コクサイの大昔に造られた金属モデルガンと、チョイ昔のプラ製モデルガンです。 金属製のほうは、インターナショナル・ガンショップ(INT)と名乗っていた頃の 1966年(昭和41年)登場です。プラのほうは、16年後の1982年(昭和57年)で、小型拳銃が数社からラインナップされた時期に登場した物で、モデルガン時代の最後を飾った逸品です。このあと、時代はエアガンへと変わっていきます。
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こうやって並べてみると、昔の金属製の物はトリガーガードが長いことが分かります。 また、トリガーガード周囲の面取りカットの勾配がゆるいですね。写真から判断して 作ったのかもしれません。写真では、勾配具合が判りませんから。 プラのほうもフレームの平らな部分が、すこし実物よりも大きいようです。このプラ製の物は たいへん良く出来ていますが、実物よりすこし大きかったようで、Gun 誌でも実物と詳しく比較した記事は出ませんでした。 Gun 誌は国際出版の名が示すようにコクサイとオーナーが同じですので、自社製品の良いところしか 記事に出来ません。 1994年2月号のGun 誌にTurk 氏がガンのメカニズム84回でプラ製と実物を並べて写真を撮っていますが、 それを見ると厚みがモデルガンのほうがずいぶん厚いのが判ります。
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全長は、ほとんど変わりありません。
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ですが、フレーム先端を基準にすると、旧金属製のほうがスライド前部が長いことが分かります。 写真から図面を起こすと、どうしても端っこのほうにひずみが生じます。 これは、拳銃写真がたいてい広角レンズを使用して接写しているために、中心から離れた部分が長く映るために起きる現象です。 ですから、リボルバー式モデルガンはグリップ部分が実物よりも長いものが多いのはこの現象によると思われます。
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マガジンの大きさは、ずいぶん違います。昔は、実物カートが入れられないように、 おおむね小さく作ることが暗黙のルールだったようなので、そのせいかもしれません。
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サイト部のミゾには、反射防止のチェッカーが入っています。
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Gun 誌でも何回か登場している実銃のコルト25の写真を見ても チェッカーは入っていないようでした。インターネットで探してみても、入ってはいないようです。 ブローニング1910 の実銃は、チェッカー処理が施されています。
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スライド後端の形状もきちんと造られています。右上は実物写真。 時代からいって、金属製のほうの力の入れ具合が見て取れます。
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プラ製のほうには、バレル先端に分解するときに持ちやすいように、滑り止めの 凹みが再現されていますが、金属製のほうにはありません。Gun 誌の記事や分解図には、凹みが ありますので、原型のときにはあったようです。製品化で省略されたのでしょう。 金属製のほうのバレルの肉厚は大変に薄いです。これにミゾを切るなんて、無理でしょう。 この薄さだと、バレルは、非常に壊れやすい部品ではなかったかと思われます。
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実銃のほうの凹ミゾは、すごく深い状態で入っていますね。
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MGC 丸ごとコピーのマルゴー・ブローニングと並べてます(フレームはMGC )。 エキストラクターを止める極小ネジや鉄製組み合わせシアーなど凝った造りです。おそらく採算は悪かったと思われます。 また、小型拳銃そのものが人気のない商品群だったので、46年規制で銃口閉鎖、黄色着色になってからは 生産されなくなったのではないかと思われます。
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16年後に登場のこのプラ製のモデルガンは、本当によく出来ています。
このシリアルナンバーの個体は、Turk 氏の所有するものを参考に造られています。
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護身用拳銃は、ほんとうに「これで助かった」なんて、話は聞いたことがありませんが、 心のよりどころになるので、いまでも各種発売されているようです。写真はハドソン製NAA デリンジャー金属モデルガンと 共に。
このオリジナル製品である初代金属モデルの採算具合が悪かったせいなのかは判りませんが、このあとコクサイは、 他社製品の真似ばかりする会社になっていきます。しかもクウォリティが低いものばかりで、 コクサイは「物まねB級品」会社として往年のモデルガンファンの記憶にとどまっています。 その後、1980年代に入り永田市郎氏の助言を得て開発されたS&W リボルバーシリーズの 完成度の高さから、現在では「リボルバーのコクサイ」と呼ばれています。 ですから年寄り中年にとってのコクサイと、30〜40代の人たちにとってのコクサイとの間には、 ずいぶん違う印象があるのだと思います。 オーナー様、大変に貴重なものを貸していただき有難うございました。 |