写真x

タナカの98kは、ZF41型スコープが取り付けられるようになっています。
これは、タナカのエアガンと同じつくりになっています。と、いいますかエアガンの方が先に発売されて モデルガンは、そのあと出ました。


タナカのKar98エアガン

写真08

1987年2月号のGun誌 の広告にタナカのエアガン・Kar98 が登場します。これを見るとZF41スコープが付けられるようになっている事が分かります。スコープは別売りでした。この号には未だCMCの広告が掲載されています。


モデルガン登場

写真09

モデルガンの登場は、1992年3月号です。この号では、すでにCMCの広告は載っていません。CMC は、アメ横店舗では未だ営業していたそうですが、すでに廃業を決めておりGun誌 広告も打っていませんでした。

タナカのKar98 は、CMC と同じ金型だと思うのですが 先にエアガンがスコープ台座付きでデビューした関係で、モデルガンも初めからスコープが取り付けられるようになっていたものと思われます。


CMCと比較

写真00

それでは、親子?にあたるCMC とタナカを比較してみましょう。

写真の上がCMC で初期生産型なのでストックのボルトハンドルの削りが小さいです。


写真01

こちら側のリアサイト当たりのストック形状に違いがあります。


写真02

リアサイトあたりのアップです。スコープマウントが付けられていて、スコープを後方より入れ込むために ストックが少し削られている事が分かります。


実銃写真・ZF41

写真10

この写真は、実物の写真ですがZF41で検索するとたくさん出てきます。 が、戦後のフェイクも多いです。
なかでもスコープ周りのストックがこのように少し切り込まれているものが本物でしょう。 タナカの98kもそうなっています。戦後にあと付けでスコープを載せられるアタッチメントが販売されましたが、それの装着モデルは、ストックが 低く削られてはいません。


写真03

この写真のようにタナカ製のZF41 スコープは、実物とは全然違った形をしています。 上の実銃写真と比較してみてください。 また、モデルガンのKar98 に取り付けようとしましたが、きつくてやめました。 すこし、どこかを削る必要があるかもしれません。


刻印 比較

写真04

CMC の花文字をコピーしてタナカも作られています。厳密にいうと花文字のKar98 は、たいへん少なく初期のころだけです。 CMC とタナカの1942年製には見られません。でも格好いいから許します。


写真05


写真06 タナカさんは、CMCよりも刻印が多くて、なかなか雰囲気が良いです。

また、ストックにもきっちり製造所刻印が入っています。

ちなみに、ここのページhttps://military.wikia.org/wiki/Waffenamt_codes で調べたらストックの番号は存在しませんでしたが、機関部 の WaA77 は1938年のエルマ社製を表しているようです。ってチャンバー部の byf モーゼル刻印と 整合しませんが、モデルガンにはよくあることです。

2024.3 追記

WaA77 っていろんな会社に使用されていたようで、こちらのオーストリアの自動車製造屋さんが本命でしょう。Steyr-Daimler-Puch (シュタイア・ダイムラー・プフ)
アムトはWaA 77 です。知らぬが花でモーゼル刻印のbyf は同じモーゼル社でも オーストリアのオーベンドルフ工場なんですね。全然知りませんでした。ドイツ工場だとばかり思っていました。 同じオーストリアなので、byf 刻印に WaA 77 部品が使われているのも納得です。タナカさん失礼しました。
    のちにタナカからオーストリア・シュタイア・ダイムラー・プフ製の
    Kar98 bnz 刻印が発売されましたが、そのbnz モデルガンは
    別のページに書きたいと思います。

ちなみに、こちらに刻印屋さんがあります。いろいろなアムト刻印を売っています。
また、日本軍の物もあって驚きです。

https://www.waffenamt-shop.com/en/

参考:アムトの一覧ページ


ザンネン刻印

写真07 左のCMC と右のタナカは、同じ1942年モーゼル社製造の刻印ですが、残念なことに真ん中実銃写真のように本物の 西暦表記は42と下2桁のみでした。おそらく分かっていたのでしょうが、そこまで再現しなくてもいいや、と なったのか、はたまた、むしろCMC にわざと合わせたんですよと、言われるかもしれません。

各社バットプレート刻印

写真14 左からCMC 初期の六研刻印、CMC 刻印、タナカワークス刻印です。

六研は、52年規制前にKar 98 プロジェクトをスタートさせましたが頓挫したため、すでに外注部品ができあがっていたものは、その後を引き継いだCMC で使用されました。なので初期のCMC 製品には六研刻印のバットプレートが存在しています。


マウンテントルーパー

写真11

ドイツが占領したチェコで生産されていた短いタイプのVz33 ライフルをドイツ軍が採用したマウンテントルーパーも タナカから発売されました。もとは、CMCでも販売していました。


写真13

CMC の時には、スコープマウントはありませんでしたが、タナカのマウンテントルーパーは、リアサイト前方に マウントが取り付けられています。写真はタナカのガスガンですが、モデルガンも同様です。


紙 箱

写真12

格好いいナチマークですが、世界では表示することは出来ません。この辺の事情の日本での認知度の低さは大きいです。 ホロコーストは、他人事だと言っていると、原爆被害も知らぬ顔されそうです。 年寄りの責任として、若い世代への教育の機会が必要だと思います。


おわりに

写真15

写真は、上からタナカのパーツで作られたCAW のGew 98、タナカ Kar 98、タナカ マウンテントルーパー(ガス) です。

その昔、六研が企画設計し日の目を見なかった製品を、CMC が見事に復活させ、また廃業したCMC からタナカが引き継ぎ 素晴らしいモデルガン、エアガンを数多く生産していることにうれしくなります。いろいろ会社は変わっても良い製品が 生き延びて、いまでも多くの人たちに愛されていることを想うと先人たちの努力に感謝いたします。


分解図

クリック拡大します。
分解図