タニオコバの発火マシーン、GM7です。箱出しでも快調に動作する素晴らしいモデルガンです。 本体の出来映えが良いので、カート方式もオープン、CP、イージーCPとデトネータ交換で 色々楽しめます。
今回は、オープンカート発火のデトネータ形状についてレポートします。
購入してからいじったところは、写真のスライドストップが長すぎて、他社製マガジンが 引っかかるのですこし削っただけです。 あとは完全動作ですね。すばらしい出来映えです。
買ってから何もせずにちゃんと動くという、商品として当たり前のことなのですが、それすら感動を 覚えるというのは、自分が昔からのモデルガンを知っている年寄りだと言うことですね。
箱出し発火ビデオ
ビデオを作ったときには、オープンカート初体験でしたのでコメントが間違っています。
デトネータゴムが傷んだ為の失火ですので、洗っても回復しません。
もうこのゴムでは、2度とブローバックしませんでした。
このような状態になっていました。表面に火炎の走った痕が見られます。
もう、このような状態では発火ガスをストップできなくなりブローバックしません。
ゴムの交換が必要です。しかし、30発くらいで交換とは、物足りません。
せめて50発は、撃ちたかったです。お手軽装填のオープンカートで、たくさん撃てる方法は無いのか? もっと他に良い方法はないものか?と、試してみました。
いろいろ試行錯誤・その1
7mmキャップ火薬の撃ちガラをデトネータゴムの代わりに使えないかと思ってやってみました。
結果、使えません。写真上の向きならば強力すぎてGunが壊れそうです。
写真下の向きでは、ブローバックしません。また、撃ちガラのセンターに穴を開けるのが 結構難しいです。
撃ちガラキャップのビデオ
わるあがき・その2
ついでに色々やってみようと、イージーキャップと普通のCPのオーリングでも実験しました。
まぁ、想像したように駄目でした。イージーキャップは何発か行けますが強力すぎるのと キャップの変形具合が激しくって駄目です。オーリングはすぐに切れました。
重大情報ゲット!
何か良い方法は、ないものかとネットをうろついていたところ、 T.K.Red さんのブログに重大情報を発見。同ブログ・モデルガンのところの2013年09月23日の記事に 書いていました。そこには、驚きの情報がありました。なんと昔のGM7は、デトネータ形状が違っていて リブが無いのだと言うことを知りました。リブがあるのと無いのでは、どのように動作に違いがあるのでしょうか? デトネータを削ることは簡単そうなので、まずは頭の中で発火の時にゴムがどうなっているのかを想像してみることにしました。
頭で想像してみる
まず、現状はこのようになっています。てきとうな計測なのですが、CADで絵を描いていますので それなりには正確です。 図面に落としたらデトネータ本体とカートは1mm開いていて、ゴムとカートはおおよそ0.05mmくらい隙間があります。
この部分を拡大してみます。
ゴムは、ほぼカートと接しているようです。計測上では図のごとくほんの少し離れています。
カートも大量生産品なので、なかには完全に接しているものもあるかもしれません。
発火っ!・・グッとこらえる
発火状態を想像してみて下さい。
この狭い空間に膨大な発火エネルギーがすり抜けます。すごい圧力と温度でしょう。
このとき、図のように火炎がゴムを押しのけてすごいスピードで通過していきます。 ゴムは圧力で点線の位置から圧縮された状態を想像で描いています。
ううっ、もうだめだっ!
ゴムの弾性で3マガジンくらいは耐えていましたが、もう我慢ならずにちぎれてしまいました。ゴムの耐久性なのか、デトネータに火薬カスがたまり燃焼圧力が上がったせいなのか判りませんが いずれにしてもゴムの動く範囲がとても狭くて、すこしのゴムしか動けないので火炎の圧力に耐えきれなく なって破断したものです。
旧型デトネータの場合
T.K.Red さんの情報による旧製品のデトネータの場合は、リブが無いために火炎通過時に稼働するゴムの 厚みが厚く十分に柔軟性が確保できるために80発くらいまで耐えられるのでは無いかと想像しました。
改良デトネータの試案
そこで、自分も旧型デトネータのようにリブを削ってみようと思いました。
それだけでは面白くないので、すこしだけ面取りをして、より大きくゴムが動けるように したらもっと効果が上がるのでは無いかと考えました。
図の赤い線が面取りした加工予定線です。緑色がその時の発火変形時のゴムの想像線です。
頭の中では、こんな具合です。
新型デトのリブ付きでは(1)の距離しかゴムが動けないのに対して、リブを削り取ることにより(2)まで ゴムが動けるようになり、さらに面取りをすることによって (3)のように、旧型デトよりもさらにゴムがたくさん動けることになります。 これにより、火炎に対するゴムの負担は軽くなるはずです。すなわち耐久性が上がり、たくさん発火できる はずです。
やったー、これで完璧だっ!と、思いさっそく改良にかかりました。
試行・結果
これが自分で削ったデトネータです。リブは完全に削り落として、ほんのすこし面取りをしているのが
判りますか?あまり、多く面取りをするとゴムが抜け落ちるかもしれないので、1mmないくらいに
止めています。ボール盤にデトネータを挟みダイヤモンドヤスリで簡単に削れます。普通のヤスリでは
削れません。
これで100連射だぁー・・・
と、思って勇んで試写してみたところ、2マガジンで沈没しました。
ゴムが吹き抜けてしまいました。面取り効果もあるでしょうが、これはオリジナルの旧型でも起こったのでしょう。
それで、新型にはストッパーのリブが増設されたのでしょう。
火薬カスがデトネータにこびりついて、おかげで燃焼圧力が上がってきた頃にゴムが耐えきれずに
吹き飛ばされたのでしょう。あわれにちぎれています。期待していたのに残念な結果しか残せませんでした。
自作加工・失敗編ビデオ
改良・再挑戦
じっとデトネータを眺めて、なにか良い方法は無いものかと考えてみました。
ふと浮かんだのが、溝を切ってそこにゴムが嵌まれば吹き抜けは防げるのでは無いか?という考えです。
右の図を見れば簡単に理解できます。発火の圧力でゴムが強烈に押さえられるほど、広がって吹き抜けることは 難しくなります。
この方法は、行けるかもしれないとさっそく旋盤を持っている友人ちに遊びに行きました。 急にお邪魔したのでなかなか合うバイト(刃物)が見当たらず、それなりのもので削りましたが、なんとか 少しだけミゾを作ることに成功しました。あまりにミゾが浅いので効果は無いかもしれないと 不安でしたが、実験してみました。
結果は、大ヒットです。友人の家で何人もで回し撃ちをしましたので、速射による燃焼温度の増加は 無かったのですが、ゴムは80発は持ちました。まだ行けそうですがカートが無くなりました。
実は、どうせ失敗するだろうと思っていたので、それ以上用意していませんでした。
写真の状態が80発ほど撃ったあとです。ゴムの底にはデトのミゾに食い込んだ痕がくっきりと 見て取れます。これでミゾが吹き抜け防止に役立ったことは間違いありません。コンマ数ミリの ミゾですが大きな役目を果たしています。
実験は50発で一度デトネータを掃除しました。他は快調でした。弾があったらまだ行けた気がしますが のちの検証が必要です。 驚いたのは、バラしてみてゴム中心部が溶けてデトネータにくっついていることです。中心部にも かなりの火炎が通っていることが想像できます。ここはまだ何か改良すべき点があると思われます。
また、ひとりで速射すると熱がこもり、もっと早くにダウンするかもしれません。
そのうちビデオを回しながら実験してみたいと思います。
ここでのレポートは、一回きりの実験なので、結果が偶然や品質の当たり外れにもよっているかもしれませんが、理屈的には合っていると思いますので論文撤回を恐れずに公開しました。 発火ベテランの方々の追認レポートが出現してくれば、いいなぁと 思ってのGM7レポートでした。
※感想・・・
成功すると思って勇んだときは失敗し、失敗するだろうと思って臨んだら成功する。世の中ってこんなもんでしょうね?
注!その後・・・
なんてことだ、あの時を検証すべくセットして撃ってみたところぜーんぜん駄目だ。ビデオも撮ったが、とても見せられるような物では無い、うーーん、もっと試さないと 何とも言えません。あの時に、うまく動いたのは単なる偶然だったのか???