.30 Mauser (7.63mm Mauser)

自動拳銃の開発競争時代に Feederle 兄弟の開発によるFeederle Pistol は、パウル・モーゼル氏により軍採用を目指し「モーゼル・ミリタリー・ピストル」と改名され1896年、世に出た。ドイツ軍に正式に採用はされなかったが ロシア、中国など多くの国に採用され、民間市場にも受け入れられ息の長い名銃となった。 まるでライフルの機関部にグリップを取り付けたような構造でそのグリップ形状からbroomhandle と呼ばれる。

.30モーゼル弾は、この銃のオリジナル口径である。のちに9mmルガー弾がドイツ軍に採用されたため 9mm口径も作られ、それ用は間違わないようにグリップに9と赤色で掘り込みがあった。

写真にあるようにクリップで10発を装填する。外部マガジンではなく、ライフルのように内蔵マガジン式。 後年の軍用フルオートタイプには、マガジン式も存在した。


トカレフ弾、モーゼル弾と交互に並べているが、もともとトカレフ弾は30モーゼルを 真似たもので互換性がある。もっとも、モーゼル弾自体はボーチャード弾を模したものでケースサイズはそのままに 装薬量を増やしたものである。357マグナム弾が出現するまで拳銃弾の中では最も高速な弾として有名だった。 85グレイン弾頭で1400フィート/秒。

トカレフ弾のほうが、ほんの少し短いらしいが見た感じまったく判らない。
この銃の開発にあたり、すでに存在する弾薬を口径に選んだのは、賢い選択であろう。
ベルグマンのように銃、弾の両方を新規に開発するよりも完成が早かったであろう。


左から
  • aym はチェコスロバキア製1953年もの、トカレフ弾。
  • スター印は米国Starline 社製、モーゼル弾。
  • ♂印もチェコスロバキア製1952年もの、トカレフ弾。
  • 米国ミッドウェイ社製、モーゼル弾。
  • WCCは米国 Olin Mathieson Corporation製。
米国ミッドウェイ社の物は、7.63 MAUSER と刻印があるが米国では、.30MAUSER の呼び方が一般的だろう。 ミッドウェイ社は現在では自社で薬莢は作っていないようで、これは貴重品かもしれない。 25年以上前にアメ横かどこかで購入したものです。
星のマークは、starline 社製だが同社は薬莢製造のみなので、cor-bon 社の実包として売られているかもしれない。

こちらは、中国製の薬莢で出来たジェット機の置物。おみやげ品だ。
AK47 用の弾とトカレフ弾を溶接して出来ている。

ケースも弾頭も鉄製で磁石によくくっつく。銅メッキがしてあるのだろう。

共産圏やヨーロッパは、ベルダン型プライマーが多い。
おそらく11 が中国軍のファクトリー製を示し、99や01は西暦の製造年を表すと思う。


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