中田商店は、とりあえず急場を凌ぐために六人部氏が戦争博物館展示用に作っておいたプラ製のモデルを 型取って文鎮モデルを製作販売しました。亜鉛合金製だったと聞いたことがあります。 販売種類などよく判らないことが多いのでGun 誌の広告をまとめてみることにしました。 資料としてご覧下さい。カーソルが指になる写真は拡大できます。
1965年10月号
1965年10月号 Gun 誌の広告です。
先輩のご意見を伺うと写真に有る物はほとんど発売されたようです。
この号には、MGCブローニングの次の製品であるセンチニアルの広告も載っています。
なかなかセンスが良い広告です。
この翌月までMGCの広告は掲載されますが、12月号には載りませんでした。 かわりに高級玩具組合からのMGCへの絶縁状が掲載されました。 その後、15年くらいにわたりMGCのGun誌への広告はありませんでした。
1965年12月号
1966年1月号
上の2枚は、1966年1月号 (昭和41年)のGun 誌の広告です。
文鎮カラーの裏には、CMCから発売予定のガバメントと中田から発売予定のルガーの 広告が載っています。ともに開発におくれが見られ、写真はどちらも実銃の物が使われているようです。
1966年5月号
↑1966年5月号(昭和41年)のGun誌の広告です。
上のモノクロ文鎮写真の表側は、CMCガバメント1型の登場広告になっています。
「 遂に発売 」の文字が躍っているように遅れに遅れたガバメントだったようで華やかに登場しています。しかし、このあとすぐに MGCから発火タイプのガバメントが発売されたために、CMC1型は1年で姿を消すことになります。 発火式の2型ガバメントと入れ替わりました。
六研の文鎮モデル
1973年(昭和48年)ころ六研も文鎮モデルを数種類販売しています。
それは、アルミ合金製でした。
写真は、8月号ですが広告自体は6月号から見られます。写真の2機種は間違いなく発売されました。 私は、かつて両方持っていました。ファーストロットはどちらか忘れましたが左右の型が少しずれていました。その後に弟が同じものを買いましたが その時には、しっかり鋳造されていました。砂型を使用していたようで表面はザラついていました。色はファーストロットは真っ黒塗装で、以降は すこし灰色のような色でした。
広告にあるMP44 は発売されなかったと思いますが、モーゼル1934拳銃は発売されたのかもしれません。
オークションより
転載写真
1993年の中田・文鎮
1993年7月、9月のGun 誌に文鎮モデルがホルスターの型崩れ防止にいかが?と、いうような 登場をしています。全部で6種類だったようです。黄色に塗られていたのか黒いままで販売されたのかは よく知りません。↓六人部氏製作のプラスチック原型も写真に登場していますね。
↓9月号広告です。
いただいた写真
赤い猫RRVさんのブログ Gun1+1/6〓OTHER SIDE〓 より許可を得て写真をお借りしました。
有難うございます。
浜田式とベアード拳銃は、広告には載っていませんのでまた、別の時期に発売された物でしょうか? 他は1993年発売のシリーズなのでしょうね。この時期のことは調べが足りていません。
2014年1月・追記
匿名の方より文鎮についての詳しい解説を頂きました。匿名様有難うございます。ここに主なところを紹介させていただきます。
トカレフ
ランヤードリングが有り、出来はなかなか良い。スライド右側面に特徴的なキズが2箇所にある。
複数の個体で確認できることから 型に問題があったのであろう。
ルガーP08
造形的には実銃をよく再現してある。 トグルレバー中央はU字にミゾが有り、ちゃんと実物の形を反映している。MAS1950
2次大戦の文鎮シリーズにあっては場違いな感のあるモデルだ。 広告などでは、フレンチMAS1950とされているが、マガジンキャッチ周辺の フレーム形状からすると姉妹機のP.A.MAC1950の写真を基に混同しながら 造られたのでは無いかと思われる。 トリガーガードが極端に薄く扱いに神経を使う。 スライド後端にあるレバー式セフティもシャフトの造形のみでレバーの表現がない。 想像するにMASとMACの区別が付かず、左右一枚ずつの写真を基に造ったのでは 無いかと思わせる。モーゼル1896
SRH型
詳細な資料にて作成されたと思われるフォルムをしている。
ブローニング
ハイパワー
ランヤードリングの無いコマーシャルタイプを模している。
フレームとスライドに見られるシリアルナンバーは、まさかのあと打ちかと思わせる
ほど深く鮮明である。
ワルサーP−38
2タイプ存在する。当初の広告から存在した物と、それよりすこしバレル長が短くハンマースパーの尖った物である。 大きな方はスライド左面に小文字でac42と174eの刻印が有り、ハンマーの尖った方は 大文字でAC42と1330Eの刻印がある。また、トリガーガードは174eの通常タイプがダルマ型なのに対して1330Eの方は、ストレート型である。 出来映えは174eの方が良く出来ている。 1330Eの方は数が少ないようだ。また、同個体は、あと加工でストックとスコープを付けられるように ミゾが切ってある。店頭展示に使用された物ではないかと思われる。
その他
ガバメントは、A1と1911の混同型。SAA、S&W1917、ウエブリースコット、南部式大型拳銃、同小型拳銃 は実際に見たことがある。広告に出ていない南部大型拳銃も存在したので、他にも 未知のモデルが有ったのかもしれない。
匿名様、情報有難うございました。
注意、輸入文鎮
トイガンの黎明期には、海外で製作された文鎮が輸入されて販売されていました。 それらは、おそらくホルスターの型崩れ防止用だったと思いますが、精巧にできていました。 これらの文鎮は、アメリカのLytle Novelty Co. という会社で作られたものです。
私が書いた ホンリューカタログのページ も是非ご覧ください。
2022年12月、新規に書きました Lytle 社文鎮カタログのページ も是非ご覧ください。