最近中古でプラガバをいくつか購入したのですが、セフティがちゃんと動かない物が多いので
解決策を一覧にしておきます。備忘録を兼ねて・・・。
現象としては以下の3点を取り上げます。
- セフティ・オフでハンマー・デコック
- セフティ・オンでトリガー引くとハンマー・ダウン
- グリップ・セフティ効かない
1)セフティ・オフで
ハンマー・デコック
これは、サムセフティ・オンの状態でトリガーを引くと、ハンマーダウンにはならないのですが、そのままセフティをオフに戻すとハンマーがダウンして、まるでベレッタ92 のデコックのようになってしまう現象です。
原因は簡単で、シアがセフティによってストップされていなくってすき間があることが原因です。 トリガーによってシアがほんの少し動いて、ハンマーのかかりは外れているのだけれど。セフティの凸 でハンマーが落ちるのが 妨げられているから起こります。このあとセフティをオフにすると、すでにシアが外れているので、ハンマーは セフティコック位置までダウンしてしまい、まるでデコックのようになります。
私の持っているモデルでは、エランのオールドタイプ、CAWのスタンダードタイプで見られました。
改善方法
改善は、いたって簡単明白、シアがセフティに当たって動けなくすればOKなので、凸部に0.5mm のアルミ板を貼って 接するようにしました。これで解決。本当は、シアの左側だけ貼ってもよいのですが、あまりに小さいと、はげる可能性があるので 凸部一面に貼りました。
また、エランの最近のシアならちゃんとした大きさではないかと思って、MGC 福岡店にて新品シアを購入、5000円くらい。 オールドエランに入れ替えてみたところ、バッチリ、セフティが作動しました。何も考えずに補修したい方は 最新部品を購入するのも良いと思います。素晴らしいパーツを販売してくれることに感謝です。また、CAW のモデルは、 ディスコネが亜鉛製なのに板バネが強力なので、段が付いてスライドが戻りにくい(ディスコネが沈まない)ことがありますが、 そこはエランの鉄製ディスコネに変えると素晴らしく動作が改善されると思います。
CAD うんちく
こちらにリバースエンジニアリングではないだろうかというガバメントの図面があります。 そのシアの図を参考に、図面を書いてオールドエランのシアが本当に小さいのか調べてみました。
写真のようにオールドエランの物はコンマ数ミリ小さいですが、肉眼で判別は難しいくらいです。エラン新型パーツは実物どうりのようです。 MGC GM5の物は、気持ち実物より大きいくらいです。なのでアルミ貼り合わせではなく、シアを削って合わせるのなら MGC のシアは各社の修繕にもってこいだと思います。
使用したのは、建築系CAD でフリーソフトで有名なJW_CAD です。縮尺や用紙の指定など、まるでドラフターに 紙を貼って図面を書き出すようにCAD を扱えますのでユーザーフレンドリーです。ですが、独特なオペレーションですので 慣れすぎると他社のCAD の敷居が高くなります。JW_CAD は環境ファイルをいじるとインチ寸法のまま入力して 図面が書けますので大変便利です。
ガバの図面 はこちらにあります |
https://www.m1911.org/M1911-A1_REDUX.pdf |
JW_CAD はこちらにあります |
https://www.jwcad.net/ |
2)セフティ・オンで
ハンマー・ダウン
私の持っているものでは、ホビーフィックスのメガウエイト・ミリタリで発生しました。
セフティをオンにしているのにトリガーを引くとハンマーがダウンし、セフティがオフポジションに勝手に回転してしまいます。
これは一番の原因は、前述と同じくセフティオンでもシアが動くことが原因ですが、他にも一因があって セフティが上がりきっていないので簡単にハンマーによってセフティが下げられてしまうようです。
上写真はインターネットから取ってきた実銃の写真ですが、セフティ形状の角を少し超えたところにプランジャーの頭が 当たっています。これで軽くロックされているのでしょう。
ところがホビーフィックスのメガウエイトでは、フレームの穴が小さくってセフティが上がりきっていませんでした。 それでシアが動いてハンマーがダウンするときにセフティまで回転させられていたのでした。
2)の改善方法
フレームのセフティ凸の穴を少し上方へ大きくしてあげました。これでセフティが少し上まで回転できます。 また、セフティの角を少し削ってプランジャーの頭が角を超えるようにセッティングしました。 もちろんシアにはアルミ板を貼ってセフティ・オンの時には全く動かないようにしています。 これにて解決しました。
3)グリップセフティ
が効かない
以前にも書いた記事を転用です。このオールドエランさんは、グリップセフティが全然効かなかったので、CAW のパーツと比べてみました。上写真の左がCAW で右がエランについていたものです。すぐにわかるようにハウジングにかかる部分が太くって これではグリップセフティが下がりきらずにロックできません。そこで右下のように削りました。 CAW みたいに薄く削ってポロっと割れちゃったりしたら困るのでこれくらいでやめました。 それでも足らなかったので、あとはハウジング側を少し削ってグリップセフティがしっかり効くようになりました。
こちらは実物写真です。グリップセフティがトリガーバーが動くのを止めています。
エラン追加
この記事を書いている途中に落札購入した中古のエランさんシリーズ70も同じようにグリップセフティが効かなかったので 削って修正しました。それにしても汚い削り跡でした、反省です。斜めの部分なのでけっこう削りにくいのです。
プランジャ乗り越え
また、この個体はプランジャーの乗り越えが発生していましたので、プランジャーチューブを瞬間接着剤で貼り直しました。 実銃ではカシメで止まっているところですが、モデルガンでは張り付けられています。
下半身分解
以下に下半身分解について初心者の方向けに書いてみました。 特別な道具も無しにバラせますので挑戦してみてはいかがですか?あとは、マガジンキャッチを外すとトリガーが後方へ外せます。
シア組立時のコツ
面倒に思われるシアピンの挿入ですが、写真のようにすると案外簡単に入れられます。 ポイントは2番の時にすこし揺らしながらストラットを入れ込むと良いと思います。 シアが落ちないように親指で蓋をしておくのを忘れないように。
おわりに
やや難のある品物を落札購入して、自分で修繕して元気によみがえらせることは、大変面白くて楽しいものです。 また、高精度のパーツを販売してくれているエランさんやMGC福岡店さんに感謝です。 いつの日か新品買いますから、それまでご勘弁ください。