

やけに格好の良い箱に収まっているスズキ製作所のチーフです。
箱に書いてあるPBSS とは、プロダクト・バイ・スズキ製作所の略称です。

MGCやCMCのモデルガンとは、一線を画すトイガンです。いわば、おもちゃの部類に近いです。
すぐに判るように、シリンダーが右回転です。
ラッチもコルトのように引っ張ります。

通常、右側にはヨークを止めるネジがありますが、このモデルは特殊なヨーク形式なので 右側にはネジが一本もありません。

CMC 2代目チーフと並べています。ご覧のように、すこし小さいです。

右側には、メイド・バイ・KKSの刻印です。
KKS とは、コモダのことなので、かつてはコモダから発売されていたのでしょう。
コモダが販売をやめて、自社販売に切り替えたのだと思います。

このチーフは、左のマルゴー・コルト・コブラと同じつくりです。違いは、バレル下方にロック部分が あるか無いかだけです。でもこのチーフのロック部分は、単なる飾りです。
マルゴーもコモダも商社なので、製造はスズキが行っていたのでしょう。マルシンのセフティ固定型ブローニングも スズキが作っていたと思います。

カートは、リムレスで先端ではなく後端に火薬を入れるようです。
このモデルはチーフですが、コブラと同じなので6連発です。
エキストラクターは、固定で動きません。
メ カ

とにかく安く作れるようになっています。これは、これで興味深いです。
メカ的にはMGC のディテクティブのような長円穴のハンマーを備えたダブルアクション・オンリーです。

左にMGC のディテクティブを置いています。ハンマーの形などそっくりです。
ハンマーが落ちたあと、トリガーがハンマーを乗り越えるときに、長円の穴にしたがってハンマーが右にずれ、 トリガーが静止位置に戻ります。
シリンダーストップは、26年式拳銃のようにトリガー上昇で上がるタイプなので、トリガーを引ききった時に シリンダーをロックします。

あと加工を省くためにヨークは、挟み込みで止められています。グリップのメダリオンも一体鋳造です。

形も大きさも、いまいちですが、それはそれ、安かったのでしょうから。
しかし、作動は完璧で、これを握って子供たちが大粒の汗を流しながら遊んでいる姿が想像できます。 なんだか、自分の子供の頃が思い出されます。懐かしさがこみ上げてくるモデルガンでした。
おまけ
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