![写真x](./pic_x.jpg)
MGCの出世作 PPK-1 型です。よく知られているようにセフティが逆作用で
写真の位置が発射体制です。
銃口付近のスライドカットやリアサイトなど戦前版のPPK を再現しています。
大きさは、子供の手にあわせたのかずいぶん小さな物です。
タニオアクション第1号ではないでしょうか?
007の映画の流行に乗ってずいぶん売れたものだと思います。
赤い箱は、貴重な当時の
オリジナルです。
![写真01](./pic_01.jpg)
箱に書いてある寸法がカタログ値でしょう。
フィニッシュにMGC ブルーと書いてあるように46年規制よりも前の製品です。
![写真02](./pic_02.jpg)
このような箱も存在したようです。オリジナルの絵をスキャンして制作された
レプリカ物です。
007の映画にあわせて箱の絵がチェンジされた物でしょう。007の影響力を感じます。
この箱はMGC 2型の物のようです。
007の第一作が日本で公開されたのが、1963年で舞台を日本にした第5作「007は二度死ぬ」 の日本公開が1967年(昭和42年)ですので、その頃の箱のデザインでしょう。
東京オリンピックが1964年、大阪の万国博覧会が1970年。
新幹線が開通し、ボンド映画にトヨタ2000GT が
登場し、三波春夫が歌う「こんにちは〜」 にのって明るい未来に向け高度経済成長を遂げていた日本でした。
ちょうど今の北京オリンピックに向け、驚異的な成長を遂げている中国と何ら変わりはありません。
企業利益のために環境を汚し、企業戦士は家庭を顧みず豊かな生活をひたすら追いかけていました。
![写真03](./pic_03.jpg)
映画の影響が凄かったことはこの写真が示しています 。これ以降MGC は、ボンドショップと名乗るようになります。
まぁ、知らない人もいるかもしれないので蛇足ですが、映画007の主人公は ジェームス・ボンドと言います。今と違い、「これがサイコー 」と言えば 誰しも流行を追った時代です。そうとうに流行ったのだと思います。 「巨人・大鵬・卵焼き」という時代でしょうか?
![写真04](./pic_04.jpg)
刻印は、おとなしく控えめです。MGC 製品の32ACP を使う物には 例外なく7.63mmと書いています。本当は7.65mmと言うべきでしょう。 ブローニングに一部7.65mmと刻印があります。
![写真05](./pic_05.jpg)
スライド右側にMGC の刻印があります。これが無いとMGC 製品だと決定できない ほど似ているコピー品が存在します。
![写真12](./pic_12.jpg)
機構は、ずっと後まで伝統を引き継ぐ事になるタニオメカです。
少ない部品で遊べるように出来ていて優秀な設計だと思います。
![写真06](./pic_06.jpg)
左がコピー品のマルゴーの物です。そっくりなんて物ではなく、パーツ互換もあります。 刻印がマルゴーの方が戦時中のPPK 刻印をよく再現しています。 マルゴーグリップの方が赤い色です。
![写真07](./pic_07.jpg)
刻印以外に目立った違いはありません。
![写真08](./pic_08.jpg)
メカニズムもまったく同じです。
MGC のコピー品は、MGC がPPK 2型にチェンジしたらコピー品も2型に移行します。
1型を生産し続けてもいいと思いますが、コピー品も2型に変わったと言う事は
MGC と同じところで生産していたとも考えられます。
この辺は、謎めいています。
![写真09](./pic_09.jpg)
映画007には、サイレンサーも登場していますので
モデルガンでも定番だったようです。
下の2本が、やけに古そうです。
![写真10](./pic_10.jpg)
一番下の長い物に007サイレンサー という刻印が打ってあります。 MGC の純正品かもしれません。 当時のモデルガンは、銃口が開いていてネジが切っていましたので そこにねじ込む様になっていました。
![写真11](./pic_11.jpg)
MGC は1型以降2,3型と3回もモデルアップしています。
大ヒット商品だけあってこだわった物でしょう。
右は3型です。
トリガーガードがずいぶん薄くなったのは、技術の進歩の証でしょう。
大きさも3型になって初めて実物と同じ大きさになりました。
日本中のあちこちで007ごっこをして遊ぶ子供たちがいたことでしょう。
たくさんの子供に夢を与えつつMGC も会社として大きく羽ばたく
きっかけとなった
PPK -1型でした。
日本の高度成長を支えた世代が、いま団塊の世代として大量定年を向かえ 老人社会となった日本。経済躍進の時代に生まれたPPK-1 型ですが、それで遊んだ世代の 現在とMGC の消滅と言う姿が重なってしまいます。時代は、あのころ誰も想像すらできなかった方向に流れてしまいました。
各社刻印図
![刻印図](./ppk3.gif)
MGC 1型とコピー品の刻印違いを列挙してみました。 ハドソンの刻印が実銃に最も近い物です。
カービンタイプ
![カービン広告](./carbine.jpg)
PPK をすっぽりと覆うアタッチメントキットです。
おまけ
chukichi-hide さんのブログ「晴耕雨読 part 2」 より、許可をいただき、たいへん珍しい1型の分解図を掲載させていただきました。 有難うございました。
チラシ表紙 |
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分解図のJPG が開きます。→ |
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