2年ぶりくらいにCAW ガバメントのブローバックタイプが再販されました。
セカンドロットなのか何度目かの生産なのかよく分りませんが、すごい売れ行きのようです。
MGC 福岡店で遊んでいるときにちょうど5個くらい送られてきていましたが、2日くらいで すべて売れたようでした。
ガバのブローバックは、廉価なものではマルシン、GM7くらいしか存在しないので皆さん 待っていたのでしょう。また、CAWの最近の南部拳銃やボーチャードでファンになった人も たくさんいると思います。ブローバックは、作動が命ですのでリアル志向のCAWで どの程度動くのか興味津々です。
CAW スタンダードと比較
2008年に購入したスタンダードと比べてみました。
まだ、このころはブローバックタイプは発売されていませんでした。
左のスタンダードに比べブローバックは、スライドとフレームのクリアランスが大きいです。
ブローバックしやすくしてます。また、CAW特有の購入時は動かせない現象もありません。
エジェクタも幅が広くなっているのですが、外からは分からないようになっています。
お約束のショートリコイル用のラグの溝は削られています。というか省略されて削られていません。 ブローバックモデルですから当然でしょうね。
フレームのチャンバー付近の形状も違っています。これは、バレルが強化されているためです。
また、エジェクターが倍の厚みになっています。おかげでスタンダードのスライドは入りません。
左がスタンダードの物で実物同様の形をしています。右のブローバックはリンク取付部が広く強化されていてMGCのGM5そっくりになっています。おかげで前述のようにフレームが削られています。
リコイルスプリングも左のスタンダードの物よりも短くなっています。
キャップ火薬一粒でブローバックさせなければいけないので弱くして当然でしょう。
プラグも、つば付のスチール製に変更されています。
この形状は、プラスチックガンの常道です。
箱出し状態で発火してみる
↓YouTube 埋め込みビデオ
箱出し状態にしては、まぁまぁだと思います。
手動で全く排莢しない状態でしたが、実際にはブローバックの勢いで、かなり排莢されるのでは・・と思っていましたがそのとうりでした。
一発だけ前方に飛び出ていますが、明らかにエキストラクタが効いていない証明ですね。
エジェクターにぶつかって前方に飛び出ているだけです。
ビデオの最後に流れるテロップの考察は、結果的に間違いでした。
最終弾が飛び出ないのは、スライドストップの掛りが下方過ぎて、マガジンフォロアが
上がりきっていないのかと思いましたが、全くの見当はずれでした。エキストラクタの改良ですべて解決しました。
不調の原因を探る
WEB の検索で「CAW ガバメント 発火」と入れてみるとファーストロットの発売時点での ブログがいくつか見られます。その中でディスコネクタの件はすぐに解りましたが 排莢不良は書かれていませんでした。そこで自分の持っているスタンダード・タイプに発火カートを入れて手動で動かしてみました。 すると、調子よく排莢されます。最終弾も何の問題もありません。 次にマガジンとスライドストップを発火タイプの物を取り付けて作動させてみましたが まったく完動でした。
これは、エキストラクタの問題しかないなと思い、両タイプを比較してみました。
一目で解るようにブローバックは、エキストラクタが丸い穴の中心部にありますが、 スタンダードは向かって右に寄っています。
ブローバックもすこし右になるように曲げることにしました。
スタンダードのエキストラクタと並べています。
若干ですが、スタンダードのエキストラクタが左に曲がっていることが肉眼でもわかります。
そこで万力にブローバックのエキストを挟んで木づちで2回ほどたたいて曲げました。
案外やわらかくてすぐに曲がります。
板バネの角を落とす
以前のファーストロットの時から問題だった板バネの角を修正してディスコネクタが 下がりやすくしてあげます。 これをしないとスライドの前進不足によるジャムが発生しやすくなります。
写真のようにディスコネを押さえている板バネによってディスコネに段が付いてしまい ディスコネクタが下がりにくくなってしまっています。
写真は修正後のアングルが反対向きになってしまいましたが、角をやすりで削っていることが 解ります。この写真では、金属やすりのみで仕上げてみましたが、作動させてみると まだディスコネクタに傷が入ることが解りましたので、このあとペーパーでもっと ツルツルに仕上げなおしました。
ディスコネを削る
すでにカラ撃ち動作で段差ができてしまったディスコネクタをスムーズに治してあげます。
実物は、この角度が48度と規定されていますが、モデルガンなので平滑ならいいでしょう。
このとき、ついでに頭の方も磨いてあげましょう。
実銃は、板バネもディスコネもスチールなので問題は起こらないでしょうが、モデルガンでは ディスコネが亜鉛で、しかもリコイルスプリングも弱いためにスライドがディスコネを押さえきれずに 止まってしまいます。材質に制限のあるモデルガンでは仕方のないことでしょう。
調整後の発火
↓YouTube 埋め込みビデオ
感激っ! バッチグーな動作に満足です。
その後6回ほど掃除もせずに連続発火させてみましたが作動はOKでした。
ただ後述するマガジン組立不具合による2発排莢の現象に会いました。
カートが飛びすぎるので紛失に注意が必要です。3mくらい飛びます。
その他気付いたところ
発射準備について
友人から教えてもらった失火しにくい方法で、一度チャンバーにカートを入れて プラグを火薬に接近させて動作させました。この作業なしで不発が発生するのかは、実験していません。ファイアリングピン
ファイアリングピンは、取り外せないようになっています。
写真のようにローレットの彫られたナットごとスライドに打ち込まれています。
改造防止処置なのでしょう。
また、ファイアリングピンは手で押さえてもブリーチ面から飛び出ることはなく、 ハンマー打撃の慣性でカートを打つようになっています。
マガジン
マガジンは実物と同じ作りです。バラせないと思っている人もいるようですが バネを押さえて穴にドライバーなどを突っ込めばバラせます。 発火の後はバラして洗ってあげましょう。
問題は組立です。バネの方向なんて関係ないだろうと写真左の方向で組み立てたら 発火の際にフォロアーが前のめりになってカートが2発飛び出てくることが2度ありました。
何事もよく考えて組み立てないと失敗しますね。
ちなみにこのマガジンは、スプリングの巻き方まで実物と同じに作られています。
実物マガジンも使用できますが、実物の方がスプリングが強いので装填が重いです。
CAWのこだわり
マガジンだけでなくプランジャーのような小さな部品にまでCAWのリアル志向が見て取れます。
書籍写真のように形状も再現されています。スプリングもひねって飛び出ないようになっているのは良いのですが、ちょっと重すぎてスライドストップを入れるのに苦労します。
MGC GM5 と比較
MGCのGM5を比較のために友人から借りてきました。
MGCは作動のことを重点に考えられていますので、CAWを触った後では各部の造りが ユルユルでびっくりします。
バレルは、そっくりですね。GM5のバレルは割れやすいらしいので、もしもCAWのバレルの 耐久性が勝っているのなら交換してもいいかもしれません。大きさや形状は、ほとんど一緒に見えます。リンクの穴はCAWが小さいためMGCのスライドストップは通せません。
CAWの疑似ショートリコイル用のバネの組み込みは、マルシンタイプです。
スライドの厚みは、MGCの方が0.5mm大きいです。
ガタの大きくなったGM5のスライドは、入れられますし問題なく使えそうです。
カートの比較
左からMGC、CAW、実物ダミーです。みんなほぼ同じ大きさです。
一見して解るようにCAWはリムの厚さが実物同様に薄いです。リアル志向です。
しかしそのため排莢による傷みも激しいです。
MGCのカートとはインナーやプライマー、頭部のネジなど同じで全部互換があります。
ただ前方の穴がCAWの方が大きくなっています。
CAWにMGCカートは使えそうにありますが、若干装填に難がある物もあります。
前方の穴を広げるかフィーディングランプ周りを削る必要があるかもしれません。
このようにMGCカートもCAWのバレルに装填できます。
問題は、チャンバーに入り込むときの動作です。
カート先端の穴が小さいためか、微妙なカーブの違いかで写真のようなジャムが起きます。
両方のカートが使えるようには、ならないと思った方がいいと思います。
マガジン、カートともにGM5の物が使えます。特にマガジンはCAWの物よりMGCの方が リップが変形しにくくて調子良いです。
カートの傷み
50発ほど打ったカートです。一個のカートあたりで言うと7回使用したものです。
かなり、リムが傷んでいます。もうすこし削れたら使用不能になるかもしれません。
下半身だけMGCのカートに変えられますのでそれも一案でしょう。
エキストラクタのつかみをもう少しゆるくすれば、エジェクタに蹴られる力も減らすことが 可能かもしれません。
参考書籍
プランジャのイラストはこのショップマニュアルから取りました。
実物ガバのメカの調整に詳しい本です。
おわりに
みんなが待ち焦がれていたガバ・ブローバックでした。なかなか気に入りました。
もっとカートとマガジンを買わないといけませんね。片手で打つと反動も結構きます。
耐久性は分かりませんが、今のところ喜び部分がほとんどのCAWでした。
前回のブローバックタイプが発売されてから数年の間にCAWの評価も相当に上がりました。
60アーミー、14年式、SAA・2ndや南部式拳銃、ボーチャードなどどれもがマニアを唸らせる 製品でした。これでCAWも完全にマニアック会社としてモデルガン史に足跡を残しました。 リアル志向の会社が作る作動重視のブローバックモデルとはいかな物かとみんな待ち焦がれていたのでしょう。期待に違わぬ製品で満足しました。今後の製品にも期待が持たれます。
ただ、2,3か月ピッチで発売してくれないと買うのに予算が追いつきませんが・・・。
分解図
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