写真00
動物は生まれて初めて見た動く物を母親と思ってしまうという話がある。
私たち人間のオスもそのようなもので、初めて持ったモデルガンが黒くてガス抜けだったら、金色で銃口閉鎖なんて けっして許さないのである。
しかし、私のように初めて持ったモデルガンが金色、銃口閉鎖ならば簡単に許せてしまうのである。 ただし、MGC SIG のプラ製モデルガンを手にしたショックから、私は軽いプラスチック製モデルガンが 許せないのである。
 
しかしそれも、生まれた時から黒く軽いモデルガンしか見たこと無い人にとっては、なんの抵抗も無く受け入れられている。 そうなんだ、経験時期によって同じ物体でも全然違って捉えられているんだ、世の中は絶対評価ではなく、相対評価で動いているんだっ!・・と、納得してしまうのだが、そんなこととはまったく関係なく、法律は万人に同じ縛りを与える
 
歯がゆく残念だが、社会生活維持のために、やむを得ず従うことにするべきである。
家族の生活と自分だけのモデルガン趣味を同じハカリに載せることは出来ない。
冷静に第三者の目で考えたら、普通のオトナには判るはずだ。
 
と、いうことで世にゴマンと居るであろうガス抜けオヤジのための遵法講座の開幕です。
(ソンポウではなくジュンポウと読む)。

ナマリ閉鎖バレル

写真01
ガス抜けを自分で閉鎖するには鉛を流し込むのが簡単で良いです。
ただし銃口寸止めに仕上げることは、大変難しいです(何事も寸止めは難しい・・ってか)。
そこで、あふれるほどナマリを流し込み、ナイフと紙やすりで平滑にしたあとで見栄えを良くします。

使用道具

写真02
モデルガンのカートと木槌を用意します。
左のカートは9mm弾でしょう。仕上げに用います。
右は45口径のSAA用ではないでしょうか?これをメインに使用します。

打つべしっ!

写真03
銃口に合わせて木槌で叩き込みます。

写真04
刺さるまで4回くらい打ちつけます。

写真05
うまくミゾが出来ました。見た目が上の銃口と全然違いますね。

仕上げ

写真06
中心がずれたりしてミゾ付けに失敗して銃口中心部に傷が入っても大丈夫です。
最後の仕上げに9mmカートのリム底を当てて木槌で叩くことで銃口面を平滑に仕上げられます。 鉛は柔らかいので、どうにでもなります。

完 成

写真07
めでたく完成です。世のガス抜けおやじ様、懲戒免職なんて事に成らないように、あきらめて、ふさいじゃいましょう。
人生と同じほどガス抜けが貴重なものでしょうか?時はすでに若さと共に過ぎ去ったんです。
時代に合わせないと生きていけません。せめて希少なモデルガン本体を所持する権利だけは確保しましょう。 明治時代に武士が刀を取られたほどの衝撃ではないはずです。
 
ついでに以下にナマリ閉鎖手順を書いておきます。

1)チャンバー閉鎖

写真10 準備としてチャンバー側にアルミホイルを詰め込みます。ギュウギュウに何枚も詰め込みます。ここがゆるいと 鉛が流れ出て大変なことに成ります。
 
アルミホイルは、あとで除去します。

2)灼熱地獄

写真08 ガスコンロに鉛をかけて溶かします。
この道具は、キャスト弾製作用のもので、たまにオークションに出てきます。
鉛は溶けたらものすごい熱なのでやけどをしないよう細心の注意が必要です。また、水は水蒸気爆発の元ですので 絶対にかけないようにします。紙なども近くにあると危険です。とにかく想像を絶する熱さです。私は鉛のしずくが指に乗って やけどを負った経験があります。

3)迷うヒマ無し

写真09 プライヤーなどでバレルを挟み、一気に流し込みます。銃口部のライフリングを残そうなんて考えない方が良いです。 中途半端に流し込むと、あとで補充してもポロッと取れてしまいますので、あふれるだけ流し込むのが正解です。
 
冷えてからナイフで削ってペーパーで仕上げます。

以上、ガス抜けオヤジのための、「いーかげんにあきらめろ」講座でした。
 
( 注 )写真に使用したパーツは預かり物で、私の手元にゴロゴロとガス抜けパーツがあるのではありません。
    ちゃんとGOHOオヤジやっています。