MGC 71年度 カタログ

写真04

itijojo さんからMGC の1971年版カタログをお借りしましたので、紹介したいと思います。
貴重なものを貸していただき有難うございました。


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なんともアートな表紙です。MGC は、もともとデザインに凝っている方でしたが、 この71年版は最高ですね。


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71年といえば、大阪万博の翌年で日本経済は伸び盛りの頃です。
経済上昇に伴い、高級玩具も買える時代となりモデルガン業界も大いに発展していた時代でしょう。


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モデルガン所有者が増えると、その質の低下はやむを得ず、犯罪に使用される事例が散見され、とうとうこの年1971年(昭和46年)の12月からは、黒いモデルガンは発売禁止になります。

ですからこのカタログは、黒いモデルガンの最後の姿です。


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まだ、S&W 44 は写真が載っていなくてイラストになっています。

ベレッタにブローバック・モデルが載っていないので、やはり最初はSW44 の予定だったのでしょうね。
実際は、ベレッタ34が初のブローバック製品となりました。


写真03

長物も充実しています。

この71年版に使用されている写真たちは、72年か73年に登場するカテゴリー別に4種類に分けられたカタログにそのまま使用されています。


写真06

サイレンサーやスコープがたくさんです。

71年の46年規制では、色だけにとどまらず銃口も閉鎖されたので、これらのサイレンサー群は、以後使用できなくなりました。


ピックアップ

興味深いところをアップで掲載します。
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007のパスポートなんて、時代を感じさせます。
映画007は、すごくヒットしたのでしょうね。MGC もそれによりボンドショップと名乗るようになっていました。


写真08

PPK は、2型と3型が両方掲載されています。
2型は、発売そうそうにコピー品が出たのですぐに製造中止して3型に移行したようです。よって製造数は極端に少なく今では見かけることがありません。逆にコピー品の方は、現在最も多く見かけるタニオPPK モデルとなっています。


写真09

イラストで登場のS&W 44 です。本当は、ブローバック製品1番手だったようです。


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ディテクティブとデリンジャーのカートは同じ物だったんですね。
けっこう乱暴な組み合わせです。

MGC は、他のメーカーと違ってカートは別売りでした。実物の構成に近づけたのかもしれません。
今カタログを見るとカート代なんて気になりませんが、当時は別売りっていうのが、 子供の私には結構応えました。


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51ネービー にはドレスアップのエングレーブ・シリンダーが用意されていました。
なかなかにマニアックな品揃えです。


写真12

P-08 などのスチールパーツもいいですね。


団塊の世代の先輩たちが、最も盛り上げた黒いモデルガン時代の貴重なカタログでした。

西部劇、007という映像文化が製品開発に大きく関わっていることが読み取れます。
こののち46年規制により黄色、銃口閉鎖の時代になっていきます。
しかし、どうしても黒色モデルガンを手にしたいために、法律で規制されていないプラスチック素材 のモデルがMGC から登場してきます。それが今日まで続く、プラ製のトイガンの先祖となります。

プラスチック素材の黒いモデルガンたちは、このカタログのような黒色金属全盛時代を 経験してきた先輩方の悔し涙で出来上がっていたのでした。



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