写真0000 左側の46年規制の直前だと思われるチラシは、子供のころから持っていましたので知っていましたが、右側の物は 近年オークションで知りました。46年規制から52年規制に至るまでの6年間のどこかで作られたものでしょう。 モデルガンはモノクロ印刷であまり力が入っていないように見えますが、規制に対する反感からでしょう。 ガンの写真が法規制後の黄色ではなく、以前の黒色のままですから、モノクロ印刷しかできません。

右側のカタログは、昭和51年の冬に登場するS&W M29 などが掲載されていません。昭和51年夏に発売のガバメント3型 までは掲載されていますので 1976年夏ごろに作成されたものかもしれません。写真のガバメントには業界自主規制マークのsm 記号が見られます。 sm 自主規制は1975年からですのでそれ以降のカタログでしょう。

では左のカタログから見ていきましょう。


1971年ごろ?のカタログ

写真00 写真01

CMC のP38 は、銃口閉じ黄色規制の昭和46年(1971年)規制の直前に発売になりました。 それはブタ鼻と呼ばれる2個の穴が銃口に空いたものでした。紙箱の中身の発泡スチロールは赤の毛氈が巻いた 物でした。46年規制後にメッキで発売されたものの箱は、単なる発泡スチロールに代わっていました。


写真04 写真07 写真05 写真06

SAA は、2代目のいわゆる68型というタイプでハンマースパーが後方に伸びた感じのものです。このころは貫通シリンダーだったと思います。むかしはカタログのようにキャバルリー、フロンティア、シビリアンという呼び方でしたが、現在ではフロンティアは SAA の民間バージョンの呼び名へ変更されていて、5.5インチ銃身はアーティラリーと呼ばれています。CMC グリップにはイーグル無しの馬のマークが見られます。ヘラジカではありません。 シビリアンは、ちゃんとシックスシューター刻印で44口径になっています。民間は44−40口径が本当でした。
右のレミントンアーミーは、次のカタログと違いちゃんとニップルタイプのシリンダーです。

P-38 はスライドのど真ん中に自主規制の王冠マークが刻まれています。製品もまったくこのままでしたが、46年の金色規制後は 王冠マーク自体が無くなりました。ガバメントは2型と言われるハンマーが尖ったタイプです。エルマルガーには 0001と0002のシリアルナンバーが見られます。鉄製の原型でしょうか?


写真14 CMCベレッタは、登場直後はランヤードリングはありませんでしたが、のちに設置されるようになりました。 カタログにもランヤードリング有りが掲載されています。

1976年ごろ?のカタログ

写真02 写真03

写真23 前のカタログとは、表と裏が逆転しています。これは黄色規制がかかっている時代なのに、反発してモデルガンは黒いままの写真を掲載しているので、印刷がモノクロになっているためです。 CMCさんは、けっこう規制には反感を抱いていたようで、Gun誌の広告写真も、ずうっと黒色のまま掲載していました。

反骨心有り有りです。
右は規制 4年後の広告。


写真08 写真09

写真10 左写真のレミントンのアーミーの方は、むかしに登場したカート式シリンダーの写真が使われています。

SAA は前回と同じく68型なのですが、おそらく規制のため貫通シリンダーではなくなっていると思われます。 グリップもイーグルマーク入りのヘラジカ・タイプに変わっています。


写真11 写真18

P-38 からは王冠マークが無くなっています。のちにsm マークが刻印されることになります。 右写真は、規制後に通販で購入したゲシュタポですが、私が注文した時には王冠マークが入っていましたが、その後弟が 頼んだ時には、すでにマークは消されていました。当時は、くやしくてずいぶん羨ましがったものですが、先に弟の方が あの世に行ったので許してあげましょう。


写真12 写真19 エルマルガーは、やはり原型と思われますが前回の写真ではなく シリアルナンバーがクッキリツ写った写真に変わっています。右写真は参考にsmG期のエルマルガーですが、シリアルナンバーの刻印はありません。
写真13 写真24 ガバメントは3型に変更されています。sm マークがしっかりと入っています。

チーフの1型が新登場です。 このチーフは、マルシンのチーフのコピー品です。


1975年ごろ?のカタログ

写真16 こちらは、ほとんど上記の76年と思われるカタログと内容は同じなのですが、ガバメントが2型のままです。 したがって発行されたのは、1975年くらいでしょうか? カタログの表紙に白色の縁取り模様があります。

2型のガバメントは、セフティとハンマーが尖りまくっていますので、気を付ければすぐに区別がつきます。 写真の上側が75年ごろ?のカタログです。


大きさ

写真17 規制後のカタログの方は、A−1(エーワン)の大きさでしょうか?A-4 が8個入ります。かなりでっかいものです。 黒色時代の方はB版のようです。これも時代の流れですね。むかしはB版が標準でした。 B−5ばかりで書類を作っていたころ世界標準でA−4にしなさいと言われたときに、「なんてでっかい用紙だっ」 と驚いたことを思い出しました。いまB−5 を見ると「なんて、小さい紙だ」と思っちゃいます。 慣れとは恐ろしいものです。
写真20 写真21

おわりに

写真22 むかしのYMC (ヤングメンズコレクション)の広告みたいに並べてみました。 まだいくつかあるのですが、どこにしまったのか分からないので今日はこれくらいです。

もっていない人たちから見れば、なんてすごいコレクションだと思われるかもしれませんが、長くこの趣味を やっている人は皆さんこれくらいは持っておられます。また、52年規制後にこの趣味に入られた人は、金属オートが 買えなくって悔しい思いをしている人もいるでしょう。でも安心してください。あなたたち若い人は、我々がどれだけお金を積んでも買えることが出来ない「若さ」という珠玉の財産を持っていますから。じじいたちはみな悔しがっているんですよ。