14年式ホルスターを11種類に分類した洋書によれば、裏の金具が四角、真鍮で
予備の撃針入れがあるものをタイプ3と呼ぶ。日本でもアメリカでもオークションで、
もっとも多く見られる前期型ホルスターである。 |
その1・黒い拳銃嚢
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私のページの「海外買物」に登場した黒いホルスター。 洋書によれば、当初の14年式ホルスターには黒色もあったようなので 勇んで購入した。 エッジがすごく立っている良品である。残念ながらストラップが切り取られている。
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コーナーの破れているところを見れば判るが、黒色は兵士が塗った物である。
南部式ホルスターは、実際に使用すれば確実に右上のコーナーに傷みが生ずる。
よってこの黒色はコレクターが後から塗った物ではない事がわかる。
どういう趣旨で黒色にしたのかは判らない。
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フタの裏には刻印があるものが多いが、このホルスターは紙が貼られた跡があり
刻印は見えない。紙を剥がせば出現するかもしれないが、革が傷むのもいやなので
そのままにしている。
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この黒色ホルスターの特色は、ロックプレートが2本のミゾ入りである点だ。
写真にあるようにプレートは溝無しの物が多い。
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裏側にも2本のミゾが刻んである。
14年式ホルスターにはロックプレートが1本溝のものもある。
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ちなみにこちらは26年式ホルスターであるが、1本ミゾである。
また、ロックプレート裏側の細工は緻密でリベット跡がまったく判らない。
凝った仕上げだ。何ごとにもこだわる職人気質が感じられる。
合理主義からいえばこんな所に注ぎ込むエネルギーは無駄なもので、もっと他のところに
注ぎ込むべきであるが、旧日本軍の装備には、こういう変なこだわりがある。
もっともそのおかげでコレクターには楽しみが増えている。
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その2
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日本のオークションで入手した「タイプ3」。 この固体のフタ表面の革には何かオイルステインのようなものを塗った形跡がある。 また革表面は濡れた皮のような状態である。通常、旧軍の革製品は経年変化により テッカテカ状態なのだがこの固体は違う。どのような保存状態だったらこんな風になるのであろうか。
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内側の保存状態は大変良好だ。
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フタの内側には昭和14年製造(1939年)を示す刻印が見られる。ほかに「網」と「京」もしくは「東」
らしき刻印がある。製造所を示すと思われるが、どこを指すのかよくは知らない。
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中田製レプリカ
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中田商店のレプリカと比べてみた。中田製は大変よく出来たレプリカだ。
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弾薬入れに使用されている革が少し厚すぎなのを除けばそっくりに製作されている。 当時、南部弾15発入りが紙箱で供給されたようだが、少しこのポケットよりも 大きかったのではなかろうか?弾薬入れポケットが使用された形跡は、私の持っている ホルスターにはいずれも見られない。
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特徴的なクラムシェル。中田製のほうが丸みを帯びている。
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裏側も、うりふたつに作られている。が、しかし中田製のものは負い革部分がセンターよりも
向かって左側の方にずれている。これだけ忠実に再現している中田製なのに
どうしてこんな位置に取り付けたのであろうか? Web で見かける他の中田製14年式も皆オフセットされている。 考えられる事は
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