この写真のフロントサイトは、マルシン・プラ製からの移植です。
このマルシンは、友人の物でsmGよりも前の製品です。
smG型
上の写真と比べてバレルナットのあたりが長くなっているのが分かりますか?
ちょうど右写真のようにsmGマークの入っている部分です。
長鼻君のsmG型
これは、smG 規制が発行されてチャンバーの前方に超鋼インサートを鋳込まなければいけなくなったからです。 規制で鉄製のMGCは消えましたので、プラスチック製のMP40が出現するまで、日本にはこの 長鼻のMP40しか存在していませんでした。
写真は、マルシンが作っていた規制前の中田製とsmG型を並べています。
リコイルスプリング
MGC のMP40とマルシンのプラスチック製MP40 は、何れも実銃のようにリコイルスプリングがガイドチューブに入っていますので この写真のようにボルトの後ろにスプリングが丸見えなのは、中田とマルシンの金属MP40 のみです。 ですからオークションなどで、ここにスプリングが見えたらそれは金属製だと分かります。
ジュニアモデル
ところが、やっかいなことに2/3くらいの大きさのジュニアモデルというものが、マルシンさんには存在していて その出来栄えがすごく良いのでオークションなどで見かけると、なかなかリアルサイズの物と間違いそうになるのです。
ジュニア見分け方
写真のごとく、よく見ればリアルサイズと違った部分があります。
重さについては、明らかに違っていて、左のジュニアは2kgありません。右のsmG型は4.5kgあります。 ちなみに中田製は4Kg くらいでしたので、smG型は重たくなっています。
メ カ
通常分解状態ですが、分解ボタンがキツキツでしたので、プラスチックのカバーも外してみました。 このカバーは、実銃では左右分割ではなくって一体物です。
MGC のMP40 は、分解ボタンを引いて本体を40度くらい回転させないと分解できないのですが、 マルシンのは、ボタンを解除するだけでアッパーレシーバーが前方へスポッと抜けてびっくりしました。
写真下側のMGC 製はレシーバー後方の四角い切り欠きがロアレシーバとかみ合うようになっています。 マルシンには、噛み合う部分はありません。
ロアレシーバーですが、MGC の造形が素晴らしいですね。実銃と変わらない加工です。
実銃のレシーバ図面
本物のアッパーレシーバーは、後方の3ヶ所の突起によりロアレシーバーとかみ合うようです。マルシンのカタログ
スリング環は、右側が本当のようですがこちら側にセットした実銃の写真も多く存在します。
ジュニア・カタログ
マルシンのカタログから抜粋ですが、重さが半分ですのでジュニアでしょうね。
クリック拡大します。 同じくマルシンのカタログより(昭和50年頃?)。ジュニアは分解ボタンがありません。
ジュニア広告
1975年10月号(昭和50年)のGun誌 広告にジュニア・トンプソンとMP40 が載っていました。 トンプソンの方は、ジュニアだとすぐに分かる形ですがMP40 は、それだけだったらよく分かりません。
おわりに
世界初の量産サブマシンガンのベルグマンMP18 の電動ガンとマルシンMP40 たちです。
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MP18 は、おそらくヒューゴ・シュマイザーさんが設計した物でしょうが、世の中では 作った会社であるベルグマンのMP18 と呼ばれています。その後、MP28 をシュマイザーさんが 作って世の中にサブマシンガンの基礎を築き上げました。
丸い管の中を重たい円柱状のボルトが動き回る形式は、サブマシンガンという新しいカテゴリーを 確立させました。その流れはイギリスのステンやスターリングに見られます。 MP40 は一見して形が違いますが、円筒パイプの中を円柱のボルトが動きまわるのは シュマイザーのMP18 と何ら変わりません。
また、テレスコピックのリコイルスプリングケースは、もともとシュマイザーさんのパテントでした。 MP41 で訴えられたり、シュマイザーさんは何かと運が悪かったみたいです。
かわって、MP38、MP40 を設計したHeinrich Vollmer さんの作った会社は、今ではでっかくなって下記にあります(日本語ページ)。
https://www.vollmer-group.com/ja/
マルシン分解図
クリック拡大します。