たったの18丁しか製造されていません。メールで連絡して2日で完売したそうです。
こんなモデルがあったなんて、全然知りませんでした。
教えていただいた匿名様有難うございました。
また、写真を撮っていただき記事を書かせてもらいました。重ねて御礼申し上げます。
登場
コンバットマガジンの2010年6月号に記事が載っています。すでに完売となっています。CAW 3兄弟
下記掲載のチラシによると18丁の刻印は、ロックアイランド・アーセナル製造の物で18丁にちなみ 1918年製のシリアルナンバーを再現しているそうです。ここでCAW の1903 ライフルのラインナップを見てみたいと思います。
ロックアイランド刻印
図は実銃の歴史的に古い順から書いています。このページで紹介する超限定品のモデルが一番上の無印1903で 青矢印のストックの溝がポイントです。
スプリングフィールド刻印
真ん中は、CAW の少数バージョンで1903 A1 です。 実銃では、1928年に制定されたCタイプというピストルグリップを持つストックを使用しています。 図では黄色矢印で書いています。 もっぱらナショナルマッチとして競技などに使用されたようです。
レミントン刻印
一番下がオーソドックスバージョンの2次大戦版・レミントン刻印のバージョンA3 です。 赤矢印のように大戦中に製造が楽になるようにレミントン社の意見が取り入れられたものです。 ミドルバンドが単なる鉄板になり、トリガーガードがプレス品になり、リアサイトも大きく変更されています。 これで製造能力がかなり上がったそうです。全部の刻印バージョンを持っている人って居るんでしょうか?いるでしょうね、うらやましいです。 案外CAW の社長は持っていなかったりするかもしれません。
外観
それでは、さっそく外観を見ていきましょう。うーーん、このリアサイト、良いですねぇ。私はCAW のA3 を所有していますので、持っていないこの長いリアサイトにあこがれてしまいます。
ストックには、検査官のマークJ.E.S が見られます。
資料によると1918年のロックアイランドの検査官刻印です。
クロスボムのスプリングフィールド・マークは、格好いいのですが、私のもっている資料では、 第 2次大戦の納品マークなので1918年を再現したCAW のモデルには合っていないのかもしれません。 大戦用にリビルドされたモデルにあるのかもしれません、要検証です。
ロックアイランド・アーセナルの刻印が光ります。調べたら、今でもあって稼働しているようです。 日本列島よりも長いミシシッピ川の上流の方にあるイリノイ州の端っこにある島に存在しています。 ミシシッピ川というとミシシッピー・アカミミガメ=ミドリガメを思い出します。あのとんでもなく大きくなる カメのふるさとなんですね。
バレル刻印もバッチリと決まっています。フォントは、実物同様です。刻印の意味は上の RIA がロックアイランド・アーセナル製を意味します。下の数字が 1924年8月 製造を示します。
私の持っているCAW レミントン刻印は、ハイスタンダード社のバレルが組み込まれてリビルドされた製品のモデル化
のようです。それから見ると1918年の機関部には1918年製のバレルがセットされているのが普通だと思います。
また、ロックアイランド・アーセナルでは1919年までしか1903 ライフルを作っていないので、この刻印は
すこしヤバいです。要検証かもしれません。
追記_2023.9
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ロックアイランド・アーセナルでは完成品の1903ライフルの生産は行われていなかったかもしれませんが、
バレルのみは作られていたようで下記ページには1943年製のロックアイランドのバレルが掲載されています。
CAWさん、疑ってすみませんでした。
https://www.ancestryguns.com/shop/world-war-ii-us-remington-m1903a3-bolt-action-30-06-springfield-cr-rifle-made-in-1943-with-flaming-bomb-marked-barrel/ |
私は、普通のファンですが アンチの方にいろいろ突っ込まれるよりは、と思ってあえて上のように書いてみました。
バットプレートは、スムースタイプです。
実銃では、ほかにチェッカーのものもあったようです。
カート
30-06 の尖頭弾ですが、これにはエピソードがあって、もともとラウンド弾頭だったものを改良して 性能を伸ばしたものですが、ドイツのDWM 社から訴訟を起こされ、1928年にアメリカ政府は負けています。 (日本語ウィキペディアより)いつもの地味な紙箱です。横に完全限定のシールが貼られています。
実銃写真
ネットから取ってきたロックアイランド・アーセナル製の1912年の1903ライフルです。40年ほど作られてきた国産初の連発ライフルなので、アメリカ人のハートに響くようで、オークションの数も多く 値段も高めで人気者です。またフェイクも多くあるようで、フォーラムでの指摘なんかも微に行っています。
参考ページ
https://www.gunbroker.com/item/889206673
↑このページを見ると1918年製のことがよく分かります。拡大写真も鮮明です。
解説がまた細かいです、ぜひご覧ください。
http://www.thepaulkfamily.com/gunweb/M1903_RIA.htm
↑ハイスタンダード社のバレルでリビルドされたロックアイランド製1918年モデル。
実銃の製造歴史
こうやって書いてみると、結構長く作られていたことが分かります。第2次大戦中も作られていたんですね。 CAW 製品では4ヶ所の製造所のうち3つまで刻印がありますので、あとひとつスミスーコロナ社も いつの日か作ってほしいですね。販売チラシ
分解図
参考文献
主に左の白い本を参考にしました。この一冊でそこまで知りたくありません、というくらいに 詳しく書かれています。真ん中の青い本は、あまり参考になりません。右の厚い本は、内容が素晴らしいです。 モノクロですが写真も多く立派な本です。左の白い本は、中身はイラストのみですが、とんでもなく詳しく分類されていますが、ひとつ、ロックアイランド・ アーモリーと間違って記述しているのは情けないです。
この本のシリーズは、ほかにガーランドと ガバメントを持っていますが、いずれも凄まじく詳しいです。なかなか売っていない本なので 見かけたらぜひ購入するといいですよ。