写真00
見たこともない、たぶん国内では珍しいであろうモデルを借りてきました。
私自身、知らなかったので調べてみるとアメリカのフランクリンミントで 売られていた、ジェシージェームスのGun だと判りました。

写真01
写真を見てバックストラップが別パーツなので、デニックスあたりのパチモノか?とお思いでしょうが、どっこい、よく出来ています。  
日本のかつての金属モデルガンと同じレベルです。
ボルト落下のタイミングもバッチリ取れています。

写真02
インターネットで探し当てた、米国オークションの写真です。
本当は、このように額に入ってプレート付きで売られていたようです。
 
現在では、フランクリンミントはGun 関係の売り物は無いようです。
何年くらい前の発売かはわかりませんでした。
おおむねオークションでは250ドルあたりからのスタートのようですが、あまり見かけないので 稀少価値で高値も予想されます。また逆に不人気で安値かもしれません。
写真03
書籍で調べてみると、ランヤードリングが付いているのは初期型だと判りました。
 
ついでにジェシー・ジェームスをWikipedia で調べてみたら、けっこうな悪党だったんですね。
そうとうに悪いヤツだったのでしょうが、その容姿や死に方や義賊的な行動から、いまではかなり美化されて、 けっこう人気の人物のようです。

写真04
さすがに重いです。 写真は数字が読みやすいように部分的に明るくしています。

写真05
商業的には、コルトに全然叶わなかったようですが、同じくらいの大きさです。
右は、マルシンのバットマスターソンです。
見慣れているせいもあるのかもしれませんが、SAAは完成された形ですね、スキがありません。
写真06
レミントン伝統の特徴ある三角形の飾りですが、このあとのモデル1890からは、無くなります。
そうですね、単に重くなるだけで機能的には何も意味が有りませんから。

メ カ

写真07
ほとんどコルトのSAA と変わらない構造で作られています。
安全対策でシリンダーにはスリットが掘られていてそこに鉄のプレートが叩き込まれています。
したがってカートは、装填できません。
 
デニックスのモデルガンは、分解するように作られてはいませんが、こちらの方はしっかりと 製作されています。

写真08
こちらも安全対策で、ファイアリングピンが出ないようになっています。
フレームに穴がありません。海外の安全対策は感心します。発想の違いが明らかです。
日本の金属モデルガンは、発火仕様で発展してきましたのでこのようなモデルは存在しませんでした。
 
また、シリンダーの穴の径は、そうとうに大きく掘られていて、45コルト弾もガバガバです。
このへんも実銃を扱う発想から来ているのではないでしょうか。チャンバーがガバガバだったら、ケースが 裂けてシリンダー破壊、大けがに直結しますものね。だれも実包入れてみようなんて思わないでしょう。 逆に日本の発想は、実包が入らないように小さくシリンダーに穴を開けています。 同じ改造防止の仕組みでも、考え方の違いで異なった結果になっています。
写真09
もともと全体の3/4くらいバレルは埋まっているのですが、フォーシングコーン部と銃口先端は3cmくらい 凹んでいるので、嫌がるオーナーを説き伏せ鉛で完全に埋めちゃいました。
 
私は、昨年警視庁の家宅捜索を受け、シングルアクションのモデルガンを持って行かれました。
その時の経験から言うとフォーシングコーン部が凹んでいるものは、持って行かれる可能性がありますので 埋めたほうがいいです。

ここがザンネン

写真10
レミントンがコルトの特許に触れないように作ったのか、ハンドは右写真のようにネジで止めるのが本当ですが このモデルガンは、手っ取り早くコルトのように作っています。それでハンマーを下からしか入れられないために、 フレームが一体ではなくって、バックストラップ式に作られているんです。

写真11
ちなみにローディングゲート部もきちんと作られています。
デニックスとはレベルが違います。

写真12
ボルトもちゃんとしています。
カムとのタイミングも良く取れていて、シリンダーにボルトの引きずり傷は着きません。
これだけしっかり作っているのに、フレームが分割式なのは、なんとも惜しいところです。
 
トリガーガードは、バックストラップなどを装着していても外せますので、あとはハンドの部分だけを ネジ式にしてやれば、バックストラップはフレームにつけたままでハンマーを上に抜き取り、バラせます。いつの日にか改良してみたいですね。 その時には、バックストラップとフレームは、
つなぎ目を金属パテなどで埋めて、ネジも埋めちゃってフレームと一体化にするのが正解でしょう。
写真13
ベースピンは、やたらと長いです。この位置でシリンダー固定状態です。
エジェクターは少し変わった位置で外部にむき出しです。やはりコルトの特許を避けたのではないでしょうか?
 
エジェクター部をバラさないとベースピンは外せません。実銃はどうなんでしょうか?
写真14
SAA を見慣れているせいか、三角形の異物がついた異様な姿に見えちゃいます。
写真小道具は45コルトのダミーカートですが、実銃は44口径でした(45コルト口径もあった)。
写真15
コルトのオープントップを退けた一体式フレームで華麗にデビューしたレミントンのパーカッションでしたが、 SAAの登場で逆に1875では苦戦が続き、とうとう会社は倒産してしまったようです。
 
その後レミントンは再建され、現在では長物しか作っていません。

写真16
たいへん珍しいものをお借りして、鉛まで入れさせていただいたオーナー様に感謝いたします。
 
いつかCAWのモデルガンを買って大きさ、形状など比較してみたいです。

参考書籍

写真17
ハンドの写真は、この本から借りました。アンティーク・ファイアーアームズ。
 
この本は、モノクロ写真ばかりですが大変参考になります。私たちがモデルガンとして手にする物は ほとんどがアンティークなのでこの本に詳しく載っています。後ろの方にはウインチェスターやトラップドアなどの 古い長物も掲載されています。オススメです。アマゾンで普通に買えると思います。

写真18
こちらはフルカラーなのですが、外観のバリエーションばかりで写真も小さいのでメカ向きではありませんが 調べ物には向いています。レミントン製品の総てが載っています。
(ショットガンのM 31は載っていなかったようですが・・・)

捜索の件は、そのうち時期を見て詳しく書きたいと思っています。
昨年から東日本大震災までの間に、おそらく100人以上の人たちが家宅捜索を受けたのではないかと思われます。 同類相憐れむではありませんが、ストレスが溜まっている人がいましたらどうぞ吐き出してください。ひとりで悩まないように。 maimai@muh.biglobe.ne.jp までどうぞ。