写真x かつて一度だけ登場した八幡商事のモデルガン、シックスシューターです。
八幡商事さんは、アローイントというブランド名でガン関係の周辺機器を販売していました。


トレードマーク

写真06

髭のおじさんが弓を引くトレードマークでした。でしたって、過去形ですがネットで調べたら、今では会社は すでに無いようです。


外 観

写真14 このころ、すでに発売をやめていたCMC の金型を流用しているのか、形はCMC 3型 と同じものです。


写真01 燦然と輝くシックスシューター刻印。のちにランパントが発売するまで、日本にはこの刻印の 金属モデルガンは存在していなかったのではないかと思います。

シングル・アクション・アーミーというのは、45口径の軍用モデルにのみ言える名前でして 民間用の44−40口径のモデルは、シックスシューターでした。


写真02 サークル・ランパント刻印と右サイドには弓のマークと八幡の文字が見られます。


メ カ

写真05 メカ的には、ごく普通の構成ですが、ピン、ネジ類はCMC と別の物です。また、凝っていて ステンレスで製作されているそうです。見た感じは、アルミっぽいです。


写真09 ハンドのピン周りはバラせます。この個体は、ハンドが少し短い気がします。
写真10 トリガーピンとボルトピンは独特の形状をしています。こんなの初めて見ました。
これだったら誰が見ても、どっちがトリガーピンだかすぐに分りますね。

CMC・3型と比較

写真11 同じ金型の兄弟モデルみたいなのでCMC と比較してみました。

上はCMC 3型に実物用グリップをつけたものでグリップが少し大きかったのでトリガーガードとバックストラップを おそらくアドベン製に変更しています。


写真12 ベースピンのサイズが違います。写真の左側は、取り替えてみたところです。八幡のシリンダーのピン穴は小さいので CMC のベースピンは入りません。

カート

写真03 カートリッジは、すごく凝ったものです。カラ打ち用にスプリングが組み込まれています。 また、それを外せば発火仕様になる感じです。しっかりと44−40刻印が刻まれています。


写真08 シリンダーの穴もあとからの切削なんですね。CMC よりも径が大きいので八幡のカートを CMC シリンダーに入れると写真のようになります。

八幡のカートの径は右下図のように44−40に近いものになっています。 (CMC は実物45口径よりもかなり小さいです)


実銃写真

写真04

サークルランパント刻印のシックスシューターの実銃写真がありましたので転載しました。 サークルランパント刻印は、SAA 全体の中では珍しい方ではないでしょうか?

丸っこいトリガーガードがオールドっぽいです。アローイント=CMC のトリガーガードとは形が違います。 また、重たくなるので実銃ではノンフルートシリンダーっていうのは、マグナム弾以外はあまり見かけません。


実銃写真・その2

写真16 ですが、探してみたらあるものでオークション写真にありました。1985年製と書いていましたがサードジェネレーションは 81年までじゃないかと思いますが、どっちにしろそのころの45口径モデルです。トリガーガード形状は長円のCMC 型に なっています。

登 場

写真15 1996年(平成8年)のアームズマガジンに登場しています。1996年1月に発売予定となっています。 ファニング用のハンマーが標準で付いていて、ノーマルハンマーもおまけで入っています。 また、実銃プラケースに皮手袋まで付いて豪華版です。

同じ雑誌に登場しているCAW との共同制作で発売されたのではないかと想像しています。


写真07 同じ月のGun 誌にも広告が出ていました。

どのくらい売れたものでしょうか?当時のタナカの金属モデルSAAが17,800 円ですので約・倍の値段です。 高級路線です、マルイの電動ガンG3が買えたお値段でした。


ネット収集画像

box写真 ネットから取ってきました紙箱写真です。クリント・イーストウッドが描かれています。凝っていますね。


set写真 こちらがワンセット内容です。素晴らしいです。この高級モデルをファニングで動かすなんてのは、 もったいなくって私にはできないでしょう。


おわりに

写真13 写真はCMC、アサヒ、八幡。
このたび、オークションで購入しレポートを書きましたが、この個体は相当に使われています。 シリンダーの傷が物語っていますね。動かしたところベースピンが細すぎ?穴が太すぎ?で 回りすぎますね、すこし加工してブレーキをかけないといけないと思いました。 ハンドも短いようで調整する必要がありそうです。

ともあれ、珍しいモデルを手にできて楽しいかったです。八幡商事のこのモデルを作った人は、 相当にファスト・ドロウにこだわっていたのでしょう。アローイントの モデルガンはこの一作で他には見当たらないので商売としては厳しかったのかもしれません。

しかし、情熱の詰まったこのモデルガンが、今も世の中で大切に扱われていることで 開発者さんは満足しているのではないでしょうか。