写真00
友人のところから調整のため我が家にやってきました、CAW製60アーミーです。
とにかくトリガーに触るだけでハンマーが落ちて困る、ということでやってきました。
 
友人はウエスタンファンでかなりコッキング遊びをやっていたようなので、きっとハンマーとトリガーのシアー部が 摩耗しているのだろうと想像していました。

外観をみる

写真01
ハートフォードと競作になっちゃいましたが、HWSの方は見たことがありません。
CAWとHWSは相性悪いですね、というかわざとかな?競合作品が多いです。
数少ないモデルガン製造者なのだから、なるべくかぶらずに作ってほしいなぁと願うのは、単なる一ファンの希望です。  
写真はマルシンの金属モデルと並べています。マルシンもよく出来ていますが並べると比較になりませんね。

写真02
特にこの流れるようなバレルの曲線の処理なんか、CAWは素晴らしいです。

お、重い、重すぎ?

写真03
とにかくCAWのモデルは重たいんです。マルシンの金属よりも重いです。
 
この写真では、ダミーシリンダーを装着しています。

写真04
ダミーシリンダーとグリップ内部に精密に埋め込まれたウエイトにより重さを稼いでいます。

真鍮トリガーガード

写真05
量産モデルには珍しく真鍮製のトリガーガードとバックストラップが付属しています。
このシリアル部分なんか味があって良いですね。

写真06
下側には謎のHの文字。何の意味でしょうね?

メ カ

写真07
フレームの内側には亜鉛製のサブフレームが埋め込まれています。

写真08
よく見慣れた分解状態です。 最近は素晴らしいモデルガン製品が多く、ウェッジキーでバレルを止めるのも当たり前になっています。 昔では考えられないくらいに工作精度やユーザーの求める品質が上がっています。
あ、値段も上がっていますが・・・。

異常発生箇所

写真09
友人の話から、ハンマーとトリガーが傷んでいるだろうと思っていましたが、トリガーのシアー部先端がめくれているだけで ハンマーの方は問題ないようでした。

写真10
さっそくトリガーのメクレをヤスリで修正しました。

写真12
ついでにハンマーのノッチも目立てヤスリで切り込みを斜め上方向に入れて、これでバッチリだろうと組立ててみました。
 
作動チェックしてみると、以前ほどでは無いにしろトリガープルは軽いです。うーん、これはイカン。なんとかしないと。

写真11
トリガーのシア部をもっと細く削ると折れてしまう恐れがあるので、CMCのSAA用スチール製を使ってみようかと思い 並べて大きさを比べてみました。すると写真のようにすこし削れば使えそうです。(左がCMC用)
よし、これで行こうと決定し、 とりあえず動かしてみて合わないところを見つけようと、CMC・スチールトリガーをそのまま組み込んでみました。
 
これが、バッチリ、何も加工すること無くそのまま使用できました。ラッキー、運が良かったです。
作動も快調、ハンマーへの食い込み、トリガープル、すべてうまくいきました。

板バネ調整

写真13
トリガーはOKとなりましたが、それにしてもメインスプリングが強い。これほど強いとプラスチック製には いろいろ問題が生じそうなのでお手軽に弱く出来ないかと眺めていて、ワッシャーを入れてみようと思い実行しました。 これまた、運が良いことにズバリはまりました。今回はたまたま適当なワッシャー径でしたが、あまり大きいとグリップが入れられなくなります。また、ワッシャーを入れるとハンマーへの掛かり部分が短くなってしまうのですが 今回はちょうど、すこし掛かって作動に問題はありませんでした。
 
行き当たりばったりで調整しましたが、これでハンマーもしっかり支えられ、スプリング力もちょうど良いくらいになりました。同じような症状の方の参考になれば幸いです。

図16
上記の件をネットの掲示板に書いたところ、反対に思われる方がいらしたので解説イラストを描きました。
実際はやってみるとすぐに判るのですが、頭で考えるとイラストのようになります。 メインスプリングが弓矢の弓にあたります。フレームの止めネジを締め込んでいくと弓が絞られるように板バネが 曲げられて大きな反発力をハンマーに与えます。
ねじ込みが少ないほど弓の曲がりは少なくなりハンマー力も小さくなります。

51ネービーと比較

写真14
MGCの51ネービーと並べていますが、銃自体は、ほぼ同じ大きさで36口径から44口径への移行が出来ていることが 判ります。
美しい曲線やネジを表に出さない方式は、この銃を単なる鉄砲ではなく、持つに値する逸品に昇華させています。 サミュエル・コルト氏生涯の最高傑作でしょう。この名銃と入れ替わりにコルト氏は亡くなります。 それは、そのまま前装銃時代の終わりとメタルカート・後装銃時代の幕開けを象徴していました。

おわりに

写真15
このページの調整は、運が良かったことと、個体差もありますので同じようなことがすべての製品に当てはまるとは限りません。モデルガンの調整はリスクを伴いますので、ご自身の責任でやって下さい。