写真x0

私には夢がある

「I Have a Dream」マーチン・ルーサー・キング牧師が人種差別の廃絶を叫んだ有名な演説の一説ですが、 私にもちっぽけな夢がありました。それは、中学生のころに興味を持ったモデルガンに対してです。

もちろん大人になったら六研の真鍮モデルを買うんだと、強く思っていましたが、それは法律の関係と収入の関係で 実現できない夢になりました。そこで、もっと実現できそうな夢に鞍替えすることにしました。

その第一弾がこの写真を撮ることでした。中田商店のカタログに使用された長物集合写真でした。 昨年、古い地図を入手しこの夢は無事に達成しました。

写真00 写真06


夢の第2弾

次が、あきれるほど見返していた関西にあった上六ガンホビーさんのカタログ写真なのです。 最近38騎兵銃を入手し、ついにこの写真を撮れて満足感に浸っていたのですが・・・!

写真11 写真10



崩れる夢

夢の第3弾は、じつは最も早くに実現していたのです。
それは、この本の写真のようにパイソンの実物グリップを撮ることでした。

写真02


そうして実現した夢写真がこちらでした。2008年頃のことです。

写真01


ところが最近、友人に言われて気が付きました。
そう、マニアックな、あなたならすぐにも判るでしょう。
そうなんです、ぜっ全部パイソン用ではないのです。

えー、なぜだーーっ!?


なぜならメダリオンが全部・銀色なのです。な・な・なんということだ、大金をつぎ込んだのに・・・。 誰か助けてくれー、うぅ、夢が崩れた瞬間でした。
ちなみに上のムック本でも上二つは銀色のメダリオンです。アメリカでもけっこう間違っていて 銀色でもパイソン用として売られています。まあ、知っていても黙っているのかもしれませんが。

コルトカタログに
 動かぬ証拠が

写真00

カタログ1 1955年にコルト社から最高品質で販売されたパイソンには、フルチェッカーグリップがついていました。当初は 6インチのみの販売のようですね。このグリップは、握った感じが凄く良いです。実際に射撃に使用する際は、パイソンのグリップは撃ち難いそうです。

カタログ写真は、右の1956年のコルト社のものです。


以下は、このカタログからスキャンした物ですが、パイソンだけにゴールドメダリオンとはっきり、強調されて記載されています。 トルーパーや357モデルと格付けで差を表したのでしょう。銃の右下の文字列の下から2行めのストックスというところをご覧ください。

このころは、まだトルーパーはマグナムが撃てない銃でした。このあと、スリーフィフティセブン・モデルはトルーパー357と呼ばれるように変わります。

ネット収集写真

ネットで取ってきた実銃写真です。モデル357 に銀色メダリオンが付いています。 写真colt01


また、こちらはトルーパー357と呼ばれるようになったモデルで、グリップのチェッカーはセカンドタイプになっています。 写真colt02

こののちトルーパーは、マーク3シリーズとなりパイソンとのグリップ互換は、なくなりますのでパイソン・サードタイプの グリップはパイソン用にしか存在しません。ファーストとセカンドのみがゴールドメダリオンとシルバーメダリオンの存在があります。


こちらは、実銃のオークションサイトから取ってきた初期物のパイソンで、シリアル番号は105 番です。 もちろんゴールドメダリオンです。
相当初期の製品で一体いくらで落札されたのでしょうか?興味津々です。 写真シリアル105番


ファースト・タイプ

ぐちっていても仕方がないので知らない人のためにも改めてグリップを紹介します。 まずは、フルチェッカーの入ったファースト・タイプです。

写真03

これは、kingdam9-9 さん製作のカスタムモデルガンで1953年に発売された コルト357を再現しています。 フルチェッカー・グリップは前前オーナーにより前面が削られていますが、チェッカーはなかなか良い感じです。このグリップは、塗装されていません。 私の手にしたコルトのグリップには、ニスを塗った物と無塗装の物が存在しますが、おおむねオールド・フルチェッカーは無塗装のようです。

このカスタムモデルガンは、金属モデルガンのコクサイ・パイソンの バレル部分を削って作られています。
どれだけ削ったのか・・気が遠くなりますね。


セカンド・タイプ

写真04

セカンド・タイプのチェッカーリングのグリップは、1960年代の登場でしょうか?写真のセカンド・タイプのグリップは、右が塗装された物で左は無塗装です。 MGC の金属パイソンのプラグリップはセカンド・タイプをよくコピーしています。 また、通常セカンドタイプの親指の指掛かりの切削は左側グリップにしか見られませんが、後期になると右側にもみられるようになり、サードタイプとなってからは 左右ともに指掛かりの切削が行われていたようです。


サード・タイプ

写真05

カタログ2 カタログは1974年の物ですが、グリップはすでによく見るタイプに変わっています。 日本のモデルガンは、ほとんどこのタイプをコピーしています。


フォース? 最新型

写真06

カタログ3 パイソンは、しばらく製造中止になっていたのですが、2001年にステンレス製で再販されています。

それは「エリート」と呼ばれ写真のような合板製のグリップが装着されています。

カタログは、2004年コルト社の物です。


マークVとの違い

写真07

オールドトルーパーやパイソンは、古いメカニズムでクラシックカーのような物ですが、1969年にコルト社に新機構のマークVシリーズが新たに登場しました。 グリップは、以前のパイソンに似たデザインの物が装着されています。 銃の外観もオールドタイプに良く似ていますが、サイドプレート割付けが違うように中身はぜんぜん別物になっています。


写真08

パイソンのチェッカー部分は、1段盛り上がっていますが、マークV系は盛り上がっていません。こんな見分けやすいのに、たまにマークVグリップをパイソン用だと売っている人も見かけます(米国オークションで)。


メダリオンの違い

ついでなので各メダリオンの違いなど

写真16 これはオールチェッカーの古いタイプです。ムーミンみたいなお馬さんです。

上の方の実銃で紹介したシリアル105番のメダリオンとは、ずいぶん違います。円の中で馬の占める割合が相当に大きいです。 尻尾が円に接しています。コルトの文字も極太なので、かなり古いデザインなのでしょうね。


写真17 これは2.5in 用のグリップの物です。年代は分かりません。
写真18 これはトルーパーやローマンのマーク3用です。
写真19 こちらは、パイソン・サードタイプですね。

コクサイモデルガンへ
実物グリップの装着

写真09

コクサイ金属パイソン2型の旧仕上げ品には、そのまま実物グリップが装着できますが、 国際パイソン病の対策パーツが組み込まれた24金仕上げの物は、ピンが出っ張っているのでそのままでは、装着できません。 ピンを切り落とすか、ほかの物を流用します。右に写っている物がオリジナルのピンです。

また、青矢印のリバウンドレバーは、対策済みのものは、幅が少し広いのでグリップに干渉します。そのまま着けられないことはありませんが、すこし削るといいと思います。


オマケ・モデルガンの
バラしかた

写真10

ついでにコクサイ・パイソンのバラし方を・・。絶対に必需品が先端の細くなったラジオペンチです。これさえあれば、なんなくバラせます。


おわりに

写真11

このページに登場したグリップたちは、半分ほど国内で購入、他は海外から購入した物です。 木製グリップは、手続きすれば個人でも輸入可能ですが、相当に面倒くさいです。人が輸入した物を買う方が楽ちんです。

この記事を読んであなたがパイソンをカスタムして、本体を購入したときの5倍以上お金がかかったとしてもけっして私のせいにはしてはいけません。


感 謝

写真x 2019年2月、友人からの助言で2008年ごろに書いたコルトパイソン・グリップのページを書き直しました。 当時は、燃えていたのに今探すとパイソン実物グリップは、この2個だけになっていました。もっとも両方銀色メダリオンですが・・。

いろいろご意見いただけるのは、うれしいですね、参考になりますしやる気も出てきます。友人に感謝しています。
最近は、年のせいなのか(60歳)やる気のエネルギーがなかなか湧いてきません。 またやる気が出てくるように、なんでも結構ですのでご意見お待ちしています。