謎のナポレオン拳銃

亜鉛合金製・金属モデルガン
写真00

1986年にフランクリンミントから高級装飾銃としてナポレオンが発売されました。
豪華な木製ケースに入っていて定価は58,000円と言う高級モデルでした。

その時の物と同じ形のナポレオンが最近売られているようです。
この写真は、ネットで 2万で落札した物です。外観はフランクリン製と同じです。
しかし、材質に違いが見られます。


写真01

フランクリンの広告記事には、バレルは鉄製、金色の装飾部分は真鍮製となっています。 事実、ネット写真で錆びたバレルを見たことがあります。

しかし、ここにある物のバレルは亜鉛合金製です。金色部分も亜鉛に真鍮メッキをかけた物になっています。


写真02

どう見ても新品の状態です。新しさを感じます。刻印は丁寧に入っています。

持ってみると軽いです。バレルの重さが少し足らないと思います。


写真03

ナポレオンのマークでしょうか?実物の拳銃はフランスの軍事博物館が所蔵しているようですが、 ネットで写真を見つけられませんでした。


デニックスと比較

写真04

こちらは、スペイン・デニックス社のモデルガンです。おおむね8,000円くらいで販売されているようです。フランクリンとひと目で判る大きな違いは、ラムロッドの長さです。


写真05

よく見ると装飾部分も形が少し違いますね。デニックスはオール亜鉛だと思います。


写真06

左サイドは、デニックスの方が実物に忠実なのではないかと想像しています。
先台に、はまっているバンドは、ふつう叩き込むのが一般的で、フランクリンのようにネジで固定されてはいないと思います。モデルガンとして先端部が抜けないようにデザインした物ではないかと、思っています。


メカを見る

写真07

左サイドのネジを2本外すと発火機関部が外れます。バレルは上部の一本のネジで固定されています。ごく普通のフリントロック銃のラムロッドは、差し込んでいるだけですが、このモデルは、ネジ込み式になっています。ラムロッドは鉄製で先端部の溶接した個所が錆びています。


一級品

写真08

オール鉄製の機関部です。プレートもハンマーも鉄製です。しかも見えないところなのに ネジもマイナスネジの特別製です。トリガーも鉄です。出来は一級品です。この部分のパーツは、ミロク製ではないかと想像しています。

このモデルガンは、日本製では珍しく石をくわえています。材質はもろく、火打石のメノウのようです。すぐ欠けますが、形状がきちんとしていますので、ガンガン火花が出ます。
写真は、ハーフコック状態です。


亜鉛バレル

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バレルは亜鉛鋳造品のようです。パーティングラインや押し出しピンの痕を見れば判ります。 当然磁石にもくっつきません。


インサート

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このバレルは肉厚が、大変薄いため迫力に欠けます。
奥には球状のインサートが鋳込まれています。改造防止はばっちりですが、こんなバレルはもしも 大量火薬を使用するとバラバラになること間違いないので射手が最も危険です。 インサートは薬室部まで入っていてバレル後方が重くなっています。インサートは超鋼材だと思います。


亜鉛パーツ

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バレルのほか、バンド、バックストラップ、トリガーガードなど亜鉛に真鍮メッキで 造られています。写真矢印のようにメッキがはげている所に亜鉛の地肌が見られます。


写真12

最近Gun 誌も購入していないので、このモデルガンが今現在発売されているものなのかどうだか判りませんが、ここに登場した物は明らかな新品でした。機関部と木製ストックの材質は一級品です。 しかし、フランクリンの物と間違って高く購入することのないように鑑定眼を鍛えておかないといけません (私は間違って購入しました)。

日本で入手できるナポレオンの拳銃の相場は以下のようだと思います。間違ってデニックスを高っく買ったりしないようにしましょう。

  • フランクリン製・・・・3万以上
  • デニックス製 ・・・・7千円以上
  • 謎のナポレオン・・・・2万以上

この亜鉛ナポレオンの情報がありましたら是非教えてください。



比較写真・追記

写真13

ENDO さん よりフランクリンミントの写真をいただいたので並べてみました。有難うございました。

機関部は、亜鉛製ナポレオンの方がパーツ点数が多くて立派です。バレルは、フランクリンは鉄製でしょうから肉抜きが すごいですね。フランクリンの機関部は、以前記事を書いたミロク製機関部にそっくりですので、やはりこの部分はミロク製でしょう。



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