タナカ・モデルガン・G17

私は25年ほどGun 趣味をやめていたので、この銃のことは良く知らなかった。
どーしてこんなプラスチックなGun が人気があるのか良く判らなかったので タナカのモデルガンを購入してみた。 いろいろ見ていたら、ものすごい革新的なものだと判ってきた。
はじめから知っていた人たちよりも受けた衝撃は大きいであろう。

さっそく、Web ページを覗いて調べてみた。→http://www.glock.com/
それによると機関銃のリンクベルトやグレネードを作っていたGaston Glock さんが 発明した物だとわかった。1980年台のはじめオーストリアの陸軍用拳銃のトライアルに 参加するために作った物らしい。Glock さんは1929年生まれというから日本で言えば 昭和 4年生まれ、50数歳の時の作品だ。今年で77歳、お元気なのであろうか?


米国エイカー製のホルスターに差し込んでみた。このGun の特徴である 「おしり」が小さい事が良く判る。ジョン・ブローニング氏が生きていたら これを見て「このGun は手動式の単発銃だろう」と言いそうだ。

このおしりの小ささはシアが鉄の削りだし部品ではない事による。
最初に見たときには、どれがシアか判らなかった。


↑シアと一体になったトリガーバーが旨くマガジンをよけて配置されている。

スライドの厚みが少し自信ないが、断面図を描いてみた。
マガジン勾配とグリップの傾きは、このようにずれているようだ。

トリガーバーの下にあるオレンジ色の「コネクター」という部品が「キモ」である。
トリガーバーの動きを下に動かす事によりシアを外す。その一瞬前には、トリガーバー前方が 黄色い撃針ブロックを押し上げ、撃発可能状態を作り出している。なんという精緻な素晴らしい 設計であろう。
おまけに、トリガーを前方に戻した時は、シアは撃針を起こす 「タニオアクションの爪」のような働きまでやってしまう。ストライカー式なのに ダブルアクションみたいな機構だ。

Glock さんは天才だ。どのくらい試作期間があったものか知らないが、これほどまで 革命的なものは一朝一夕で出来る物ではない。
コンピュータで言えばマザーとCPU、メモリ、ビデオカードを同時に入れ替えると 大変な目にあうことは判っている。バイクでキャブを交換したついでにプラグも変えよう なんてやっていると、どこが悪いのか判らなくなってしまう。
なんでも新しい事をする時にはひとつずつ行わないと大変な事になる。 しかし、このGun は、ポリマーフレーム、ダブルカラム・マガジン、撃発方式など 全体が革新的ながら非常にまとまっている。きっと10年以上試作を続けたのではないだろうか? 従来からある方式を踏襲しているのは、銃身落ち込み式のブローニング・ハイパワーのような ショートリコイル方式だけだ。

[※注釈]
ENDO さんよりのGun 誌情報によると「開発期間は2年、設計案がまとまって 試作1号が完成するまでに2ヶ月」と言う事らしい、信じられない速さです。


従来の「鉄のかたまり」のGun のイメージを覆すおしりの小さな革命児。


タナカのG17 は、すごく良く出来たモデルガンだと思う。 そのうちガスガンも購入したいと思いだした。トリガーの戻しによって ストロークが変わることを実感したいのである。
たくさんの会社がグロックを発売しているので、いろいろと調べてみようと思う。

どうして人気があるのかわからなかった物なのに、 今では私の中でその存在が大きく膨らみつつある。


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