CMC のモデルガンを手に入れた勢いに乗ってクリーニング・キットを買ってしまった。 Kar98 には、大戦中このような立派なクリーニングキットが供給されていた。
女の子が、「リカちゃん人形」を買って色々と服やバッグを欲しがるのとなんら変わりはない。
ひとつの物に付属品を揃える事で、いっそう所有する充実感が膨らんでくる。
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上蓋をはぐれば、オイラー、ブラシ、チェーンなどが整然と入っている。整然過ぎて
オイラーが手では抜けなかったのでペンチで取り出した。
クリーニング・キットは、あちこちのサイトで売っている。日本では、おおむね5,000円くらいだ。 海外では安い物は1,000円くらいからある。また、戦後も生産されていたようで戦中物が 欲しいのであれば、下調べが必要だ。ちなみに私が購入したのはシカゴレジメンタルで 6,300円なり。
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ケースの裏側は浅い底になっていて、本来ここには薬室を掃除する数切れの布が入っている。
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おやくそくのナチマーク。ナチスは否定派だが、同じお金を出して購入するのなら
マーク入りがいい。それにしても裏から打刻してあるのはなぜか?
シカゴレジメンタルで売っている物は、みんな裏から打刻してある。
ほかの銃器にも見えにくいところなどに打刻している物もある。
ドイツ人がさりげないのか、ナチマークはひっそりと使うものなのか良く判らない。 それとも完成検査で打刻しやすいから裏に打っているのかもしれない。 私が購入した物は、ふたの裏にしかナチマークがないが、そのほかチェーンの基部に 入っている物もあるようだ。
栓抜き型工具(マガジン・プレート取り外し工具、薬室掃除工具)には「HAWIG」と打刻があり、
「ベルリンのHauswirtschafts-Maschinen-Gesellschaft mbH社を示しています」とのこと。
後 記
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表側(缶の底)には製造所らしき記号。シカゴレジメンタルによれば
「arrは独・ブラウンシュヴァイクに所在したBraunschweigische Blechwarenfabrik GmbHを示しております」とのこと。43は当然1943年製であろう。60年も前の物だが、これを使った人は無事に戦火をくぐり抜けたであろうか?
本来、私は「ミリタリー派」ではなく「レプリカ・OK派」なのだが、当時の物を購入していくと
時代がしみ込んだ「物言わぬ歴史」に圧倒されてぐいぐい引き込まれてしまう。 いかん、いかん。ミリタリーに懲りだしたら行き着く先は見えている。 なんとか自重しながらそこそこにコレクションしたい物だ。 |