの雰囲気を味わえます。
しかしタナカのシリンダーよりMGC の方が短いのは少しさみしいです。
Colt | S&W | ||
---|---|---|---|
1877 1889 | ライトニング ネービー |
1880 | 38ダブルアクション |
1895 1898 | ニューポリス ニューサービス=M1917 |
1896 1899 | 32 ハンドエジェクター ミリタリ&ポリス |
1903 1905 1906 | ニューネービー ポリスポジティブ アーミースペシャル |
1905 | .44 ハンドエジェクター |
1914 〜 1918 | 第1次世界大戦 M1917 |
1917 | .45 M1917 |
1927 1927 | オフィシャルポリス ディテクティブSP |
| |
1930 年代 | 世界恐慌で 大不況 |
1936 | 357マグナム |
1939 〜 1945 | 第2次世界大戦 | ||
1955 1966 | パイソン ダイアモンドバック |
1954 1955 | モデル19 モデル29 |
表にあるように1966年のダイヤモンドバックでオールド機構は終りを告げ、1969年からトランスファーバーを持った
ローマンIIIやトルーパーが出てきてオールドメカのGun は無くなりました。
大きく時代は変わり、最高品質のコルト回転拳銃もS&W に取って変わられるようになりました。
写真は、新機構を再現しているハドソンのオフィシャルポリスと。新旧の顔見せをモデルガンで再現しています。
マニアックなスタイルのオールドコルトを身近に再現してくれたMGC の紹介でした。
子供の頃は、格好悪いと思っていましたが、今では何とも良く見えてしまいます。
きっと私も「ほとんどビョーキ」では無く「全部ビョーキ」な状態なのだと思います。
BOX
Tonさんより、箱写真を頂きました。有難うございます。
子供の頃は、MGCのデザインには、少し抵抗があったのですが、
いま見るとなかなかかっこいい箱ですね。
備 考
撮影に使用したSMG モデルは、メッキの色があせて銀色状態でしたので、クリアイエローを吹いています。
メッキの色あせは、白か黄色かというデジタル質問に回答できませんので模造けん銃として没収されます。
オリジナル状態で保存したいのは解りますが、自身や家族を守ることの方が優先します。
法に従い、虹色やメッキ落ちは、有無をいわさず再塗装です。
王冠マークのものは当然、鉛を流し込んでいます。
インターネットは新時代を迎えています。
珍しい時代は過ぎ、ごく普通のインフラとして普及して行く過程にあり、仮想と現実が入り乱れて混乱しています。
やがては、すべてがリアルだと受け入れられると思いますが、今の段階では、ネットでの情報発信者は、第3者からの誤った
通報により思わぬ被害を被るおそれがあります。
自身を守るためにも、誤った情報と取られかねない発信には十分気をつけていきたいと思います。
皆さんもブログやツイッターを書く際にも気を付けましょう。
おまけ
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