
極端に切り詰められた変形ライフルです。 こんなの実弾射撃では、ありえません。あくまで映画やテレビなどの劇中に登場する夢の銃器です。 伝説のスター、スティーブ・マックイーンがテレビドラマで使用していました。
カタログ写真

こちらは、CMC のカタログから取った写真ですが、RANDALとエルが一つですね。 もともとランダルって人の名前で、文字で書くとRANDALLとエルが2個必要なんです。
マックイーン

日本語タイトルでは拳銃無宿という1958年から放映されたテレビドラマの中で主人公であるマックイーンが 使用したカスタム銃で、別にランダルって名前ではありません。
その銃を使用する主人公がジョッシュ・ランダルさんなので、銃は ランダルカスタムと日本では呼ばれています。写真のように装着できるホルスターを構え、 ベルトには、使用できないが45-70弾を刺しています。見栄えがいいからでしょう。
mcqueen josh randall で検索するとたくさんの画像が出てきます。

CMC のモデル92と並べています。スマートなモデル92は、短くしたって格好良いですね。
登 場

Gun 誌 1980年2月号に登場しています。
銃身分離型規制の52年規制を乗り越え、何とか魅力的な商品を開発していこうという、試行錯誤の時期ではないでしょうか? その象徴たるワルサーGSP が掲載されています。
拳銃無宿というテレビドラマは、とうの昔に終わっていましたが、MGC からランダルモデルガンも発売されていますし、
なにより団塊世代の心に深くマックイーンが刻み込まれていたから、何の違和感もなく受け止められたでしょう。この年の
終り頃、彼は病気のため生涯を終えます。
外観



MGC と比較

こうやって並べてみるとモデル92のコンパクトさが際立ちますね。これだけ小さいのにモデル73よりも強力なのですから ブローニングさんの設計がいかに素晴らしいかって事がわかります。
実銃写真Wiki より

カート

分解図


cmcカタログ Vol.6 より。発火用バイパスがあります。
永遠のヒーロー

アメリカで 「Wanted Dead or Alive 」、日本名「拳銃無宿」のテレビ放送が終わったのは、1961年。すでに60年が過ぎています。
また、マックイーンが亡くなってから、もう40年以上経っています。
それでも彼が演じたランダルさんの小道具は、今もこうして世界中で売られています。
上は、デニックスのランダルでレバーがCMC の物よりもテレビ小道具に近いです。また、ホルスターも売られているようです。
当時を知る大人たちのみならず、マックイーンを知らない少年たちの心を、今も時めかせているのでしょう。