写真x

登場広告

写真01 1991年8月号のGun誌広告です。同年には64式小銃の広告も出していますので、会社もたいへん忙しかったことでしょう。
すでに各社からM16モデルガンが出ていましたので、決定版となるべくインチ設計でアルミを使用と書かれています。

リュングマンシステムを再現し正確に作動しますと書かれています。
マニアには魅力的ですね。

金属モデルガンのM16は、1973年にMGC、コクサイ、マルシンから発売され、また1981年にはマルシンが大幅リニューアルして 本格的なM16A1を発売していました。その後MGCからは、プラスチック製モデルガンも出ていて、ガスガンや電動ガンを含めると 数限りない選択肢の中での高額デビューでしたので購買層は相当に限られたことでしょう。

Gun誌 記事

写真02 1992年2月号に新見さんの記事が載っています。ということは1991年の終わりごろに発売されたのでしょう。 また、この号にはホビーフィックスのプラスチック製M16 外部供給ガスガンの2面広告も載っています。 そちらは19,800円というリーズナブルな価格です。トイテックのユニットを搭載していると謳っています。

時代的には、外部供給ガスガンの時代でアサヒやJAC が売れていた頃です。マルイが電動ガンを数機種発売したころです。


外 観

写真03 ここのところにHF とあるだけで、他にはホビーフィックスを示すものは見当たりません。 刻印は全体に浅めです。本体の表面はザラついた仕上げになっています。 本物を見たことが無いのですが、こんなのでしょうか?
写真04 同じくザラついた感じです。
写真05 何か刻印が見られます。
写真06 細かな部分ですが、チャージングハンドルの右側にある出っ張りは実物にも存在していて 分解時にすとんと落ちないようになっています。マルシンのモデルガンには見られない部分です。

メカ・外観

写真12 通常分解状態です。バレルの付け根部分が実物とは違う形状ですが、モデルガンの法規定にチャンバー前方に 超鋼材のインサートが存在していないといけないので、このような形にしか作れないのです。
写真11 デルタリング、バレルナットを外すとボルトロック部分が見られて感動します。
下記に記述しています。

10万ボルト

写真07 ホビーフィックスのM16 は、おおむね10万くらいでオークション取引が行われていますが、 その中身は、このボルトを見てバラすためだけにお金を払うといっても過言ではないでしょう。
写真08 撃針がネジ止めなのでちょっと面白くないのですが、素晴らしい再現度です。
写真09 安全のために撃針はボルトから出てはいません。穴も開けられていません。 プランジャー式エジェクターが良いですね。

ガスパイプ

写真10 正確に再現されたガスパイプ。ちゃんとボルトキャリアが入り込みます。 ただし、パイプではなくって単なる鉄の棒です。

ハンドガード

写真13 実物のようにライト、レフトの刻印が入っています。

重さ比較

写真17 マルシン3型とホビーフィックスは、アルミ製なので本物に近い数字が出ました。他の亜鉛合金製は すごく重いです。持ってみると、けっこう違いを感じます。この重さでM 14 と比較したら大きなアドバンテージですね。

Gun 誌のタークさんの記事にマガジン無しで6.5ポンド=2.95Kg と書いています。本物はスチールバレルなので 気持ち重たいのでしょう。


交換してみた・サプレッサ

写真18 パーティングラインがいっぱい入っているので、オクで買った、どこ製かわからないスチールの物と交換してみました。 正ネジできちんと入りました。下側に穴のないA2タイプのハイダーです。マルイ用は逆ネジなので入りません。

交換してみた・バレルナット

写真19 バレルナットを外して驚いた。ネジのピッチが違うものが入っていた。私の所有するホビーフィックスのモデルガンは、 オークションで購入したものなので新品状態からこのナットが入っていたものかは分からないのだが、バラすと明らかに インチとミリの違いによるネジ山の破壊が生じた(写真左)。やたらと硬いのでおかしいなーとは思っていました。 そこでオクで購入した、たぶんG&P のデルタリングセットからスチール製のバレルナットを取り出して入れてみたところ スッポリとはまり、手でスルスル回せます(写真右)。当然交換しました。

メカ・詳細

写真20

ボルトロック機構

写真21 いやぁ、すごいですね再現度100%です。
こう入って22.5度回ってボルトロックする。 M16 の左サイドにカムの逃げの四角い空間があります。だからボルトは左から右に回転しロックします。 左回りに回転しロックします。
ちなみに角度計算は360度÷ラグの数8÷半分の2=22.5 という自己流な計算です。

ファイアリングピン

写真22 オクで本物と同寸だというレプリカ撃針を買ってみたが、つばの部分が大きくて入らなかった。 安全対策なのか?なお、写真の割ピンは、ホームセンターで10円くらいで売っているものですが使えます。

フルオートシア

写真23 左下の実物写真と全く同じ形状のパーツ群です。フルオート型はハンマー形状も少し違います。フルオートシアは、やはりセレクタより 先に組み込んだ方が簡単でした。セレクターを入れてからでも組めるのですが相当苦労します。
写真25 フルオートの時は、ボルトキャリアが帰ってきたらフルオートシアに当たり前方へ回転させる。これにより トリガーを引いているときはフルオートになります。

セレクタがセミの時には、このシアには当たらないようになっています。


バレル

写真24 バレルは3分割できるようです。レシーバーとの繋ぎは、ただ突っ込んでいるだけです。ネジロックのような赤い塗料が見られます。 左下はチャンバー前の超鋼インサート、右下は真っ平らな銃口部分です。

割ってしまった・・・

写真26 ストックがなかなかぴったりと固定しないのでネジをどんどん回していたらパキッと嫌な音がした。やってしまった。 ストックに亀裂が入り、ネジの受け部分のプラスチックも割れていました。 いやぁ、失敗失敗。よく見るとストックのがたは、凸凹 の凸 が小さいからということが分かったので 写真右のようにガムテープを張るとしっかりと動かなくなりました。

不思議な精度?

写真27 分解する時もトリガーが出てこなくて無理やり引きずり出したのですが、組み立てる時もレシーバにトリガーが入りません。 どうなっているの??試しに計ってみたらレシーバ16.9mm なのにトリガーの幅は17.0mm あります。これじゃ、入りませんね。実物はどうなっているんでしょうね? 私は、やすり掛けして入れ込みました。

実銃の歴史

M16の歴史年表 M16 は、ケネディ大統領、その政策であるベトナム戦争の拡大、国防長官マクナマラ、この3つが環境となり、ルメイ空軍大将が 表舞台へ突き出したものです。とうぜん、天才的な設計のストーナーさんが一番の貢献者なのですが、私はアーマライトを設立した ジョージ・サリバンさんを大きな貢献者に上げたいです。

サリバンさんは、航空機用の新材料を用いて軽い銃器を作ることを夢見ていました。そして射撃場でのテスト時にストーナーさんと 巡り合ったようです。AR-10 からM-16 にいたる軽い・扱いやすい・よく当たる という特徴は、サリバンさんの アルミ鍛造による銃器というところからスタートしていると思います。ストーナーさんだけでなくサリバンさんもwiki に出てくるといいなと思います。

この表のようにM16 は、なんども落選の憂き目にあいながらしぶとく残り、やがて大輪の花を咲かせます。アメリカは、本質的に良いものが生き残るという素晴らしい社会のシステムであるのかもしれません。日本なら一度落選したらなかなか復活もできないでしょう。いろいろあっても 既に60年ほども第一線で活躍しているなんてすごい事です。


系列製品

ホビーフィックスのM16 は、のちにハンドガードが丸形のM16A4、カービン型のXM177E2 も発売されます。 どちらも生産数が少ないと思います。

トイガン備忘録 http://airweapons-memorandum.livedoor.biz/ さんによりますとM16 が600丁、M16A4 が160丁、 XM177E2 が120から130丁、M4 が150丁 だそうです。


ネット画像・M16A4

写真14 ネットで検索して出てきた過去のオークションの写真です。

ネット画像・XM177E2

写真15 ネットで検索して出てきた過去の中古販売の写真です。