写真07

序章

写真00 コルト・ガバメントとは正確にはコマーシャル版のことを指します。軍用は1911もしくは1911A1 となります。 1911年から軍用正式採用されたころはコマーシャル版も軍用も木製グリップでしたが、A1 以降は軍用はフルチェッカーの プラ製グリップとなりました。コマーシャル版は1920年ごろまではダイヤチェッカー模様の木製でしたが、1942年ごろにかけては フルチェッカーの木製となった模様です(書籍調べ)。

戦中は、ほぼ軍用モデルが生産されたもようです。コマーシャル・ミリタリーも1946年まではフルチェッカーのプラ製の物が 使用されたようです。戦争が終わって1947年から馬のマークの付いたプラ製グリップがコマーシャル版に登場します。 コルトではプラスチックとは呼ばずにコルト・ウッド ColtWood と呼んでいました (検索ではスペースなしの方が良い)。 そのプラ製グリップを収集されているSchutze600 さんからの情報で当ページを記述しています。 記事にさせていただき有難うございます。


第一期・1940年代

写真1st 写真01 1stは、恐らく40年代末期に製造されたものかと思いますが、外観は、ダークブラウンの マーブル模様で、グリップスクリュー周りのリングが細いタイプです。 裏は、ミリタリー同様に補強リブつきになっています。これは、ごく初期のコマーシャル モデルにつけられたもので、コレクターサイトによれば、単体での入手はほぼ不可能とのこと。



第二期・1950年代

写真2nd 写真02 2ndは、1950年代前半〜中期に生産されたもので、外観は1stと同じですが、ブラウン単色が追加 されました。裏は、補強リブ付からホロータイプになっています。このタイプまでは縮みはありません。 MGCがGM1でコピーしたのはこのタイプです。

第三期・1960年代

写真3rd 写真03 3rdは、1950年代中期から60年代を通して生産されたもので、色は2ndと同じですが、グリップ スクリュー周りの補強リングが太く変更されています。裏はホロータイプ。 このタイプから材質が変更されたようで、縮んだりゆがんだりしているのは全てこのタイプです。 ウッズマン等も時を同じくして同様に材質変更されていたようです。

ただし、この頃のグリップがすべて縮みが激しいわけでもなさそうで、気温の変化や使用頻度によって バラツキがあるようです。


写真03 こちら上の割れたグリップの物と同じころのシリアルですが、シッカリと形は残っているようです。

ただし外したりしたら再びは装着できなくなるかもしれません。

この個体はハンマーが変えられているかもしれません。


第四期・1990年代?

写真4th 写真04 シリーズ70には、メダリオン入りの木製グリップが採用されたので、70年代から、樹脂グリップは 一時的に製造が中止されましたが、シリーズ80の発売後プラ製にメダリオン入りのグリップが登場し ていました。

1992年、1991A1 というモデルの登場で、その廉価版に昔と同じデザインのプラグリ装着が再開されました。 色はブラック、グリップスクリュー周りの補強リングは太いタイプで、裏はミリタリー同様の補強リブ付 になっています。材質は、昔とは異なるナイロン系樹脂なので縮み等は一切ありません。


第五期・1990年代??

写真4th 第四期と同じ時期なのかもしれません。1991のステンレス・モデルによく見かけます。 樹脂グリップ両サイドのマージン部分が無く、グリップスクリュー周りの補強リングは細いタイプです。 馬のマークの下に地球があります。
写真05 写真06


写真18 こちらのオークションに鮮明な馬の写真がありましたので紹介しておきます。


MGC プラグリップ

写真08 ここのところは、わたくしmaimai が記述しています。 MGC は1966年に金属ガバメントを発売しましたが、数か月前に出たCMC がミリタリーの外観だったのを受けてか、コマーシャルタイプのグリップを装備していました。写真の左下になります。その後は、このグリップは無くなってしまいましたが、GM-12 の時に 再び登場したようです。真ん中と上ですが、どちらも中古入手なのでどのようなモデルに付いていたのか定かではありません。

考証的には、一番上のプレ70モデルに塗装されたグリップの組み合わせが一番合致しています(ハンマー横磨いていないが)。 真ん中は、ミリタリー・スライドにストレートハウジング&長いトリガーやコマーシャル・セフティが付いていて 何かのカスタムかもしれませんが頂いた友人は、すでに天国行っちゃったのでよく分からないモデルです。

Schutze600 さんからご意見いただきましたが、GM-12 のこのグリップは MGC の M1991A1 モデル用 ではないでしょうか?ということでした。調べたら確かに発売されていますね、それ用だったようです。


写真11 写真12 左がGM-1 で右がGM-12 に付いていたものです。左写真の右グリップは馬が左を向いていますが、実際はGM-12 のように 前を向いているのが正解です。
写真09 GM-1 のグリップは割れやすい材質のようです。GM-12 の方は、ヘビーウエイト素材ですこし重たいです。

互換性

写真10 GM-1 のプラスチック・グリップは、なかなか入手できないでしょうが、GM-12 用を装着することは可能です。写真のように GM-12 グリップも大きさは何とか乗りますが、下のネジ穴は全然合いませんのでフレームに穴彫ってネジ切りする必要があります。 それが嫌ならテープで貼っても良いでしょう。でもまぁ、そこまでしてプラグリを望む人もいないと思いますが・・・。

感 謝

写真13 Schutze600 さんからの情報で当ページを書かせていただきました。 貴重な情報、珍しい写真、詳しい解説をいただき有難うございました。

今後もいろいろ教えてください。


追 記

2024.6 
写真15 オークションにて実物と思われるコルト・グリップを購入しました。本当に本物なのかは、これ一つしか持っていないので よく分かりませんが、本物なのだと信じましょう。
材質はゴム製で柔らかく射撃には向いていそうです。
写真16 写真17 MGC のヘビーウエイト製と比較しています。MGC の方は固い材質なのでお馬さんもカッチリ彫られています。 実物の方はゴム製なので輪郭などがぼやけ気味です。

それにしても実物グリップのブッシュの穴の大きさがすごいです。MGC のブッシングでは、ガバガバです。 本当にこんなに大きいのでしょうか?だれか大きく開けなおしましたか?やや疑問ですね。


写真19 ラバーグリップで検索していても今回購入したものと同じデザインの物は、出てきませんね。出てくるのは 地球マークのある物ばかりです。しかもこの写真のようにゴム製ながらメチャクチャエッジが立っています。 うーん、状況からすると今回購入ものはフェイク臭い気がします・・・。ザンネン??