写真x

「お母さん、Kちゃんのあれが欲しい・・」母親の厚手のスカートを握りしめ、人の持っているものをやたらと欲しがる 5歳の私は、あれから60年も経ったというのに未だに、人の持っている物は良く見えるし、美味しそうだし、欲しくなるものだ。


2種の32ハンマレス

写真01 写真02

と、いうことで 人はパンのみにあらず のK'z さんが何度も記事にするので、欲しくてたまらなくなって 友人に頼んで Vショーで入手しました。左がそのPocket’s Gunsmithing さん作のハンマレスで、右の箱は オークションで見つけた最中庵さんの作品です。同じ時期に同じ機種なので、最中庵さんに作者間で何か情報のやり取りはあるのか 聞いてみたところ、全く無くって単なる偶然だということでした。


外 観

写真03 左の作者さんは名前が長いので、このページではポケッツさんと言うことにします。
ほぼ同じくらいの大きさなのですが右の最中庵さんの方のシリンダは、かなり小さいです。

最中庵さんの方は、3Dプリンタで作っているので表面仕上げがポケッツさんの物と全然違います。 ポケッツさんの方は、型で抜いたガレージキットです。


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ポケッツさんの方には、本物の空薬莢が入れられます。右下写真は、左から32SWが2個、32SWロングが2個、 一番右は参考に38スペシャルです。


ポケッツさん作

写真08 写真09

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右下写真のロックパーツは、生きています。素晴らしい。


写真12 32ロングの空薬莢をシリンダーに突っ込むとまるでエジェクトしたように見えます。
写真13 グリップを外すと板バネも作ってあって、作者の半端ないこだわりが見て取れます。 また、写真のようにS&W のチェッカーグリップも別売りで出ていました。

最中庵さん作

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キットは注意

写真16 最中庵さんの完成品は、柔らかい素材が使用されていてトリガーガードは押さえたらへこみます。 同じことをキットモデルでやったら、トリガーガードが割れました。
キットモデルは、全然素材が違いました。

最中庵さんキットモデル

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最中庵さんは、3D作品をオークションに出品されています。


大きさ

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タナカのプラ製モデルガンと並べています。同じハンマレス式ですが、センテニアルは、32ハンマレスよりも60年ほど後の製品です。。


写真18 写真19

スコーフィールドはガスガン、上のモデル3は、デニックス。ガスガンは右写真のようにバルブ取り外し、バレルは鉛で埋めて います。


参考書籍

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アンティーク・ファイアアームズ、この本は大変面白いです。キンドル版もあるようです。


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勝手な想像ですがポケッツさんは、この本を参考にしたのではないでしょうか?アイボリーグリップの2インチモデルが 載っています。また、ロック機構もファーストモデルをきちんと再現しています。ちなみに 最中庵さんは、セカンドモデルのT型ロック機構です。


おまけ

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自作の弾薬箱ですが、実際の本物は横方向に水平に割られていたようです。そこは再現していません。 PDF ファイルがあります のでよかったら印刷してご使用ください。


おわりに

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いやあ、どちらもクウォリティが高くって感動です。写真はタナカとMGC モデルガン。

ポケッツさんのツィッターは、こちら

https://twitter.com/pocketpistolpty

最中庵さんのホームページは、こちら

https://monakaa.handcrafted.jp/


呼び方

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S&W 社は1852年にスミスさんの作ったボルカニックピストルを売るための会社でした。しかし最初の会社はウインチェスターさんに 買われてしまい、ボルカニックの機構はやがてヘンリーライフルからウインチェスターM73 へと花開きました。一方、ウエッソンさんのモデル1は順調に成長してゆき第2次 S&W 社も大きくなり、1952年に100年を記念してハンマレスモデルを作りました。 それがセンテニアルです。英語の100周年を示すcentennial の発音記号は

ですね。ウクライナの首都がキエフから一夜にしてキーウに変わったように読み方は時代に応じて変えていこうではありませんか。 ここはぜひともセンチニアルはやめて、センテニアルで行きましょう。


本物の分解図

写真30 ファーストモデルが、ポケッツさん再現、セカンドとサードはT型ロック式で、サードモデルはフロントサイトが バレル一体型になっています。