写真00
写真01 写真02

すこし薄く入れられていますが王冠マークとタワーの文字が見られます。また、銃の左側には、歴史と全く関係は無いのですが モデルガンを表す自主規制の王冠マークが見られます。この自主規制の王冠マークは1969年から4,5年の間にみられ、1975年の sm 自主マーク以降には見られません。


写真06 右写真は頂き写真のミロク、ブラウンベス・マスケット銃の機関部ですが、ピストルと同様の文様が 刻まれています。

イギリス王室を示す王冠マークにタワーの文字。タワーはロンドン塔の事で そこに武器貯蔵庫がありました。ロンドン塔は王室を表す象徴でした。


登 場

写真05 写真16 ごらんのように元々は、名前はありませんでした。が、1977年に52年規制により金属ハンドガンが大打撃を食らって 売るものが無い時にミロクフリントロックが、広告上大量に世に出ました。そのときにブラウンベス・マスケットと同じ 機関部なのでブラウンベスとして登場したようです。

では実物では、なんと呼ばれているのでしょうか?


エリオット・ドラグーン・ピストル

写真09 それはエリオット将軍の竜騎兵用ピストルと呼ばれています。

この人は、それまで剣でしか武装されていなかった騎兵隊の装備を改革し銃器を持たせて 竜騎兵=ドラグーン と呼ばれる部隊を創設した人です。

エリオットさんの検索ワード

George Augustus Eliott

実銃はこんなのです、↓写真。


写真08


実銃写真

写真03 写真04

実銃の王冠マークとタワー刻印です。この個体とミロクを並べて比較してみました。

写真07 ハンマーの軸と機関部前方ネジを基準に合わせていますが、ほぼ同じ長さです。

ミロクさんの方が、なかなか豊満でグリップ角度も少し違っている感じです。 商品全体にミロクのフリントロックピストルは、ストックが太いです。材質などの関係もあるのかもしれません。 薄くすると割れやすくなる?


メ カ

写真10 写真11

メカ写真のビフォー・アフターです。もともと左写真のように錆びていたのですが、カップブラシをボール盤に付けて こすったら、すっかりきれいになりました。もともとバレルの銀色はメッキではなく白磨きの地肌の色のようです。


米軍と比較

写真12 写真13

同じミロク製のハーパーズフェリーと比較。エリオット・ピストルは1760年くらいに作られたようで、ハーパーズは、米国独立後初の自国産ピストルで1805年製造らしいのですが、このころは発火装置に進化もなくてほとんど同じ外観です。

ミロクのモデルガンはハードウエア的に、ほぼ同じパーツを使用しているようで兄弟のように見えますね。


雑学

写真14 当時の騎兵隊の装備を検索して取ってきた
イラストです。

ピストルにはライト・ドラグーンと書いてあります。


おわりに

写真15 なかなかに魅力的なブラウンベス・ピストルですが、本来の名前であるエリオット・ライト・ドラグーン・ピストルだとか ブリティッシュ・ライト・ドラグーン・ピストルなどと呼んだ方が良いのでしょうか?やや迷うところです。

google の検索で言えば検索方面がアメリカであるので british light dragoon pistol で検索した方がヒットしやすい感じです。


おまけ

写真17 イギリスのHany Krank さんのカタログの52ページにエリオット・ドラグーンが登場しています。312ポンドくらいです。今で換算すれば 6万円くらいです。

このカタログは、180ページにわたって銃器関係商品が満載です。特に先込め銃関係は商品が充実しています。 決して買えることは無いのですが、見るだけで楽しいです。無料でダウンロードできます。


参考 WEB

写真18