Kar98 の方はタナカと同じハードウエアにCAW独自の刻印が各所に施されていました。
雑誌掲載

チラシ

おそらく手間、費用がかかりすぎるために断念されたと思われるリアバンドの絵がきっちりと入っています。 そうなんです、カラビナーでは無いゲヴェーア98ライフルは、スリング掛けが下についているんです。 カラビナー(騎兵銃型)は、スリングかけが左側に付いていて、それに合わせてストックにもスリングを左から入れ込む穴があけられています。 ですが、CAW製品のストックはスリング差し込み穴が無いゲヴェーア型で、リアバンドは左側にスリング通しのある物がついていて、その部分だけがカラビナーであり、なんとも 中途半端な製品となってしまいました。おかげでWEB でボロカスに書かれちゃったりもしています。CAW ファンの私としては、大変残念なのです。
CAW のモデルガンは、もともとGew98 として作られたのですが、リアバンドだけが左通しな為にKar98b でもなく架空の98bという製品名で 販売されてしまいました。当ページ後半では、Gew98 のリアバンドを入手して、本来のCAW製 Gew 98 として生まれ変わってもらいました。
販促チラシ


もともとは、A4縦の一枚チラシですが、パソコンで見やすいように2つに切り分けています。
実銃写真

ちなみに98mのMとは、おそらく Modification のエムでしょう。メジャーな分類ではなくって、Gew98 のマニアックなバリエーションの一つのようです。 推察するところ、Gew 98mとは、第一次大戦後に組み立てられた小銃やリビルドされた 小銃のことを言うようです。
大きさ、38歩兵銃と

外観の特徴・ボルト


CAWのハンドルは、鉄製です。

外観の特徴・その他



写真下のCMC Kar と同じ製品が使われています。なぜこのようになって しまったのか聞いてみたいところですね。自分なりに勝手に想像してみました。
- リアバンドを自作しようとしたが高価になりそうなのでやめた
- 海外から本物を輸入しようとした
- 許可が下りなかった
- しかたなく見切り発車した。
刻 印

Zn は、ツァイエーン軍需工場(Zeithain Munitions Establishment) で組みなおされたGew98 のマークです。また、元々がスパンダウ工廠で1917年に組み立てられていたものをリビルドして 1926年に生まれ変わらせた刻印だそうです。こちらに別シリアルの同じ銃が載っています。その説明書きに書いてありました。 (すでに閉鎖)
https://www.gunbroker.com/item/764189748
と、いうことでCAW の製品はGew98 m だと確定しましたね。それにしても上のページの銃はすごいです。第一次大戦後に組み立てなおされたもので、パーツのシリアルナンバーが全部違いますね。 敗戦国であるドイツの姿を現しているのかもしれません。
メ カ

セフティの修繕

上写真の右側は、正常にセフティが180度回るCMCのモデルガンのコッキングピースです。 左は、CAWで90度までしかセフティが回りません。写真にあるようにもう少し当たりが出てきたら 治ると思うのですが、右のパーツくらいにヤスリを当てて面取りするとセフティは回転するようになります。
これは、セフティレバーが180度に回る際に撃針スプリングを一度圧縮するためコッキングピースが動く余裕が無いと いけないことによります。このへんのメカは、実物とは違った作りだと思います。
カート

左からショウエイのFG 付属カート、タナカのKar98 カート、CAW のカート。
CMC、CAW そろい踏み

パレード用フック

ドイツ人ってのは、こういう見かけを大切にするんでしょうか?非常に進んだ機械を開発する人たちなのに、なんだか逆行するように 感じる部分です。写真左側は実物レプリカで、本物はこのように2個のパーツで出来ています。右がCAW の物でタナカの亜鉛製パーツに 鉄製のフックを差し込んで作られています。
参考ですが、ウィンドラスの銃剣を装着するには、銃剣ラグをすこしヤスリがけして削る必要があります。 CMC、タナカ、CAW 全てに言えます。
ほんの数回、ヤスるだけなのでやりすぎないように注意が必要です。 また、私の場合はクリーニングロッドを外さないと銃剣を装着できませんでした。実銃はもちろんロッド有りで 着剣できます。
パレード用トリガーガード


バレルバンド


スリングの話

発送連絡から数週間しても到着しないので問い合わせをしたら別の品を1週間で送ってきました。インドの会社のようです。 誠意を感じました。 つくりは、それなりにチープですが、ワンタッチ金具やフック取付部など Gew98 スリングをきちんと再現しています。
買おうと思われる方は、3万オーバーで出品している会社もあるので間違えないように気を付けてください。3,500円くらいが正解です。



めでたく完成 CAW・Gew98

ともあれ、これで本来の姿を取り戻して、モデルガンも喜んでいることでしょう。
スリング追記

つわもの

参考資料
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http://www.asahi-net.or.jp/~th7k-nktn/index.html
こちらのページの中の「てっぽうのページ」→「ドイツ」→「CAW 98b 」の紹介ページは、手厳しく書いておられますが、大変参考になりました。
上記WEB ページで参考書として紹介されています。 世界中のモーゼルライフルについて紹介されています。総花的でしょうか?深く掘り下げる感じではないですね。
参考にはなりますが、あまりに数が多いので疲れますね。
Mauser Military Rifles of the World は、アマゾンで普通に購入できます。
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http://www.dsm1918.de/SEITE_UNTER_DER_LUPE_17.html
ドイツ語なので何書いているかよくわかりませんが、写真もきれいなページです。 ここのページは、電子書籍のように右上の矢印で次のページに進みます。
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http://guns.allzip.org/topic/164/1223537.html
ロシア語のようでまるで何言っているのかわかりませんが、エイリアンサイトの図面が何枚かあります。 大きさが部分的にですが、分かりますのでこれを参考にどなたか作って売ってください。
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M98 Rifle & Carbine by Dieter Storz
上記ロシア語のサイトで紹介されていたので購入してみました。ロシア語サイトの図面は全てこの書籍のものでした。 この本はドイツの方が記していて内容は濃いです。第一次大戦までの事しか書かれていませんが、図面や人的被害の写真などもあり ます。弾薬やスリング、銃剣など非常にマニアックです。写真のようにドイツ語バージョンと英語バージョンがありますので購入時はお気を付けください。Amazon で買うと4万くらいしますが eBay ですと送料入れて2万ちょっとで買えます。また、下記の超ミリタリーなオーストリアの出版元からも購入できると思います。 第一次大戦のモーゼルライフルの事なら大変おすすめします。
https://www.militaria.at/
