マシンガン名鑑
表のイラストは、ENDO さんの著作物です。一部は、maimai 作
左のとびら絵は 大上さんのページ の3D作品を許可いただいて丸写しして描いています。
拳銃弾を使用するサブマシンガンに対しライフル弾を全自動発射できる銃のことをマシンガンという。 機関銃は1860年頃南北戦争時のアメリカでガトリング氏により多銃身を備えた製品が登場し 南北戦争にも小数使用された。のちに金属薬莢式となりホチキス銃、ガードナー銃の登場ののちに 1884年にマキシムにより始めて完成を見る。
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エジソンより早くの電球開発や航空機開発史にも名を残す天才、アメリカ人サー・マキシムにより
実用的機関銃が開発された。 その後ドイツ、ロシア、イギリスで改良され使用された。 機構は反動利用式でトグルジョイント。 マキシム氏はイギリスに移住しヴィッカース社に所属した。米国生まれのイギリス人とも ロシア系アメリカ人ともある。 http://www.ctie.monash.edu.au/hargrave/maxim.html |
機関銃は当初、三脚などで固定されて塹壕内の防御用火器として使われたが、やがて兵士一人で持てる
軽機関銃も開発され、攻撃用にも展開されるようになった。
現代では小口径化のため全自動ライフル(アサルトライフル)と
分別が付きにくくなってきている。
なお、小銃弾以上の口径の機関銃については当ページでは述べていない。 |
年 代 | 図 | 所 属 | コメント | 検索語 |
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1884 |
マキシム・プロトタイプ
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アメリカ
反動式 |
1883年電気会社でフィラメントを発明したマキシムは友人から金を儲けるには
兵器開発だと言われ、実行した。1884年に完成したプロトタイプは
トグルジョイントというよりピストン・コンロッドと言うくらいの機構であった。
蒸気機関も開発したマキシムなのでやたらと開発が早いのもうなずける?
http://glennhyatt.com/usmcguns/maxno1.htm
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Hiram Maxim Maxim machine gun |
1885 |
マキシム 1885
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アメリカ
反動式 |
マキシム機関銃を装備するロシア軍が日露戦争(1904-1905)において2丁で200名の日本軍を
打ち倒す様を見たイギリス、ドイツ軍は機関銃の威力を確信し開発を急ぎ、その後勃発した第一次大戦は
各国が大量の機関銃を用い「機関銃戦争」とも呼ばれた。
機関銃の必要性を感じていなかったアメリカは装備に遅れをとった。 機関銃の登場は二次大戦への大量虐殺の始まりでもあった。 http://www.nationmaster.com/encyclopedia/Machinegun http://www.geocities.com/dencee/Frontier.htm
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Hiram Maxim Maxim machine gun Russo-Japanese War 日露戦争 |
1895 |
コルト・ブローニングM1895
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アメリカ
6mmLee ガス圧式 |
天才銃器デザイナー、ブローニング作。ガス圧利用式だが、後年のピストン式ではなく
リンクレバー式。試作は44-40、45-70口径であったが海軍に6mmLee 口径で採用。
陸軍はクローズドボルト式のために起こる自動着火を嫌い採用しなかった。
米西戦争で実戦に使われた。
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colt 1895 John Browning |
1908 |
マキシム MG08
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ドイツ
7.92x57 反動式 |
日露戦争の報告によりドイツで制式採用、水冷ジャケットに溝が無かった。
機構はマキシムそのものだが、そりにもなる3脚が特徴。第一次大戦に向け大量に導入された。 http://www.adrax.com/watsons/m8.htm http://pageperso.aol.fr/mitraille123/Allemandes/Mg08/MG08.htm
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Maschinengewehr 08 Maxim 1908 Machine Gun |
1910 |
マキシム M1910
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ロシア
7.62x54R 反動式 |
1905年よりロシア国内でも製造されたマキシム機関銃1905の小改良版。
兵士一人で運搬できるように車輪の付いたリアカーのようなSokolov 式銃架が特徴。
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maxim 1910 russian Sokolov wheeled mount |
1911 |
ルイス M1911
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アメリカ
30〜7.7 ガス圧式 |
アメリカ人ルイス氏により開発。米軍採用はならなかったがイギリスを始め多国で使用された。
空冷式だが発射ガス圧を利用して後方よりベンチュリー効果で空気を吸い込み冷却する。
歯車型リコイルスプリングなどユニークな機構。
日本海軍も7.7mm 留式(92式)として使用。ルイス機関銃は第一次大戦で各国に使用された。
http://www.firstworldwar.com/atoz/mgun_lewis.htm
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Lewis machine Gun british machine gun |
1912 |
ヴィッカースMk1
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イギリス
.303 反動式 |
日露戦争の報告によりマキシム機関銃をイギリス・ヴィッカース社で改良し
英国軍に採用された物。 プロペラ同調機構付で航空機にも使用された。 http://www.vickersmachinegun.org.uk/ http://www.mgcorps.ndirect.co.uk/vickers.html
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VICKERS MACHINE GUN |
1914 |
ホチキス Mle 1914
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フランス
8mm ガス圧式 |
ホチキス社で製造されたガス・ピストン式の機関銃。当初から空冷式。
この銃の前のモデルである1900型の日本製ライセンス品は日露戦争で日本軍により
使用された。マキシムの布製ベルトリンク式給弾と違ってプレートに一列に並べる
保弾板を使用する。
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Hotchkiss Guns french machine gun |
1915 |
MG08/15
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ドイツ
7.92x57 反動式 |
マキシムのマシンガンMG08 を兵士一人でも運べるように改良した物。
基本機能は変わっていない。のちに空冷となる。 http://www.battlefield1918.de/history/129/ http://www.mg0815.com/
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mg 08/15 maxim 08/15 |
1917 |
ブローニングM 1917
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アメリカ
30-06 反動式 |
ショートリコイル式で、1910年頃完成していた。アメリカ軍は機関銃の必要性を感じていなかったが
第一次大戦(1914-18)に参戦して(1917)他国の装備に驚き、急いで制式化した。
少数が一次大戦に使用され、のちの2次大戦でも多く使用された。
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browning 1917 |
1918 |
B.A.R
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アメリカ
30-06 ガス圧式 |
1917年ブローニングはワシントンに2丁の機関銃を持ち込んで公開デモンストレーションを
行った。うち歩行しながら自動発射できるライフルはすぐに採用されB.A.R となった。
もうひとつは水冷式機関銃1917でのちに採用された。 ライフルのような外観だがオープンボルト式全自動発射可能で小銃との中間的な銃器。 一次大戦末期に登場し二次大戦、朝鮮戦争まで使用された。M1 ガランドの2倍くらい重い。 http://world.guns.ru/machine/mg36-e.htm
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Browning Automatic Rifle |
1919 |
ブローニング1919
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アメリカ
30-06 反動式 |
水冷式1917を銃身に放熱ジャケットを被せ空冷式にした物。
図は1919 A6 で最もあとのモデル。当初は3脚に乗ってストックも無かった。
2次大戦、朝鮮戦争に使用された。航空機にも搭載された。 http://www.liberatorcrew.com/15_Gunnery/02_30cal.htm |
browning 1919 |
1922 |
11年式
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日 本
6.5mm ガス圧式 |
大正11年日本初の国産軽機関銃。38式歩兵銃の弾薬(5発クリップ入り)を6個重ねて使用する。
マガジンをケチって実戦で故障多く、まさにミクロを見てマクロを見ず。冷却フィンもネジ切り状。
本来この名鑑には、入れられない失敗作であろうが、私は日本人なので掲載。
給弾部分の設計は、かの有名な南部 麒次郎。 http://homepage3.nifty.com/sweeper/gun/m_gun/11lmg.htm
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11年式 軽機関銃 |
1928 |
デグチャレフ DP
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ロシア
7.62x54R ガス圧式 |
ロシア初の国産機関銃(1924〜1991 はソビエト連邦)。開発はデグチャレフ中将。
亀の甲羅のように上部にドラムマガジンが付けられる。
ローラーロッキング式のように左右に張り出すブロックでロックする。
少ない部品で快調に動作したようだ。のちに機関部後端にバッファーが付けられ
独立グリップのDPM となった。2次大戦に使用された。DPM はベルト給弾できるRP-46を経て
RPD へと進化する。 http://world.guns.ru/machine/mg34-e.htm
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dp machine gun Degtyarev DP |
1926 |
ZB26
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チェコ
7.92x57 ガス圧式 |
ZB とは製造会社のセスカ・ゾブロジョブカを示す。安定した動作に定評がある。
多くの国に輸出され、中国では国産化され日中戦争に使用された。また、改良型の
ZB30 はイギリスのブレン軽機関銃の参考となった。マガジン式。 http://www.bvs.cz/armysurplus_parts_machine_guns_cz_26_792.html
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ZB26 bren machine gun |
1930 |
ドライゼMG13
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ドイツ
7.92X57 反動式 |
MG34 制式化まで使用された。直動式ショートリコイル。基本はドライゼ1912、1915、1918
の水冷型を空冷にしマガジン式にした物。安定した機構で各所に使われた。 http://www.dasheer.org.uk/machine_guns.htm
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Dreyse MG13 mg13 german |
1930 |
ブレダM30
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イタリア
6.5x52 反動式 |
ブレダ1924の改良型。特殊な装弾器を取り付けて使用する。第2次大戦に使用された。
クローズドボルト式なのでコックオフ現象の回避のため油を吹き付けていた??
http://www.comandosupremo.com/Breda30.html
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Breda Italian Army Breda model 30 |
1930 |
ゾロトン MG30
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ドイツ
7.92x57 反動式 |
第1次大戦で敗れたドイツはスイスのゾロトン社を買収し、そこで兵器開発は続けられた。
この銃も設計はドイツのラインメタル社。製造はスイスのゾロトン社。
航空機用機関銃のラインメタルMG15,MG17を参考にしたショートリコイル、回転ボルト式。
単純な構成と少ない部品で高い評価を得た。のちの名機MG34の参考になった。
MG30 は、オーストリア、ハンガリーでも制式採用された。
http://www.economicexpert.com/a/MG30.html http://www.info.tampere.fi/a/amuri/tyot/KK2.htm
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Solothurn MG30 Solothurn S2-100 |
1932 |
92式重機関銃
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日 本
7.7mm ガス圧式 |
ホチキス機関銃を参考に1914年(大正3年)制式化の3年式重機(6.5mm弾)を7.7mm弾仕様に変更した物。
満州事変において中国軍の7.92mmモーゼル弾に劣る6.5mm弾使用の前線からの要望で実現された。
カートはセミリムド。のちの99式歩兵銃の弾はリムレスで別物。
保弾板により給弾。6つのガス圧選択、クロームメッキされた銃身、ガス室など凝った作り。
発射速度が遅いため命中精度は良かった。性能優秀であったようだ。2次大戦の主力機関銃。
米軍は発射音から「ウッドペッカー」と呼んだ。 http://www.kimdutoit.com/ee/index.php/ggps/japanese_type_92_machine_gun_77mm/ http://www.rt66.com/~korteng/SmallArms/japheavy.htm http://www.multipointproductions.com/heroes/henri/weapons.htm
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3年式 機関銃 92年式 機関銃 japanese machine gun |
1934 |
MG34
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ドイツ
7.92x57 反動式 |
ラインメタル社のMG30 を参考にモーゼル社で設計された。ショートリコイル・回転ボルト式。
多目的機関銃の元祖といえる名機。毎分900発という高速発射、簡単な銃身交換、マガジン&ベルト給弾、
2脚、3脚、車載など多くの優位性を持つ。第二次大戦に使用された。
http://www.dasheer.org.uk/machine_guns.htm http://www.gunsworld.com/mgp/mg34_us.htm http://www.wwiitechpubs.info/barrack/inf-deutschland/inf-de-mg-mg34-mg42/inf-de-mg-mg34-mg42-ftr.html
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mg34 machine gun Maschinengewehr 34 |
1936 |
96式軽機関銃
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日 本
6.5mm ガス圧式 |
中国軍が使用するZB26を参考にしたと思われる。銃身にクロームメッキを施している。
世界的にも珍しい着剣装置があり、三八式歩兵銃の銃剣が付けられる。白兵戦重視の
軍部の考えが見て取れる。スコープ付きのモデルもあり、一撃必殺思想だが世は弾薬大量消費時代へと
変わっていた。1939年6.5mmが弱装だとの判断で7.7mm口径(リムレス・九九式小銃用)になり99式軽機関銃となる。 http://homepage3.nifty.com/sweeper/gun/m_gun/96lmg.htm http://www.lonesentry.com/articles/jp_squadweap/
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japanese 99 machine gun 96式 軽機関銃 |
1938 |
ブレンMk I
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イギリス
.303 ガス圧 |
定評あるチェコのZB30 を見初めたイギリス軍は技術者を呼び英国用改良型の打診をはかり
出来上がった物。303弾がリムドのためマガジンがバナナ式。英国軍の二次大戦の主力機関銃となった。
のちに7.62NATO 弾用も作られた。 http://www.wwiitechpubs.info/barrack/inf-uk/inf-uk-lmg-bren/inf-uk-lmg-bren-br.html http://world.guns.ru/machine/mg10-e.htm http://www.rt66.com/~korteng/SmallArms/bren.htm
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ZB30 Bren MG Mk I |
1942 |
MG42
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ドイツ
7.92x57 反動式 ローラーロッキング |
MG34の削り出しフレームを生産性アップを目指しプレス加工にし、閉鎖機構も設計しなおし
ローラーロッキングにした物。MG34 を名機とすればMG42 は名品といえる。
毎分1,200発という驚異的な能力、ボルト閉鎖にローラーロッキングを採用。回転ボルト式よりも
ゆるい工作精度でも堅実な動作をもたらした。戦時中、米軍もコピーを試作した。
2次大戦後もMG3 として7.62mm NATO 弾で使用された。 http://198.144.2.125/MG42/mg42.htm http://www5d.biglobe.ne.jp/~longbow/mg42.html http://world.guns.ru/machine/mg08-e.htm
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mg42 Maschinengewehr 42 |
1950? |
RPD
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ソビエト
7.62x39 ガス圧式 |
DPM を口径変更に伴い見直して作られた。AK47 と同じ弾を使う。デグチャレフ氏作。
機構はDP より引き継いだリーフ・ロック式。ストック内にリコイルスプリングがある。
ロシアの軽機は、のちにAKM ベースのRPKに入れ替わった。 http://world.guns.ru/machine/mg14-e.htm
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RPD machine gun |
1950? |
FN MAG
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ベルギー
7.62NATO ガス圧式 |
ブローニングのBAR の閉鎖機構、給弾部はMG42を参考にして作られた。
ライフルのFALとともに多くの国で制式採用されFN社は「7.62mm 時代」を制した。
この事がアメリカ独断の5.56mm 小口径採用の伏線となっているのかもしれない。
http://world.guns.ru/machine/mg06-e.htm http://www.gunsworld.com/belg/fn_mag_us.html
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FN mag |
1957 |
M60
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アメリカ
7.62NATO ガス圧式 |
2次大戦終了までアメリカは自国開発の多用途機関銃を持っていなかった。
戦後ドイツのFG42,MG42 の部品を利用して開発が始まった。当初は30-06 でスタートしたが
途中7.62mm NATO が制式化され口径が改められた。ベルト給弾のみで毎分600発と遅い方。
ガス圧式、回転ボルト閉鎖。銃身交換に難ありだったがのちに改良された。
ベトナム戦争以降実戦にたびたび登場した。映画「ランボー」で撃ちまくって有名になった。
ヘリコプターにも搭載された。 http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/m60e3.htm
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m60 machine gun M60 機関銃 |
1959 |
RPK
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ソビエト
7.62X39 ガス圧式 |
AK47 の弾丸を使用する。ライフルのAKM の銃身の長いモデルと言え、ライフルと
軽機関銃の中間的な銃器。銃身が長い事による射程の長さと多弾倉の装着で
軽機はこれで行こうとしたが、やはり威力の強いPK も開発された。 現在は5.45mm のRPK-74となっている。 http://www.sovietarmy.com/small_arms/rpk-74.html http://kalashnikov.guns.ru/models/ka142.html
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RPK machine gun |
1961 |
PK
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ソビエト
7.62X54R ガス圧式 |
AK47 の弾丸ではなく威力の強いモシンナガン弾を使用する。
プレス加工を多用したフレーム、ボルトはRPDのリーフ・ロックではなく回転式。
http://kalashnikov.guns.ru/models/ka154.html
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PK machine gun |
1976 |
FN ミニミ
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ベルギー
5.56NATO ガス圧式 |
76年FN社より発表。82年米軍採用。ベルト給弾、M16のマガジンも使える。
ガス圧、回転ボルト閉鎖。 http://world.guns.ru/machine/mg17-e.htm
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fn minimi |
2003 |
H&K MG43
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ドイツ
5.56NATO ガス圧式 |
2003年ドイツ軍にMG4として制式採用。ガス圧、回転ボルト式。
ベルト給弾のみでマガジンは使えない。
http://world.guns.ru/machine/mg40-e.htm http://www.hkdefense.us/pages/military-le/special%20applications/mg43.html http://www.gun-world.net/old/H&K/mg43/mg43.htm http://www.hkpro.com/mg43.htm
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mg4 machine gun hk mg43 |
間違いなどございましたらメールでご指摘ください。
アイコンは ENDO さんの作品です。