チーフ各社識別帳

チーフ・スペシャルは、日本の金属モデルガンで一番売れた種類ではないでしょうか？
その証拠に各社からバージョン違いも含め多数製造されています。
オークションで購入する際に質問で「どこ製ですか？」と聞いても「SMG 社製です 」なんて答えが返って来たらがっくりです。自分の目を肥やすしかありません。

MGC 1型、2型

日本初のチーフは、MGC から販売されました。写真左です。独自のメカで シアを持っています。1963年（昭和38年）でした。6年後の1969年に出現した物が右にある2型です。 メカが大幅に見直されリバウンド・スライドが採用されました。グリップアダプタは別品です。

右の2型には時期によってMGC の刻印が入っていません。
しかし、トリガーのピンを見れば、すぐに識別できます。

左の１型にはSW/4 MADE BY MGC と刻印があります。おそらく社内開発のS&W リボルバーの ４個目だったのでしょう。１から３は、商品化されていません。

コクサイ　1、2、3、4型

コクサイが一番モデルアップしています。きっとたくさん売れたのでしょう。
写真左上の１型は、MGC 製品ですが、コクサイの物はまったくのコピー品なので同じ外観です。また、SW/4 の刻印も真似しています。1965年にブローニングの乱でMGC がその他会社と決別したため入荷できなくなったコクサイは1966年に１型を販売しました。当時はインターナショナル・ガン・ショップと名乗っていましたので、MADE BY INT とあります。

右上の２型は、同社がミリタリー&ポリスを発売したときに同じメカニズムで全面的に改良された物です。1969年登場です。MGC 2型と同じ年です。 左下は、7年後の1976年登場の３型です。スイングアウトのラッチが通常タイプになりました。スクエア・バットのフレームなので珍しいです。
メインスプリングが板バネです。

右上の２型は、サイドプレートのトリガーガード付け根のネジが無いのですぐに判ります。また、シリンダーにストップ・ミゾが出来ました。下右は、M36 の名称で販売された最終の４型です。素晴らしいできばえです。３スクリューになっています。

真似のコクサイから「リボルバーの雄」にいたる歴史が刻まれているモデル群です。

CMC １型、２型とプラ製

左がCMC １型でコクサイの２型と同じ1976年頃に登場しました。メカ的には、たいしたことなく 擬似センターロック方式です。やがてCMC は、実銃に忠実な商品を作ることに社風が変わって行きます。２回目にチーフがモデルアップされたのは、プラ製でした。1981年登場、真ん中の写真です。その型を利用して1985年に金属製も作られました。右端です。３スクリューとなって力の入った製品です。

右の二つは、パーツ互換があります。一番右は実物S＆W グリップです。

マルシン

マルシンも作っていました。左はCMC １型ですが、マルシンの丸ごとコピーのようです。 サイドプレートにMARUSHIN の刻印が無ければ、どっちだか判りません。ネジがマルシンのほうが少し大きいです。
S&W マークがCMC が右サイドなのに対してマルシンは左側についています。

マルシンのチーフは広告から見ますとアサヒイーグルで最初は販売されていました。アサヒがモデルガンから撤退して自社ブランドになったようです。

左がCMC １型、右がマルシンです。マルシンは、S&W 刻印がこちら側にあります。

各社ハンドエジェクター

当初MGC がチーフの長銃身をハンドエジェクターという名称で発売したため、各社右にならえで、チーフの長銃身をハンドエジェクターとして発売しました。
実銃では、S&W のスイングアウト式の総称をハンドエジェクターと言います。

写真は、どこ製か、もう判りますよね。サイドプレートの形状とマークが右なのでCMC １型です。

マルシンは、このようにハンドエジェクターも左側刻印です。

コクサイの２型です。コクサイは、もっと昔のモデルはＭＴマークではなく、 Ｓ＆Ｗ刻印です。

今回登場の皆さんです。
あと、マルゴーもチーフを販売していますが、形状がまったく別なのですぐに判ります。
わが道を行くハドソンさんはチーフの金属モデルはありません。

最も完成度の高いモデルは、コクサイのM 36だと思います。