この日、私は何だか冴えない気分で沈んでいた。夜中にYahoo オークションを取りとめもなく眺めていた。
探し物があるわけでなく沈んだ気分をもてあましていた。 すると、 「ホルスター☆第一次世界大戦時の物?☆革製☆本物保障!!」 の物件がふと目にとまった。「これは26年式ホルスターだ。しかし黒い物なんてあったのかなぁ?」と、思い 洋書で調べてみた。あっ!!と驚いた。それによると「ごく初期の物は黒色で大変珍しい」と書いてある。 「quite rare」である。られ・・いやレア、しかも「クワイト レア」である。 もう私の気分は最高潮に達した。
値段を見ると3万ちょうどで出品、落札希望価格も3万である。
これは誰か一人が3万を入札するとそこでオークションは終了するという一発定価である。
30分間悩んだ末、意を決して落札した。
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![]() フロントサイトのふくらみをホルスターに型押ししてあるのは 世界広しと言えども、日本軍のものだけである。南部14年式ホルスターが顕著である。 外国製レプリカは、このふくらみをコピーしていない物もある。 中田商店の物は、しっかりコピーできている。
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![]() クリーニングロッド(さく杖)入れが付いている物は日本の26年式の証である。 ちなみに、クリーニングロッドはものすごくレアらしい。
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![]() このままでゴミ箱のそばに置いていたら間違いなく捨てられてしまうであろう。 これに何万もかけていることは秘密だ。
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![]() シリンダーの痕跡がまったくない。おそらく銃が入れられた事は無いのであろう。 クモの巣やゴミがいっぱい。 よく見ると木だと思い込んでいた内部スペーサーは厚い皮を3枚張り合わせたものだ。
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![]() なお、写真にあるランヤード(ひも)が紺色なのは初期の頃のもので大変に珍しい物である。 調べてみたら大正11年(1922年)9月25日に陸軍技術本部長より陸軍大臣にあてた申請が出ている。それによると 他の装備と色を合わせるため「紺色」から「茶褐色」に変えるべきだと書いてある。
アジア歴史資料センター
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いかがでしょうか?鑑定やいかに? 私は本物と思いますが刻印がまったくないのが少し不安材料です。 最初は靴墨でもぬって痛んだところを修復しようかとも思いましたが、もし本物であれば この子は、やがてしかるべき持ち主のところへ巣立つべきなので、それまでは保革油のみで 手入れをしておく事にします。 この子の留め金下の部分の縫い糸が解かれているのは、おそらく子供のいたずらだろうと思います。 押入れの隅などで子供のオモチャになっていたのだと想像されます。 このホルスターは、明治、大正、昭和、平成と激動の時代を押入れの隅でひっそりと 生き抜いてきたのではないでしょうか? 江戸時代を知る人たちがいた時代。私の祖母は新婚だったかもしれない。 どんなわけで銃が入れられたことが無いのだろうか? しばし思いを100年前にめぐらせて見た。 もし、貴重なものなれば、巣立つ日が来るまで私の手元でしばらく楽しませていただきます。
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追 記
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![]() 何十年ぶり、ひょっとすると100年ぶりに手入れをされたのかもしれない。
ボディとフタの革質が違う。ボディは退色してこげ茶のようになりつつある。
フタは上質の革で光り輝いている。
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参考ページ
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26年式拳銃が参考にしたと思われるフランス・リボルバー1873↓(フランス語?)
http://armesfrancaises.free.fr/revolver%20Mle%201873.html
26年式そっくりのフランス・ホルスター・レプリカ↓(英語) (この会社で売っている14年式のレプリカはフロントサイトのふくらみが無い)
http://www.ima-usa.com/product_info.php/products_id/629
普通の26年式ホルスター↓(英語)
http://members.shaw.ca/tju/t26accessories.htm
フランスと日本26年式ホルスターの比較考察↓(日本語) http://www.xn--u9j370humdba539qcybpym.jp/gunyojyu/hakken/10/index.htm
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