登 場
もっとも古くから続いていたマルゴーさんもとうとう無くなっちゃいました(2016年)。 2017年にアメ横に行ってみましたら、その場所はマルゴーの看板が残ったままアンクルが中古モデルガン、エアガンを売っていました。
マルゴー唯一の長物は、ウィンチェスターM73です。これは、MGCと競合しますが先発のMGCに負けじと実物同様のトグル機構を採用したため マニアには高く評価されています(実物はトグルが左右に2個ある)。おかげで今でもオークションでは高価に終わることが多いようです。
登場はかなり早い時期で、Gun 誌 1972年5月号に広告があります。72年といえば昭和47年で前年の46年規制後に各社が長物に活路を見出そうとしていた頃です。マルゴーさんもそうしたのでしょう。ちなみにMGC のM73 は、1968年 (昭和43年)に発売されています。
リアルメカ
モデルガンで唯一再現されたトグルアクション。ただし亜鉛の強度の関係で壊れやすいです。
ちなみに実物はこんな感じす。→
レバーが上がっていないとトリガーが引けないという、セフティも再現されています。
ですが、モデルガンのルーズなつくりのため
あまり効きません。
外 観
マルゴーの名前が見られるバレル上の刻印です。ストックの付け根には、実物によく似た刻印が見られます。青い背景の物が1882年製造のサードモデルの実銃です。 http://www.antiquearmsinc.com/ さんのページから取ってきました。
マルゴーだけがストックのツール格納部を再現していました。ここを見ればすぐにマルゴー製品だと分かります。 青い背景は、上の項と同じ銃で、オリジナルのクリーニングロッドも残っていて大変珍しい物です。
バレル長
うえからマルゴー、MGC、デニックス・ヘンリーライフルです。マルゴーのバレルは、MGC よりも長いです。 並べてみると、MGC がスイベルリングをハンマーピンと兼用にしていることが位置で分かります。分解不可能システム
責任者出てこーいっ!と言っても始まらないが、私が持っているものは分解不可能システムがインストールされています。実物とマルゴーの分解図は、同じように1本の長いネジでアッパータングとロアータングが連結されていて何の問題もないのですが、実際は違うパーツの構成なのです。
左下のイラストのごとくカラーを挟んで上下2本のネジで止められています。 これの何が問題なのかというと、青い色のハンドル落下防止装置が邪魔で下のネジを回せないのです。よって上のネジだけ外しても ストックは分解できません。組み立てることは簡単にできるのですが、分解は不可能なシステムなのです。
実物パーツが右写真です。皿ネジのつばをカットしている方が下側になります。
分解不可能と言っておきながらこのパーツが取り出せているということは・・・。
あーじゃない、こーじゃないと弄っているうちにロワータングがバラバラに壊れてしまいました。
メ カ
と、いうことでメカニズム写真です。いくつか部品が写っていません。小さな部品で部屋のどこかに飛んで行ってしまいました。 ハンマーの板バネもすごく強いので、このあと組むときに支えている部品が崩壊しました。まったく分解や組み立てが大変な銃です。マルゴーさんのメカ研究は、サイドカバーを外してトグルを眺める程度にした方が良いと思います。68年 試作品
1968年10月号のGun誌 記事です。この中では、六研による試作品を紹介しています。中田商店から発売されると書いてありますが、実際にはマルゴーから発売となりました。 右のページの真ん中あたりにトグルを1個に省略されていることが書いてあります。
75年 広 告
1975年10月号(昭和 50年)のGun誌 広告です。
77年 広 告
1977年2月号のGun誌 広告です。この年から銃身分離型は発売されなくなりましたから、オートマチック・ハンドガンには最後の広告でしょうね。 価格を見ると登場から5年で1万円も値上がりしています。
紙 箱
ネットで見つけた紙箱写真です。カートの箱には、44−40と書かれていますが、下に並んでいるカートは リムレスのオートマチック用です。おわりに
我が家のレバーアクションを上から年代順に並べてみました。ヘンリーライフル、MGC イエローボーイ、マルゴーM73、CMC M92、ガスガン M94 です。 実銃なら上から3つまでが、同じスミスさんの機構、トグルアクションを持っています。下2個はブローニングさんの機構です。
スミスさんの機構を改良したヘンリーさんの作ったライフルが人気となり、ニューヘイブン社も軌道に乗りかかり、オーナーの ウインチェスターさんはロンドンへ営業に出ていました。ところが収入に不満のヘンリーさんが会社を乗っ取る工作を始めた事が分かり、急遽帰国し、新たな会社ウインチェスター社を作ります。この乗っ取りがなかったらウインチェスター社は存在しなかったでしょうから、世の中何が良いことで、何が悪いことなのか、一概に決めつけることは出来ないもんだなぁと感じます。
オリバー・ウインチェスターさんが亡くなった後、天才ブローニングを世に出したのは、ウインチェスター社でした。 スミスさんから繋がる歴史をたどる気にさせてくれるマルゴーのトグルアクション機構の紹介でした。
チラシ・分解図