![写真00](./pic_00.png)
貴重な、いただき写真で記事を書いています。匿名様ありがとうございます。
いやぁ、びっくりしました。こんなモデルは、初めて見ました。書籍やチラシにも一切登場しません。
(下記に訂正)。
MGC ハブリー改造・コマンダーの仲間でS&W 44オートです。おそらくは、試作品か販売したにしても
かなり少なかったと思います。
44オートというとMGC ブローバックの完成型として名作モデルガンが存在していますが、はるか昔にもSW 44オートを 作っていたんですね。
2023年追記
![写真00](./nakata64_s.jpg)
外 観
![写真01](./pic_01.jpg)
右側です。この当時(今もそうですが)S&W 44オートは、世界的にも珍しくって、実銃は数丁しか存在しないそうで S&W のカタログに載っているだけの存在でした。と、いうことはこんなレアな機種をMGC の小林さんは、知っていたということですね。 相当に知識があったんですね、資料の少ない昔にどこから情報を集めていたのでしょうか。
![写真02](./pic_02.jpg)
マガジンは黒染めです。
![写真03](./pic_03.jpg)
スライドには9mmと書いていますが、マガジンには38ACPの文字があります。
![写真04](./pic_04.jpg)
特徴的なメインハウジングです。S&Wのオートマチックは、ここのカーブが女性っぽいのですが このモデルも再現しようとした感じを受けます。
![写真05](./pic_05.jpg)
銃口はレストアパーツです。ちゃんと閉鎖されています。昔のオリジナルは、プラスチックで銃口も空いていたと思います。 下の方のチラシにありますが、弾が発射できるように改造されたことにより、改造防止策としてバレルは合金製になったようです。
![写真13](./pic_13.jpg)
ブリーチとエキストラクタです。この位置なので、真上に排莢するようです。エジェクタは無く、下の弾に押し上げられるのでしょう。
バレル
![写真06](./pic_06.jpg)
レストア前のバレルの状態です、というよりチャンバーです。この当時からインサートが入っているんですね。 下の方の記事のチラシ類では後期のバレルは合金製だと書かれていますが、この個体は写真のようにチャンバーより先の部分が無くなっているので、おそらく プラスチック製が着いていたのではないかと推測しています。
メダリオン
![写真12](./pic_12.jpg)
素晴らしい出来栄えのメダリオンです。MGC コルトスペシャルでも馬のメダリオンの出来栄えが素晴らしかったのですが、このS&W も なかなか良い出来です。
メカニズム
![写真07](./pic_07.jpg)
![写真09](./pic_09.jpg)
右は、ハブリーのオリジナル。
![写真08](./pic_08.jpg)
トリガーからトリガーバー、シアが一つの鉄板で構成されています。少ない部品で構成されていてユニークです。
コマンダー広告
![写真10](./pic_10.jpg)
1962年10月号(昭和37年)のガンファンの表紙裏広告です。最初は下に着いていたマガジンキャッチが改良されボタン式のライブになっています。
![写真11](./pic_11.jpg)
当時のMGC発行のチラシです。
MGCコマンダーの歴史
歴史って言っても6か月ほどです。昭和37年7月に誕生して、11月には新聞でたたかれ、12月には発禁を食らったようです。 以下にMGC発行のチラシ類を挙げています。この短い時間の中で、SW44オートは、誕生していたのでしょう。このページの写真を提供してくれた匿名様は、このモデルの生みの親である小林さんにお話を聞いたことがあるそうですが、ほんの少数作られたと 言っていたそうです。
コマンダー誕生
昭和37年7月10日
![記事写真00](./pic_kiji_00.jpg)
コマンダー誕生のチラシです。これを見ると海外製の製品が多く発禁になったのですね。弾が出るタイプなどでしょうね。
コマンダー発禁
昭和37年11月の記事
![]() (1) |
![]() (2) |
![]() (3) |
![]() (4) |
コマンダー発禁
昭和37年12月の記事
![記事写真05](./pic_kiji_05.jpg)
今度は、毎日新聞で取り上げられたと書いています。
その後のMGCのあゆみ
![写真23](./pic_23.jpg)
MGC機関紙ビジェールから取ったものだと思いますが、コマンダーが発禁となりVP2 の金型を改良して作ったVPターゲットは、自主的に発売禁止に 追い込まれ、当局からの圧力もかなりあったようです。なんたって当時は日本のモデルガンをほぼすべてMGCが作っていたので プレッシャーも相当なものだったことでしょう。
ブローニングの乱への道
![写真22](./pic_22.jpg)
1964年(昭和39年)のチラシですが、後半に当局やほかの機関からモデルガンへの風当たりが相当にきついことが書かれています。 ですから善良な会員のみへしか販売したくないというMGCの思いが見て取れます。2度も発売禁止処分を経験しているからのことでしょう。
このあと、1965年に売り出すブローニング380の販売に際し住民票登録の件が発案され、MGCは、他の会社とは決別し 別の道を歩んでいくことになります。
御 礼
![写真14](./pic_14.jpg)
写真は、左からハブリーオリジナル、MGC コマンダー、MGC SW44オート です。
匿名様、珍しい物を紹介いただき有難うございました。
また、チラシ類は別の匿名様から頂いた資料です。快く使わせていただき有難うございました。
−−−−−−−−−−−−−−*−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
多くの方のおかげで歴史のひとかけらでも記録に残せたら、いえ人の記憶にすこしでも当時の空気が刻み込めたら
いいなと思い、記事を書かせていただきました。
匿名様方、貴重な資料をいただき有難うございました。
おわりに
![写真21](./pic_21.jpg)
最後にブローバック製品のSW44オートと合成写真です。
これで新旧SW44オートですか?もっとも両方ともすでに化石状態、博物館行きですが。